ワシントン州にある国立集合住宅協議会(NMHC)はマンション業界のリーダー的存在であり、アメリカ人38万人のためのアパート住宅を提供している国内最大級の賃貸企業の幹部がメンバーとなっているNPO法人である。この団体が発表した最新データでは、これらの企業幹部の43%が短期レンタルサイト上に自宅を登録しているという結果が報告されている。
9月7日〜12日に行われた、50棟以上の集合住宅地を所有するオーナーとマネージャー、100万人以上の共同住宅を含む全79社を対象にした公式調査では、33%がAirbnbの発表と同様に、ホームシェアリングのパートナーシップに対して前向きな姿勢であり、42%は興味がないと回答した。
このホームシェアリングに関する調査は、米大手民泊サイトのAirbnbによる「多世帯パートナーシップ・プログラム」の発表をもとにしており、現在の賃貸契約違反がどのようにアパート事業を行う企業および居住者双方の収益機会に変わるのかということを示す初の市場主導の試みとなっている。
Airbnbの幹部は先日行われた国立集合住宅協議会(NMHC)の取締役会の会議で、全国有数のアパート企業の幹部に新しいプログラムの概要を提出している。それを受け取ったNMHC社長兼最高経営責任者のダグ・ビビー氏は、「短期レンタルは、集合住宅のような規模の大きいアパートである多世帯企業の間で活発な議論を巻き起こしており、その意見は無視できない状況にある。ホームシェアリング実施により無数に起こるであろう法的規制および運用上の問題への対処にあたり、我々と共にAirbnbが協働してくれることにとても感謝している。」と述べている。
調査によると、ホームシェアリングのプラットフォーム上に自身の物件を掲載する住民の懸念のTOP3は、安全性の問題(80%) 、賠償責任(74%)、生活クオリティの不安・近所迷惑(74%)となっており、Airbnbはより良い情報と物件の管理とともに収益の分配を提供しながら、同社が提案する「多世帯パートナーシップ・プログラム」によりこれらの懸念の緩和を目指す。
また、ホームシェアリングの実施にあたり、短期レンタルの規制が各管轄によって異なることももう一つの問題となっている。仮にホームシェアリングが法的に許可された場合、参入したいと興味を持っている住民は全体の4分の1を占めており、35%以上の人々はホームシェアリングが自身の管轄で違反行為なのかどうかが一番の懸念事項であるというアンケート結果が出ている。
政府総務担当副社長ケビン・ドネリー氏は、「人気急上昇中の共有経済、特にホームシェアリングは、関連する企業や政策立案者双方のための新たな課題であり、それと同時に経済機会をもたらしている。該当するアパート事業を行う企業が、この新たな共有経済を実施すると選択した場合は、既存の法律や規制にしっかりと準拠し、参加する権利があるはずだ。」と語っている。
この調査では他にも、ホームシェアリングを実施して住民が違法行為を起こした場合どのような措置をとるかというアンケートも行っており、企業側は86%が口頭または書面による警告を行うとし、54%が賃貸契約を終了すると回答している。
【参照記事】Survey Shows One Third of Leading Multifamily Firms Open to Home Sharing
(Livhub 編集部 佐々木 久枝)
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