農家や古民家などへ宿泊し、その土地の伝統的な生活や農業・漁業などを体験しながら観光を楽しむ「農泊」。地方のありのままの生活を体験できることが魅力で、人口減少・地方過疎化の改善にもつながるとして農林水産省が積極的に支援している取り組みだ。
鳥取県西部にある日南町と南部町、中部の琴浦町では農泊事業をそれぞれで推進してきたが、アフターコロナを見据え、この度3町合同で農泊のPR活動をスタートした。今年の秋には農泊の魅力を体験できるモニターツアーの実施も予定しており、専用サイトも今月新たに開設されている。
3町での農泊体験は、それぞれに魅力や特徴がある。
日南町は、島根・広島・岡山と県境を接する山間部にある町だ。宿泊先となるのは「古民家かつみや」。登録有形文化財に指定されている風格のある建物が特徴。自然を楽しめる季節ごとの体験型企画が多彩に用意され、子供連れだけでなくアウトドア好きのカップルや一人旅好きにもおすすめできる農泊先だ。
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南部町は、鳥取の西の玄関口と言われる米子空港から車で約30分、米子市内から車で約15分の立地にありながらのどかな田園風景が広がる町。農家や個人宅で手作りのおもてなしを体験できる「なんぶ里山ステイ」を2019年より推進している。子供たちが遊んでいる間に仕事ができるよう、町のコミュニティスペースを活用したコワーキングスペースが用意されている。今後は親子ワーケーションをテーマにしたモニターツアーを実施予定だ。
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琴浦町は名峰・大山の裾野にあたり、日本海にも面している。宿泊先は農家民宿「たつこの掌(しょう)」。町内の農村地帯、立子谷(たつこだに)にある築130余年の古民家を修復した趣のある建物だ。体験プログラムでは大山の伏流水を活かした豆腐づくりを体験することができ、琴浦町ならではの自然と食を満喫できる内容となっている。
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自然と共に生活を営む地方暮らしの体験は、日々慌ただしい生活を送っている方にとっては新たな発見や癒やしを与えてくれるだろう。リモートワークやワーケーションが進み、働き方やライフスタイルが見直されている今こそ、農泊を体験する絶好のタイミングなのかもしれない。鳥取で農泊体験をし、生活に素敵なエッセンスを与えてみてはいかがだろうか。
【参照サイト】とっとり3町農泊/泊まって体験 田舎の暮らし

高橋 真理

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