民泊サイト世界最大手のAirbnbは1月3日、同社の2016年の総括および2017年の展望についてまとめたレポートを公表した。
Airbnbによると、2008年の創業以降、既に1.4億人のゲストがAirbnbを利用しており、2015年のゲスト数4000万人は2016年には約8,000万人まで2倍以上に増加したという。
また、パリやサンフランシスコ、シアトルなど一部の都市では2016年にAirbnbホスト・ゲストのコミュニティの規模が人口の20%以上に達したほか、昨年特にAirbnb利用者の増加が著しかったのがオーストラリアと日本で、共に年間200%以上の成長を遂げたとのことだ。オーストラリアでは既に87,000件ものリスティングが登録されており、人口の約20%がAirbnbアカウントを保有しているという。
さらに、Airbnbは現状苦戦している中国国内においても約100万人のゲストがAirbnbを利用して宿泊しており、2016年末までにはリスティング数は10万に達すると予測している。今後、中国国内の従業員数を現在の30名から2年以内に300名以上増やし、投資額も倍増させて中国国内での市場拡大に注力していくとのことだ。
上記のように世界中でその存在感を確実に高めているAirbnbだが、2016年は世界各地の自治体やNGOらと健全かつ持続可能なホームシェアリングの推進に向けて様々な議論や協働を進めた年でもあった。
Airbnbは世界中の地方自治体と連携し、自治体の代わりに宿泊税を徴収する取り組みを進めており、既に世界200以上の行政区域で1.1億米ドル以上の新たな税収を生み出し、いくつかの都市ではこの税収を利用して市民やホームレスに対して新たな廉価の住宅供給を行うなど、コミュニティに利益を還元しているという。
また、オランダのアムステルダムやロンドンでは民泊の年間貸出日数制限をホストらが遵守できるようシステムを変更したほか、違法民泊に対する罰則をめぐって議論を続けてきたニューヨーク市とも和解にいたるなど、各自治体の民泊規制に反対するのではなく、互いが利益を享受できるよう協働する形へと方針の舵を大きく切った。
ほかにも、Airbnbはドバイ観光・商務機関とアラブ地域における責任あるホームシェアリングの推進に向けた覚書を締結したほか、中国でも、広州や上海、深圳などで同様の覚書を締結している。インドでも、ホームシェアリングを活用した地方部の女性の生活向上に向けた取り組みをスタートするなど、本業を通じて世界中のコミュニティに貢献するための動きを加速させている。
Airbnbは2016年も引き続きホストや地域に暮らす人々に新たな経済機会をもたらし、世界各地の政策立案者らとも協働しながら世界中でホームシェアリングを通じて地域コミュニティを支えていくとしている。
Airbnbは昨年新たに「トリップ」の機能を追加したほか、今後、航空券予約やレストラン予約などに対応する計画で、プラットフォームとしても進化を続けている。2017年はどのような展開を見せるのか。引き続きAirbnbの動きに注目だ。
【参照記事】Airbnb’s 2016 highlights and 2017 trends we’re watching


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