民泊サイト世界最大手のAirbnbは2月16日、カナダのモントリオールに拠点を置く富裕層向け高級バケーションレンタル仲介のLuxury Retreats(ラグジュアリー・リトリーツ)を買収したことが分かった。ブルームバーグが報じている。
今回の買収はAirbnbの創業以来最も大型の買収となり、買収額は公表されていないが、約3億米ドルと見られている。民泊プラットフォームから総合旅行プラットフォームへの進化に向けて大きな布石を打った形だ。
ブルームバーグによると、今回の買収には欧州ホテル最大手アコーとオンライン旅行大手のエクスペディアも名乗りをあげており、より高い金額を提示したものの、最終的にはラグジュアリー・リトリーツがAirbnbの創業者、ジョー・パウリン氏を高く価したことが決め手となりAirbnbに決定したという。
ラグジュアリー・リトリーツは、現在世界全体で4,000以上の高級バケーションレンタル物件を取り扱っており、Airbnbがこれまでリーチしてこなかった層の物件を網羅している。富裕層向けの高級別荘レンタルは利益率も高く、旅行業界のなかで最も重要な成長領域の一つでもある。
2015年12月にはエクスペディアがバケーションレンタル大手のホームアウェイを買収し、昨年にはアコーホテルズが英バケーションレンタルのワンファインステイを買収するなど、世界の民泊市場をめぐって大型の買収が相次いでいるが、AirbnbもM&Aによる成長を重要な戦略として位置づけているようだ。
実際に、詳しい筋によるとAirbnbにとっては今回の買収もあくまで2017年に予定されている買収の一つにすぎず、今後も複数の買収や提携を検討しているという。
昨年、Airbnb Tripという新サービスを公表し、宿泊予約から旅行、航空券予約まで幅広く取り扱う総合旅行プラットフォームへの進化を宣言したAirbnb。つい先日も時を同じくして2020年までに売上高は85億米ドル、利益もEBITDAベースで約35億米ドルまで伸びるとの予測が公表されたばかりだが(参照記事:「Airbnb、2020年までに単年度利益が約35億ドルへ到達か」)、引き続きAirbnbの成長からは目が離せない。
【参照記事】Airbnb Acquires Luxury Retreats, Beating Out Expedia, Accor
(Livhubニュース編集部)
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