2024年5月4日、世界遺産30周年を迎えた屋久島に、12室の宿泊棟とコワーキングカフェを併設したアート&リトリート空間、「Årc yakushima」がオープンした。
Årc yakushimaの基盤となる考えは「Commons(コモンズ)」、すなわち共有財産だ。つまり、ここは特定の誰かの所有物ではなく、関わる皆で所有・管理をする誰しもに開かれた空間。
東京などの都市に住む人々が共同出資し、共同所有者となることで、もうひとつの通い住まいとして利用ししつつ、島に住む地元の人、旅人も利用や場づくりに加わり、それぞれにとって自分の場所と感じられるような場所に時間をかけて育てていくことを目指している。
自然体の生き方を巡らせる
また本取り組みには「都市に生きる人々が、何にも囚われずに自然体でいてほしい」という願いも込められている。
都市で生活を送っていると、無意識の中で、何かの役割を背負っていたり、自分を大きく見せたり、小さく見せたりしてしまっている。そんな都市生活者が屋久島を訪れ、重い荷物を下ろして自然と調和する。そして自然と近づいた自分をまた都市に持ち帰り、屋久島の自然と共にある生き方を巡らせる。そんな循環を起こせればといった考えがある。
そうした願いのもとÅrc yakushimaが提案するのが「1.5拠点生活」だ。時間がかかったり、費用がかかってしまったりと、実現に向けたハードルが高くなりがちな移住や2拠点生活に比べ、いつでも気軽に帰ってこられる場所を目指している。
長期滞在でも不便なく生活ができる、ワークスペースやキッチンスペースも
森や川にふらっと行ける島産の素材の心地よい空間
Årc yakushimaの建築には、屋久島地杉や焼杉など、屋久島や鹿児島産の地域素材が活用されている。オーシャンビューの部屋からは冬にはクジラ、フォレストビューの部屋からは山々や川に棲むホタルが見られ、屋久島の豊かな自然を感じることができる。そうした自然豊かな環境で、自ら然しく、表現するサポートができればと、アーティスト・イン・レジデンスも提供し、リサーチや創作活動を行うアーティストの支援も行う予定だ。
アメニティにはリサイクルポリエステルを使用した環境配慮型のArpe®のバスタオルや、皮膚への影響、香りへのこだわりのあるOSAJIのソープなど、ヒトと環境に配慮したものを採用している。屋久島で生まれ育ったメンバーや、東京との2拠点生活を行っているメンバー、屋久島の地域おこし協力隊で移住推進をしてきたメンバーなどがスタッフとしているのも心強い。
自ら然しく、自然体で生きるために。Årc yakushimaを共に育てにいくのもいいかもしれない。
Årc yakushima|アーク屋久島
公式サイト: https://www.arc-yakushima.com/
住所: 891-4406 鹿児島県熊毛郡屋久島町平内349-41
【参照サイト】小さな自分1人だけでも、世界を変えていこう。屋久島のリゾートが始めた学びの場「サステナブルカレッジ」
【参照サイト】導かれ、見えた “水” が巡る心地よい「屋久島」
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