アゴダ創設者ら「短期民泊ハンドブック」を刊行。ホームシェアリングの市場規模や政策提言等を著述

世界最大の旅行会社ブッキングホールディングス傘下の大手オンライン旅行予約会社のAgoda(アゴダ)創設者で会長のロバート・ローゼンスタイン氏と、リサーチや慈善事業等の対外的な活動に重点を置く事業を行うアゴダ・アウトサイドのマネージング・ディレクターであるピーター・アレン氏の共著「At Home Around the World: The Short-Term Rentals Handbook for Guests, Hosts, Neighbors and Governments(アット・ホーム・アラウンド・ザ・ワールド:宿泊客、ホスト、近所の住人、自治体のための短期民泊ハンドブック)」が刊行された。

同書では、ホームシェアリングが民泊物件の所有者や宿泊客のみならず、規模の異なる地域社会にもたらす価値や恩恵など、ホームシェアリング業界が今後世界経済に及ぼす好影響と、自治体に対する多大な税収や関連産業と雇用の創出、近隣地区への経済効果など、将来の成長の可能性を示唆する膨大な市場データがまとめられている。

なかでも、ホームシェアリングの市場規模については2025年までに年率30パーセントで成長を続け、同年までに年間3パーセント程度の成長率が予想されている伝統的な賃貸市場と同様の規模にまでに拡大し、業界単独の市場規模は2018年末までに約1兆9千50億円(169億米ドル)に達すると予想する。そして、市場拡大の速度は世界経済全体の伸び率と比べ2~4倍と示している。

そのほか、全世界で今後10年間に予想される計約2,260億円(20億米ドル)の自治体への税収について、さらにホームシェアリング実施地域で新たに多くが生じる清掃、セキュリティ・サービス、清算システムやマーケティング・プラットフォーム等の関連産業について、具体例をあげて説明する。

さらに世界中の自治体によるホームシェアリングに関する規制と政策を検証し、条例については、すべてのステークホルダーの利益に合致するよう「完全な禁止でなく、柔軟な制限の設定」「免許あるいは登録条件の簡素化」「課税制度の簡易化、公正化」「地元の民泊物件提供者とのパートナーシップ構築」の4つの原則に基づいて制定するよう提言している。

著者は、バラエティに富む宿泊体験を提供する民泊が広がることにより旅行・観光市場の規模も拡大し、市場の成長は業界内のイノベーションを促し、新たなビジネスや雇用を生み出すと主張する。民泊ホスト、ゲスト双方のための便利なチェックリストや連絡文のサンプルといったアドバイスも含まれている同書は、現在英語版が刊行されている。興味がある方はぜひ手に取ってみてはいかがだろうか。

【ウェブサイト】At Home Around the World: The Short-Term Rentals Handbook for Guests, Hosts, Neighbors and Governments
【関連ページ】Agoda(アゴダ)

(Livhubニュース編集部)