シンガポールに本拠を置く民泊仲介サイトのRoomoramaがサービスを終了することが分かった。同社ウェブサイト上で告知している。
Roomoramaはサービス終了の理由として「競合の増加による競争激化」と「業界を取り巻く規制強化」を挙げている。同社はすでに新規の予約受付を停止しているが、現在までに受け付けた予約については取り扱うことを明らかにしている。日本ドメインのサイトにはすでにアクセスできない状態だ。
Roomoramaは2009年に設立され、今年6月には世界中8万件以上の民泊物件の仲介を行ってきた。2012年には欧米市場に注力してきた競合のLoftyを210万米ドルの資金を調達し買収、欧米市場に拡大した。さらに翌2013年には旅行価格比較サイトのWegoと提携し、収益可能性のある新たな販売チャネルを獲得していた。
しかし、これらの施策も結果としてはRoomoramaの経営に重くのしかかることとなったようだ。Airbnbが2012年にシンガポールにオフィスを設立してからは同国内における競争も激化したほか、民泊に関する規制に対処する必要が生じたことも運営の足枷となった。
2016年3月には中国北京に本拠を置く中国民泊サイト大手の途家との戦略的提携を発表するなど、中国人海外旅行客向けの施策も強化してきたが、最終的にはサービス終了に至った。
日本でも民泊新法の施行が決定して以降、すでに楽天LIFULL STAYをはじめとして多くの企業が民泊市場への参入を表明しているが、プラットフォームの事業は最終的に数社が市場を独占する形に落ち着く可能性が高いため、各社は生き残りに向けた戦略をしっかりと練る必要がある。
規制とも向き合いながらどのようにシェアを獲得していくべきか、Roomoramaの事例も参考にしながら考える時が来ている。
【参照記事】Roomorama, Singapore’s answer to Airbnb, stops accepting bookings


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