兵庫県神戸市は6月12日、分譲マンションなどの区分所有者が一部の部屋を旅館とする場合、宿泊者が使用する場所を、住民の区画と分けるように求める独自規定を設けた。同日、神戸新聞NEXTが報じた。
規定では玄関や廊下も対象としており、大規模な施設改修が必要となるため、事業者にとっては極めて高いハードルとなる。
6月の市議会では、関連する旅館業法の条例改正案が可決していた。改正条例では、分譲マンションなどの一部の部屋で旅館業を営む場合、宿泊者専用の玄関や階段、エレベーターなどの設置を義務づけた。
背景には、民泊新法にくらべて制約の少ない旅館業法が、民泊営業の抜け道となることを防ぐ目的がある。具体的に、民泊新法では分譲マンションの民泊営業の届け出の際、管理規約や管理組合の意志を確認した書類の提出が必要とされているが、改正旅館業法では、管理組合等の意志確認は不要だ。さらに、年間営業日数が180日までと定められている民泊新法と異なり、改正旅館業法では営業日数の縛りはない。
神戸市では、同月7日までに民泊開業に関する相談が160件あったものの、実際に民泊の届け出があったのはわずか2件だった。市は「分譲マンションの住環境を守るために必要な規制」としており、民泊新法および改正旅館業法施行を前に、民泊による周辺環境への影響を未然に防止することとなった。
【参照ニュース】マンション一部で旅館営業、規制を強化 神戸市
【参照ニュース】神戸市旅館業法施行条例の一部改正(案)について
【関連ニュース】兵庫県神戸市の民泊・旅館業簡易宿所に関する条例・法律・規制
(Livhubニュース編集部)
最新記事 by Livhub 編集部 (全て見る)
- きっと感動する、神秘的な夜の植物たち。京都府立植物園で没入型アートイベント開催 - 2024年11月11日
- 【11/19開催】成長至上“じゃない”社会と経済システムとは?ゼブラ企業と欧州動向をもとに考えるイベント - 2024年11月6日
- 「よっしゃ頑張ろう」空の旅で、夢への一歩を。JAL、大谷翔平の移動距離を若者へ贈る”ドリームマイルパス” - 2024年10月29日
- 「すべてのものに魂が宿る」アイヌ信仰と現代アートが混ざりあう。阿寒湖の3週間アートイベント - 2024年10月24日
- 水と草木につつまれた「循環型サウナ村」が岐阜の秘境に誕生。人も、地域も、自然もととのう旅を - 2024年10月17日