米Airbnbとパリ市は3月31日、パリ市内におけるより責任あるホームシェアリングの推進の一環として、パリの法規制の周知徹底に向けて協働する公表した。両者は今年の4月から自身のメインの住居を4カ月以上貸し出している可能性があるホストなどを対象にコミュニケーションを取り、法令の遵守を促すほか、Airbnbのサイト上でも同市の法規制に関する情報をより充実させる。
両者はこの取り組みを4カ月間試験運用したうえで、法令遵守への対応状況やAirbnb上で4カ月以上を貸し出している物件数にどのような影響が出るかなどを評価し、必要であればさらなる措置も検討する方針だ。
パリでは、自身のメイン住居をAirbnbなどの民泊サイトを通じて貸し出す場合、貸出期間の累計が4カ月(120日)未満であれば特別な行政手続きは必要ない。同期間内であれば、家主の許可さえ得ていればホストは自由に自身の部屋を貸し出すことができる。しかし、累積して年間4カ月以上を民泊として貸し出す場合、一部の例外を除いて住居の「用途の変更」が求められ、規制対象となる。同規制に違反した場合、最大一物件につき25,000ユーロおよび1日あたり1,000ユーロの罰金が課せられる。
今回、Airbnbとパリ市は協働して4カ月以上の貸し出しを違法に行っている民泊ホストを指導するとともに、全ホストに対して法令遵守を周知徹底することで、パリ市民および既存の観光産業とホームシェアリングとの共存を図り、観光都市パリの発展を推進する。
Airbnbは昨年10月にパリ市で観光税の徴収を代行するサービスを開始し、今年1月までの3ヶ月で約1.5億円の税金回収に成功したほか、昨年11月にはAirbnbホストのグローバルコンベンション、Airbnb Openがパリで開催され、5,000名以上のホストが集まるなど、両者は責任あるホームシェアリングの推進に向けて協力的な関係を築いてきた。今回の取り組みもその延長線上にある。
Airbnbをはじめとする民泊サービスをめぐっては、世界各地の都市で様々な法規制による対応が進んでいるが、民泊がもたらすコミュニティへの悪影響やリスクを軽減しつつ、良い点は積極的に取り入れていくというパリの取り組みは他の都市にとっても参考になる。
【参照リリース】The City of Paris and Airbnb Pilot Measures to Promote Responsible Home-Sharing
(Livhub ニュース編集部)
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