Airbnbは米国時間10月9日、2020年に注目される旅行先ランキングを発表した。2020年は無名のスポットやエコ意識の高い国や街に世界の注目が集まる見通しであることが、同社の予約データから明らかになった。なお、このたびのランキング結果は、Airbnb社内のデータをもとに、2019年9月時点で確定している2020年の予約数を、前年同期の予約数と比べたものとなっている。
1位はミルウォーキー(米ウィスコンシン州)で前年比729%増だった。ミシガン湖に面した魅惑の古都で、大統領選では、対立候補の指名が行われる民主党全国大の主催地であるミルウォーキー。観光地としては知名度は低いものの、素敵なレストランやバー、文化施設、そして名建築家カラトラバの傑作ミルウォーキー美術館などを擁する魅力あふれる街だ。
2位はビルバオ(スペイン)で前年比402%増だった。鉄鋼・造船の衰退とともに寂れた工業地帯ビルバオ。しかし近年は、文化の街として驚くべき変貌を遂げている。1997年の巨匠フランク・ゲーリーのグッゲンハイム美術館の開館を皮切りに、2018年にはヨーロッパを代表する都市の年間大賞に輝いた。また、欧州サッカーの最強国を決するユーロ2020開催地であることからも、今後も注目が集まりそうだ。
3位はブリーラム(タイ)で前年比383%増だった。首都バンコクからおよそ400キロと遠く離れているものの、国内有数のクメール文明遺跡が残るブリーラム。特にパノムルン遺跡群は、隣国カンボジアのアンコールワットに並ぶ規模を誇る。そのほかにも認知度の高いブリーラム・マラソンの開催、また2018年より国際バイクレース「MotoGP」のタイGP開催地であるチャーン・インターナショナル・サーキットがある。
4位はサンベリー(豪ビクトリア州)で前年比356%増だった。メルボルンから北西に位置するサンベリーは、野生動物、ワイナリー、ヴィクトリア時代の古建築がおしゃれな市民に人気のスポットだ。クリケット英豪チームが争う骨壺トロフィー「ジ・アッシズ」生誕の地として有名。2020年はメルボルンがクリケット世界選手権「ICC T20ワールドカップ」開催地となり、サンベリーもファンの大量動員を見越している。
5位はルーマニアで前年比298%増だった。清らかな風がそよぐ丘、古色蒼然たる田舎の村。観光と違う旅を求める人にとって、ルーマニアはまさに夢の国といえる。欧州最後の広大な原生林を有し、2018年環境パフォーマンス指数(EPI)の生態系持続力で見た国別ランキングでは、世界15位にランクインしている。
6位は西安(中国)で前年比255%増だった。中国文明発祥の地として世界四大文明古都にも数えられている西安。中国西部・陝西省の省都であり、万国料理が交わるシルクロードの起点だ。街全体が「中国の野外博物館」と呼ばれ、1974年に農民が偶然見つけた兵馬俑をはじめ、諸王の王朝・長安として栄えた悠久の歴史を感じることができる。
7位はユージーン(米オレゴン州)で前年比213%増だった。オレゴン州で3番目に大きく、ナイキを生んだ都市として有名なユージーンは、周囲の美しい自然に惹かれてエコ意識の高い人たちが流入したことにより、街全体がオーガニック食品産業の中心地に発展してきた経緯がある。2020年には、ユージーン市が保有するすべての施設と事業でカーボンニュートラルな都市を目指すことを誓い、全市を挙げてエコな街づくりに取り組んでいる。
8位はルクセンブルクで前年比167%増だった。欧州の小国ながら、魅力は尽きないルクセンブルク。崖の上の要塞都市は幻想的で、1994年には旧市街全体がユネスコ世界遺産に登録された。街を抜けるとそこには、緑の森が茂る丘、中世の城、切り立つ崖と渓谷、素朴な村、ぶどう畑が広がっている。
9位はグアダラハラ(メキシコ)で前年比158%増だった。メキシコシティの喧噪とは打って変わり、メキシコ第2の都市グアダラハラは、ゆったりした時が流れる街。風光明媚なチャプルテペックの森周辺には、植民地時代の壮麗な建築が並び、お祭りや美術館も多数。市が公道から車を締め出し、自転車天国、歩行者天国の整備を推進しているグリーン都市である点も注目のポイントだ。
10位はバヌアツで前年比140%増だった。オーストラリアから西へおよそ3,220kmの場所に位置する天国のように美しい島々が集まる独立国バヌアツ。人ひとりいないビーチ、太平洋を行き交う野生生物は迫力満点。80以上の島々からなり、使用言語は群島全体で100をくだらず、1人あたりの言語密度は世界最高だ。火山ハイキングから世界一流のスキューバダイビングまで、アクティビティの幅広さも世界随一といえる。
なお、11位から20位までは以下の通りだ。
- 11位 カリ(コロンビア) 前年比137%増
- 12位 ケープカナベラル(米フロリダ州) 前年比136%増
- 13位 アバディーン(スコットランド) 前年比119%増
- 14位 コートニー(カナダ西海岸) 前年比114%増
- 15位 ウバツバ(ブラジル) 前年比108%増
- 16位 レ・コンタミヌ・モンジョワ(フランス) 前年比108%増
- 17位 東京(日本) 前年比103%増
- 18位 ケーララ(インド) 前年比95%増
- 19位 マリンディ(ケニア) 前年比88%増
- 20位 マーストリヒト(オランダ) 前年比55%増
近代化の香り漂う文化拠点から振興スポット、大型イベント開催予定地まで、このたびのランキングは多くの驚きと発見が得られる結果となった。日本国内でも都市部から地方へと注目が集まるなど、訪日外国人の旅行先に変化が見られる今、さまざまな方法で日本の新たな魅力を外国人に発信していくことでさらなる訪日客増につながるだろう。
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(Livhubニュース編集部)
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