1泊2日でサステナブルな働き方を体験。「富士見 森のオフィス」が「GREEN COMMUNITY ワーケーション」開始

家庭と同じように、日々のなかで多くの時間を過ごすオフィス。そこから出るゴミの削減やその他の環境に対する配慮は、企業と社員の意識や行動がうまく協調してこそ生まれるもの。自宅での取り組みのように個人の意思だけでは進まないという難しさに加え、企業として目指すべき基準設定なども大事なポイントとなる。

そこでサステナブルな働き方を目指す企業やオフィス運営者向けに、サステナブルな働き方に触れることができる一泊二日のワーケーションのプログラムをご紹介する。

『GREEN COMMUNITY ワーケーション』の背景と目的

長野県・富士見町で2015年にオープンしたコワーキングスペース、富士見 森のオフィス(以下、森のオフィス)は、2020年より、働く場から自然環境に対して責任ある意識と行動を広めるプロジェクト「GREEN COMMUNITY」を開始し、当施設の運営における環境負荷を改善する取り組みや、同オフィス会員・地域の事業者への啓蒙活動をはじめ、他のコワーキングスペースに対するサステナブル運営支援やサステナビリティ推進企業との連携を積極的に進めてきた。

「環境負荷の削減に対する取り組みは、今後地球上でビジネスを継続していく上で、避けては通れない事業条件の一つであり、SDGsをきっかけに多くの企業がこの地球規模の課題に向き合い始めている中で、多くの人が働くオフィス環境や働く環境においても、責任ある行動が求められる」と森のオフィスは考えている。

そんな森のオフィスが提供する『GREEN COMMUNITY ワーケーション』は、これまで彼らが取り組んできたオフィス環境におけるサステナブル施策について体験を通して学ぶことができる、1泊2日の研修プログラムだ。


※写真: 富士見 森のオフィスでの取り組み。左から、竹をリサイクルして作られたトイレットペーパー、軽食類の量り売り提供、徹底した分別の様子。


シェアオフィス事業者様は、本プログラムにご参加すると、一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパンが提供するコワーキングスペース・シェアオフィス向け「ゼロ・ウェイスト認証」の申請プロセスを簡素化できると同時に、取得するために必要な取り組みや、自社が目指すべき認証項目が明確になる。

ワーケーションプラン


<1日目>
①座学
森のオフィス設立時から現在のサステナブル運営に至るまでの過程を伝えながら、これからの時代に求められるコワーキングスペースのあり方、ワークスペース運営者がこれから目指すべきワークスタイルについての話をする。

②見学
森のオフィスの運営スタッフが森のオフィス館内をご案内し、ワークスペースをサステナブル化するためのアイデアを実際に見学。また見学しながら、サステナブル施策導入後の運営上の課題や、導入にあたり注意すべき点など、実践から学んだ森のオフィススタッフのノウハウを伝える。

③ワークショップ
ワークスペースをサステナブル運営に転換するためのアイディエーションの場を提供。森のオフィススタッフと一緒に、参加事業者様のワークスペースで実際に取り組むサステナブル施策をブレストする。また施策を通してユーザーの意識・行動変容に繋げていくためのユーザーコミュニケーションについても考える。

<2日目>
森林浴、ヨガ、森林アートセラピーなど、ご要望に応じてリトリートオプションをご用意。

費用

・サステナブルワーケーション費用 ¥55,000(税込)
・森のオフィスLiving 1棟貸切 ¥110,000(税込)
 ※リトリートオプション費用(応相談)
 ※定員最大14名。少人数の場合は、お部屋単位でのご利用も可能。詳しくはご相談を。

参加者/有識者のコメント

一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパン代表 坂野晶様

日本初のゼロ・ウェイスト宣言自治体として知られる徳島県上勝町で、2017年に生まれた「ゼロ・ウェイスト認証」は、様々な主体を繋ぐ場を運営する事業者を対象に、ごみ削減の取組の指針を示すとともに、一見わかりづらい・見えづらい「ごみ削減の努力」を可視化する仕組みとして始まりました。当初は飲食店などの店舗向けに始まったのですが、森のオフィスのみなさんとの試行錯誤を経て、2021年よりシェアオフィス向けの認証を開始しました。

 日々を過ごす「オフィス」という空間は、個人の意識や行動と、企業・事業体の意識が交わる接点となりえる場所です。持続可能な社会・経済システムへの転換は急務であり、大規模な投資とともにサプライチェーン全体の転換を図ることは企業・事業体活動において非常に重要ですが、一方でその中で働く一人ひとりの意識や行動が置き去りにされては、全体を転換させていくことはできません。
そんな日々の行動変容そして意識変容を支える仕組みとして、森のオフィスの実践と試行錯誤が詰まった場で、そのメンバーとともに考える時間は気づきと創発に富んだ時間となることは間違いありません。さらにここから全国に仲間が増えていくことを楽しみにしています!

Creative Lounge MOV スタッフ/NPO法人530(ゴミゼロ)代表 中村元気様

ゴミは非常に身近にある問題ですが、身近すぎるがゆえになかなか問題として捉えることができていない人が多いように感じます。また、ちりも積もれば山となるというように山になってから初めて問題の大きさに気づくような問題でもあると感じています。
こういった問題を日々多くの時間を過ごすオフィスから環境を変えていくことにチャンレンジするのは非常に面白いと感じています。同様に東京の渋谷でコワーキングスペースを運営する人としてこれからのチャンレジを非常に楽しみにしつつ、自分たちも変化を起こしていきたいと思います。何より、体験として持ち帰ることができるこういったプログラムにいち早く現地で参加してみたいと心から思います。

私たちは、働く場から自然環境に対してポジティブなインパクトを世の中に広めていける仲間との出会いを楽しみにしております。ぜひ、長野の自然に囲まれながら、未来の働き方について考えるきっかけになれば幸いです。

働く環境から意識と行動の変容を

個人と企業の接点となるオフィスは、環境負荷を減らす意識と行動を広げていく上で大切な場所。その意味でも、知識だけでなく体験を通してサステナブルなワークスペースについて学べる今回のプログラムは、より貴重な機会となるはず。ぜひ富士見の里山の中に身を置きながら、これからのオフィス環境について考えてみてはどうだろうか。

【参照サイト】富士見 森のオフィス

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いしづか かずと

Livhubの編集・ライティング・企画を担当。訪れた場所の風景と自分自身の両方を豊かにする旅を探している。神奈川と長野をいったりきたりしながら二拠点生活中。GSTC Sustainable Tourism Training Program修了。環境再生医初級。