世界最大手民泊仲介サイトAirbnbは3月7日、ホテル予約アプリを展開するHotelTonight(ホテルトゥナイト)と買収合意に調印と発表した。買収金額は非公表だが、設立以来積極的なM&Aを行ってきた中でも最大規模になる見込み。
HotelTonightは高級ホテルの直前予約に特化したホテル予約アプリで、当日に予約のない部屋をディスカウント価格で提供する。欧米豪でサービスを展開しており、日本でも高級ホテルが格安料金で泊まれることから、急な出張やフリープランの旅行などに利用されている。
Airbnbは世界中で600万件以上の物件を掲載、現在では40万以上の会社が旅行手配にAirbnbを利用、当日手配の数は昨年度比で倍増している。登録物件は空き家、アパートなど通常の賃貸物件から城、ツリーハウスまで幅広いが、今回の買収で高級ホテルが宿泊先に加わることで「ぎりぎりのタイミングでも特別でクオリティの高い宿泊先を見つけることが可能になる」としており、サービスの付加価値はさらに高まりそうだ。
買収は物件の貸主(ホスト)にもメリットをもたらす。同社によると、初回予約でAirbnbのプラットフォームを利用してホテルを選んだユーザーの90%が2回目には個人ホストを選んでいるという。
Airbnbは2008年に創業、2011年にドイツの民泊仲介サイト「Accoleo」を買収したのを皮切りに10年間で18社を買収している。例えば、高級バケーションレンタルを扱うLuxury Retreatsや、レストラン予約サイトの新興企業のResy、2019年に入り会議スペースのレンタル事業を展開するGeast.comなど、同社サービスに親和性が高い領域の企業の買収を進め、個人、法人向けサービスを拡充している。今年2月にはグローバル交通責任者に航空業界の大物フレッド・リード氏を迎えるなど組織も強化中で、ダイナミックな動向が注目されている。
同社の買収は今年1月に現地メディアで報じられたが、HotelTonightの共同創業者でCEOのサム・シャンク氏はコメントを公表せず、交渉は難航しているとみられていた。買収が完了した時点でシャンク氏はAirbnbのホームシェアリング事業最高責任者のグレッグ・グリーリー氏の直属となり、ブティックホテルのカテゴリーを管掌する。
(Livhubニュース編集部)


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