ニューヨークの民泊ホストはAirbnbなどのホームシェアリングサイトに掲載する民泊物件の正確な住所を広く一般に公開しなければならなくなるかもしれない。NEW YORK DAILY NEWSをはじめ、各紙が報じている。
ニューヨーク市議会の Linda Rosenthal議員が18日に開催された市議会のプレスカンファレンスで新たに公表した法案では、ホームシェアリングに掲載される物件のストリート名、番地、アパート番号、地区、市町村、郡など住所の詳細の掲示を求めている。正確な住所の欠如が、商業的に民泊を運営している事業者が手頃な価格の住宅を違法ホテルとして運用することを容易にしているというのがその理由だ。
同議員は、現在多くのAirbnbリスティングが「秘密のベール」の背後にいると主張しており、この法案が透明性と安全性を重視するオープンで正直なシステムを作り出すと述べている。法案が成立すると、初犯で1,000米ドル(約11万円)、2度目は5,000米ドル(約56万円)、3回目以上は7,500米ドル(約83万円)の罰金が科される可能性があり、違法なリスティングを厳重に取り締まることも容易になる。
Airbnbは既にシカゴ、ニューオリンズ、サンフランシスコ、パリ、バルセロナ、アムステルダムの市役所へのホストの住所提出を余儀なくされているが、いずれのケースにおいても今回の法案のように情報が広く一般に公開されることはない。
民泊は休暇などの不在時に貸し出すケースも多いため、Airbnbはこれまで防犯上の懸念を理由に各物件の正確な住所については公開をしていなかった。同議員は、これが違法なヤミ民泊運用につながっていると指摘するが、それならば他の事例のように行政の状況把握のためにホストの住所を市に提出することは理解できる。
しかし、市民を守る立場の行政がリスクを冒して個人の正確な住所や不在状況の公開を義務化することは、背後に不正なロビー活動があるという訴えも根強い。今後Airbnbとニューヨーク市の新たな議論の種となりそうだ。
【参照サイト】Lawmaker wants apartment-sharing ads in New York City to include address
【参照サイト】Bill Would Require Airbnb To Disclose Addresses Of NYC Hosts
【参照サイト】If this lawmaker has her way, Airbnb hosts may soon have to publish their addresses
(Livhub ニュース編集部)
最新記事 by Livhub 編集部 (全て見る)
- 家族で1週間からのプチ移住体験!宮崎県初 串間市への保育園留学で心と体を動かす学びを - 2025年1月24日
- 持続可能な美食大国へ。トルコ、ガストロノミーの未来を切り拓く - 2025年1月23日
- 【参加者募集】 横浜のサステナビリティ先進事例をめぐるツアー 2/8開催 - 2025年1月21日
- 何百年、何千年先も守りたい景色がある。世界遺産「三保松原」松葉かき体験ツアー - 2025年1月20日
- 再エネシフトが地域財源の確保につながる。兵庫・神鍋高原からはじまる「1% for Local」 - 2025年1月17日