大阪市は、国家戦略特区の最低宿泊日数を短縮する規制緩和を活用し、マンションなどの空き室を旅行者らに貸し出す「民泊」を認める条例を31日に施行するのに合わせ、認定を受けていない「ヤミ民泊」の通報窓口を開設すると、読売新聞が10月25日付けで報じた。
市は条例施行に合わせて職員を22人増員し、市保健所に窓口を設置する。電話やファクス、電子メールで受け付けた通報に基づいて現地調査を行い、ヤミ民泊と判明した場合は営業中止などの行政指導を行う。指導に従わない場合は警察へ告発するなど厳しく対応する方針だ。
市の調べでは、ヤミ民泊の苦情は昨年度の184件から今年度は9月までで323件に増加しており、保健所において事実確認の上で所有者の特定、勧告などを行っていたが、指導で営業を中止させたのは昨年度34件、今年度も54件に留まったという。
今年6月に厚生労働省と観光庁らが開いた『民泊サービス』のあり方に関する検討会では、ヤミ民泊の取り締まり業務の一部について民間委託を検討する案が挙がった。7月から「民泊通報・相談窓口」を設置し、民間へ委託している京都市では、無許可営業331件のうち148件について指導を行い、営業を中止させている。
大阪府の松井一郎知事は9月12日、「民泊事業者や利用者のニーズに合う制度を作るので、これからはきちんと登録をしてもらいたい」と述べ、ヤミ民泊摘発への意欲を示していた。
【参照ページ】「ヤミ民泊」通報窓口開設…大阪市、行政指導も
【参照ページ】「ヤミ」横行の民泊、ようやく規制が実態と合う形に…大阪府市「最低2泊3日」へ緩和の条例改正案提出へ
(Livhubニュース編集部 平井 真理)
平井 真理
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