ワーケーションのタイプ・分類

目次

  1. ワーケーションとブレジャー
  2. 業務型と休暇型
  3. ワーケーションの4分類
  4. その他のワーケーション分類
  5. まとめ

ワーケーションタイプ・分類

ワーケーションには、どのようなタイプがあるのでしょうか?ここでは、観光庁が「新たな旅のスタイル ワーケーション&ブレジャー」の中で公表している下記5つの分類に沿って、詳しく解説していきます。

ワーケーションとブレジャー

観光庁では、同時期に一斉に休暇を取得し、宿泊日数も短く観光地は混雑するという日本の旧来型の旅行スタイルから脱却し、ライフスタイルに合わせた多様な働き方や新たな観光・旅行需要の創出を推進するために、仕事と休暇を組み合わせた「新たな旅のスタイル」を提唱しており、具体的には「ワーケーション」と「ブレジャー」という2つの方法を提示しています。

ワーケーションとは?

ワーケーションとは、Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた造語であり、テレワークなどを活用しながらリゾートや温泉、国立公園など普段の職場とは異なる環境で余暇を楽しみながら、仕事を行う新しいワークスタイルを指しています。

ブレジャーとは?

ブレジャーとは、Business(ビジネス)とLeisure(レジャー)を組み合わせた造語で、ビジネス出張などを活用し、出張の前後で前泊・滞在延長などにより出張先で余暇を楽しむことを指します。

業務型と休暇型

上述のように、ワーケーションはブレジャーとは異なり、仕事と休暇が組み合わさり一体となった新たなスタイルを指しています。観光庁では、ワーケーションの中でも「休暇」を主体とするか「仕事」を主体とするかで、さらに「休暇型」と「業務型」の2つに分類をしています。

休暇型とは?

休暇型とは、リゾートや観光地などで余暇を楽しみながら空き時間を活用してテレワークを行うスタイルを指します。ノマドワーカーのように場所に囚われず業務ができる人々による個人単位のワーケーションが基本となり、あくまで休暇が目的のため、移動や宿泊にかかる費用は個人負担が前提となります。また、「休暇型」は企業が有給休暇の取得推進などの福利厚生を目的としているケースも多く、「福利厚生型」とも呼ばれています。観光庁では、「休暇型」を日本におけるワーケーションの導入のきっかけとなった類型としています。

業務型とは?

「業務型」は休暇ではなく仕事メインとするワーケーションで、業務時間の前後や合間に休暇を楽しむといった形態となります。「業務型」は、企業やワーケーションの受け入れ地域のニーズに合わせてさらに「地域課題解決型」「合宿型」「サテライトオフィス型」の3つに分類されており、ブレジャーも「業務型」に分類されます。近年では、企業による自主的な業務型ワーケーションだけではなく、自治体や宿泊施設の企画による業務型ワーケーションも増えてきており、様々な日本型の新たなワーケーションスタイルが生まれています。

ワーケーションの4分類

上述したようにワーケーションは「休暇型」「業務型」の2つに分類することができ、「休暇型」、は「福利厚生型」、業務型は「地域課題解決型」「合宿型」「サテライトオフィス型」の3つへとさらに細かく分類できます。

福利厚生型

「福利厚生型」は、企業が、有給休暇の取得推進など福利厚生を目的として取り組んでいるワーケーションスタイルです。従業員が長期休暇明けの業務増加に対する不安やストレスなどを原因に長期休暇の取得に対する抵抗感を持っており、なかなか有給休暇の取得が進まないという課題を抱えている企業に適したスタイルと言えます。あくまで休暇のため移動や宿泊費用は個人の負担が前提となるもの、休暇中に旅行先や帰省先からのテレワークを許可することで、結果として有給取得率が向上し、従業員のモチベーションも高まると言ったメリットが期待できます。

地域課題解決型

「地域課題解決型」は、企業の従業員が地域関係者との交流を通じて共に地域の課題を考え、解決アイデアを出したり、実際に解決に取り組んだりしていくスタイルのワーケーションスタイルです。企業のSDGsへの取り組みとしてだけではなく、地域での課題解決体験を通じた従業員の人材育成、地域との交流による新規事業の創出など様々な観点から注目されています。

合宿型

「合宿型」は、リゾート地など、通常の職場から離れて様々な会議や研修、ワークショップなどを行うワーケーションスタイルです。チームビルディングや社内のコミュニケーション活性化、新事業やサービス、商品の創出アイデアワークショップなど様々な取り組みがあり、個人によるワーケーションではなく、集団で実施する点が特徴となります。

サテライトオフィス型

「サテライトオフィス型」は、企業が設置しているサテライトオフィスや、一般的なシェアオフィス、コワーキングスペースなどを利用してテレワークを行うワーケーションスタイルです。近年では、自宅以外の環境で集中して仕事をしたいという従業員のニーズに応えるためにサテライトオフィスの開設やシェアオフィスとの法人契約を行う企業なども増えており、従来のオフィス通勤を前提とした働き方に代わる新たな働き方として注目を集めています。

その他のワーケーション分類

上述した観光庁によるワーケーション分類以外にも、様々なワーケーション分類が存在しています。ここでは、その他の代表的な分類をご紹介したいと思います。

一般社団法人日本ワーケーション協会による分類

一般社団法人日本ワーケーション協会では、ワーケーションタイプを「休暇活用型」「拠点移動型」「研修型」「会議型」「新価値創造型」「地域課題解決型」「ウェルビーイング型」の7つに分類しており、これらのタイプから2つ以上を組み合わせるケースも多いと説明しています。

一般社団法人日本テレワーク協会による分類

一般社団法人日本テレワーク協会では、ワーケーションをその目的に応じて「地域で働くワーケーション」「地方移転促進のワーケーション」「移住・定住促進のワーケーション」「休暇取得促進のワーケーション」の4つに分類しています。

松下慶太氏(関西大学教授)による分類

関西大学社会学部の教授である松下慶太さんは、ワーケーションに持っていく仕事の内容という視点からShallow(浅い)/Deep(深い)、つながり/作業の2軸で独自の4分類を提唱し、仕事内容によりワーケーション先の地域を選ぶという方法を提案しています。

まとめ

いかがでしょうか?一言で「ワーケーション」と言っても、実に様々なタイプのワーケーションが生まれていることがお分かりいただけるのではないかと思います。企業のありかたや個人のライフスタイル、働き方の多様化につれて、今後も新たなワーケーションのスタイルが開発されていくと予測されます。個人、企業、自治体がそれぞれのニーズに応じて新たなワーケーションスタイルを生み出していくことで、より多様な選択肢が生まれ、より包摂的で豊かな社会の実現につながるのではないでしょうか。

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