私たちが、木に温もりを感じるのはなぜだろう。実際に木は熱伝導率が低く、金属を触ったときのようにひんやりすることもない。木製の家具や雑貨、ログハウスなどに抱くあのホッとしたような感覚は、温度だけのものではなさそうだ。
不規則な木目や節が醸し出すナチュラルな雰囲気も、心を落ち着かせてくれる気がする。ウッド系の精油が作られるくらいだから、香りによるリラクゼーションも明らかだ。中でも、ひのきに多く含まれる香り成分の「α-ピネン」には、質のよい睡眠に導く作用があることがわかっている。このひのきのパワーに着目して、2024年に4月にスキンケアラインをリニューアルしたのが、スキン&マインドブランドの「BAUM(バウム)」だ。
サステナブルな取り組みがZ世代の支持を集める「BAUM」
BAUMは、「樹木との共生」を掲げて2020年にスタートした資生堂の新ブランド。スキンケア・ボディケア・フレグランスの3ラインが揃っていて、どのアイテムにも樹木由来の成分が贅沢に使われている。商品の容器にあしらわれている木は、端材を再利用したものだ。まるでインテリアのようなこの木製パーツは、カリモク家具とのコラボレーションで誕生したという。
BAUMのラインナップは、たとえば化粧水は7,150円(税込)、クリームが8,800円(税込)と決して手に入れやすい価格帯ではない。当初はミドルエイジをターゲットとしていたが、実際の購入者の中心は20~30代。「Z世代」にはサステナビリティを重視する人が多く、BAUMの植樹活動や端材のアップサイクルといった取り組みが好感を持って受け入れられたといえる。今回のリニューアルも、20代に向けて行われたものだ。
20代は、肌に関する悩みがそれほど顕在化しておらず、負担の少ない商品を望んでいる。優先されるのは潤いや乾燥対策といったベーシックなケアであり、そのニーズに応える成分として調湿力・抗菌作用などに優れたひのきに白羽の矢が立った。新アイテムに用いられるひのきは、BAUMが植樹活動を行っている四国の森林から調達している。BAUMが目指すサステナブルな循環を、象徴するような原材料でもあるのだ。
「嵐山邸宅 MAMA」で、1ヶ月間の森林浴体験コラボを実施
BAUMでは、2024年6月14日(金)から7月15日(月)までの1ヶ月間、京都のホテル「嵐山邸宅 MAMA」とのコラボレーションを実施している。この期間に宿泊すれば、各客室でBAUMの主要スキンケアやフレグランスを体験可能だ。
嵐山邸宅 MAMAは、かつて阪急電鉄が保養所として使っていた建物をリノベーションして誕生した宿。日本家屋の古い柱や梁はそのままに、職人が手作りした木の家具が彩る空間は、樹木との共生を目指すBAUMのスタンスとも共鳴する部分が感じられる。コラボレーションのテーマである「森林浴体験」に、これほどふさわしい場所もないだろう。
住まうように体験することで、利用シーンがより明確に
リニューアルされたばかりのスキンケアラインをはじめ、客室にはボディローションなど数多くのアイテムが。ユーカリが爽やかなスリーピングマスクをなじませてベッドにもぐりこめば、ぐっすり朝まで眠れるはずだ。湖畔に吹く風をイメージしたハンドウォッシュも用意されており、洗面台に立つたびにリフレッシュできるのもうれしい。同じ香りのルームスプレーと、香りに合わせてセレクトされた音楽も心を癒してくれるだろう。
嵐山邸宅 MAMAでは、「嵐山に住まう」かのような滞在が叶うと謳っている。ホテルの客室というパーソナルなスペースで、まさに住まうようにBAUMのアイテムを試せば、利用シーンもより明確になるのでは。BAUMのファンはもちろん、これから使ってみたい人やずっと気になっていた人も、この機会にぜひ訪れてみてほしい。
併設レストランではサンプルを配布。日帰りでの来訪も可能
なお、客室で流れるプレイリストはSpotifyでも試聴できる。ヒーリングミュージックに耳を傾ければ、まるで森にいざなわれるかのように、今回のコラボレーションを体験してみたくなることだろう。薪窯ピザが名物の併設レストラン「儘(まま)」でも、BAUM製品のテスターやサンプルが用意されているので、日帰りでの来訪もおすすめだ。
【参照サイト】BAUM公式サイト
【参照サイト】嵐山邸宅 MAMA
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Hiroko ASATO
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