大手米民泊Airbnbは、同社初となる2016年1月~6月までの期間のユーザー情報を「透明性レポート」によりグローバル法執行機関へ発行した。これは、Airbnbによって生成された初の透明性レポートである。
Airbnbの運営は現在191カ国、3万5000都市以上で行われており、2008年の創業以来、すでに1億人以上の人々が利用している。
Airbnbの運営においてこれまでに問題が起きたことは非常に稀であるが、Airbnbを利用するホスト、ゲスト、そして地域社会の権利を保護するために、法執行機関と連携していく旨を表明した。そして、サービス、プライバシーポリシー、および法執行ガイドラインの利用規約に記載されているように、法律でこれを行うために必要な場合、またそのユーザーやメンバーの権利、財産、安全を保護するために情報開示が必要であると思える正当な理由がある場合は、法執行機関の要求に応じてユーザー情報を開示していく方針を示している。このようなレポートを発行する目的は、法執行機関からの要請とそれに応じることにより、今後より良い見通しを提供する点にあるという。
また、Airbnbは法的手続きや法執行機関により情報開示を求められた際、無駄であったり効果がない場合、あるいは他者に危害を及ぼすリスクを生み出さないと判断される場合に限り、ユーザーへの通知を提供するとし、状況によっては、それが例えユーザーだけでなく国からの要請だとしても、同社はこのような通知の提出を法的に禁止することが可能だと述べた。
Airbnbは2016年1月1日〜6月30日の間に法執行機関の要求により処理されたコンプライアンスに関する統計については、以下のように発表している。
世界各国で3100万回によるAirbnbの利用により、法執行機関により要求されたリクエストは合計188件、そのうち実際に情報が開示されたのは82件、すなわちコンプライアンス率は43.6%となっており、これらの数字はGoogleやFacebook、Uberといった大手企業がこれまでに発行した透明性レポートと比べても非常に少なく、どれだけAirbnbの安全性が高いかということが顕著に表れた数字となっている。
また、国別では、情報開示のリクエスト合計はフランス当局がトップで42件、その内実際に情報開示を行ったのは22件、2位はアメリカの31件で情報開示は21件、3位はドイツの25件で情報開示は7件、その後はイギリス、スペイン、イタリア、オーストラリアと続いている。日本のリクエストと情報開示は1件のみであった。緊急要請は、アメリカで2件、その他の国で3件となっており、これらについては全て情報開示がされている。
これらの統計は、現在Airbnbを運営している191か国のうち21か国の政府からのみ情報開示要請をされたことを示しており、これは極めて少ない数といえる。
同社は今後も毎年定期的に透明性レポートを更新すると発表している。
【参照記事】Airbnb Law Enforcement Transparency Report
(Livhub 編集部 佐々木 久枝)
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