Sponsored by 福島県
長い自粛期間を経て、ようやく国内外への旅がコロナ前のように自由にできるようになってきた昨今。SNSで旅行にでかける友人を横目に「仕事が終わらない…」と思っている人も多いかもしれない。そんな人こそ、「ワーケーション」という言葉を利用して日常の舞台を少し別の場所にずらしてみてはどうだろうか。
ワーケーションの行き先として本記事で紹介したいのは福島県の太平洋に面したエリア「浜通り」。浜通りは、北の相馬市、南相馬市、相馬郡、双葉郡を中心とした相双(そうそう)エリア、南のいわき市を中心としたいわきエリアからなる、一年を通して温暖な気候が特徴の地域だ。
今回は、浜通りの北側、相双エリアのなかでも南相馬市と相馬市を実際に編集部が訪れ、1泊2日のワーケーションをしてきた。ここからはワーケーションで実際に訪れたコワーキングスペースや宿、仕事の合間に体験したり行ったお店などを紹介しながら、ふくしま浜通りへのワーケーションの魅力をお伝えする。
<1日目> 元寿司屋の建物でテレワーク
新幹線に乗り福島駅に着いたのちレンタカーを借りて向かったのは、南相馬(みなみそうま)市の小高(おだか)区。この地域は、2011年の東日本大震災以降、原発事故の影響で2016年まで避難指示が出され、全住民が約5年4ヶ月自分の住む町を離れ避難を余儀なくされた場所。2023年7月で避難指示が解除されて7年が経ち、現在は震災前の1/3程の住民が小高の町に戻り暮らしている。
そんな小高には、町のランドマークとして多くの人々に利用されていた「青葉寿司」という名の寿司屋があった。しかし、東日本震災後は再開を断念し、約10年間空き店舗となっていた。そうした地域にとって大切な場所をリノベーションして、2023年7月1日にオープンしたのがコワーキングスペース兼パン屋カフェの「アオスバシ」だ。
青葉寿司の看板を残したままにしてある建物のなかに入ると、一階には現代風のオシャレな空間が広がる。飲み物を頼もうとレジにいくと、元々はカウンター席だったのだろう、頭上には「いわし」「平目」「いか」と寿司ネタの名前が並んでいた。こうしたものをそのまま残しておくところに、アオスバシの創業者の地域への愛情が感じられる。
元々は、小高内の別の土地で避難指示解除後すぐの2016末にキッチンカーのカフェとして始まり、その後コーヒースタンド「Odaka Micro Stand Bar オムスビ」として5年間店舗営業。そちらをリニューアルオープンする形でアオスバシは始まった。アオスバシの運営会社である一般社団法人オムスビ 代表理事の森山貴士さんは、リニューアルの理由をこのようにお話されていた。
「もともとコーヒースタンドを5年程やっていていたのですが、地域の人の生活にほとんど寄与できていないなという気持ちがありました。カフェは非日常的な場所ですし、地域の高齢者の皆さんだったり地域住民の方が日常的に使う場所ではない。カフェの存在は皆さん知っていたと思いますが、実際に来たことがあったのは小高の10%程の人たちだったのではないかなと思います。
また震災後、小高の町には若い移住者が多く訪れ起業家が集まりましたが、そのことによって地域の人の生活が変わったかというとそうではないと感じる部分もあって。移住者と地域住民の間にどこか意識の隔たりがあるように感じるんですよね。そうした状況を早めになんとかしたいという思いがあって、地域の人の日常に根ざしたサービスをやれたらなと思ったんです。一階をパン屋兼カフェに、二階をコワーキングスペースにしたのは、同じ空間のなかに、仕事をする移住者や外から訪れた人と地域の人たちがゆるく共存することで、少しでも両者が交わるきっかけを作れればと考えました」
地域の方がパンや飲み物などを買いにお店に入ってくる。穏やかな自分の住む土地とは違う地域の日常の空気を感じながら、二階のコワーキングスペースでする仕事は心地のよいものだった。
今後は、ワーケーションでも利用してもらいやすいよう、地域での体験とコワーキングスペース利用をセットにしてパッケージツアーも企画予定だという。「小高はまだ余白がある地域だから、こういう町があったらいいのになというのを試してみられる時期。その試みに外から来た人も一緒に参加するのは面白いのでは」また、森山さんご自身がITエンジニアをしながらアオスバシを運営しているということもあり、「小高の町で何か作れる仕事がないかなど一緒に考えてくれるような同じITエンジニアや、既にこの土地にあるいいいものを外に広める力をもったマーケッターなどにアオスバシを訪れてみてもらえたら」と話していた。
名前 | アオスバシ |
住所 | 福島県南相馬市小高区東町2-49 |
HP | https://aosubashi.space/ |
馬に乗って町を散策
アオスバシで集中して作業をした後、休憩がてら小高の町を散策することにした。徒歩でも、車でもなく、馬に乗っての散策だ。小高には、「馬の社会的価値を高める」をビジョンに活動する「Horse Value」といった一般社団法人があり、海岸沿いを馬に乗り散歩する「海トレッキング」や、「ホースミラーリングセッション」と呼ばれる馬を通して自分自身を見つめ直すプログラムも提供している。
今回筆者が体験したのは、小高の町を馬に乗って30~40分散歩する「小高うまさんぽ」。案内してくださったのは、Horse Valueの厩舎長、深野聖馬さんだ。「こんにちは」と挨拶をすると、隣にいた馬を「ワタリくんです」と紹介してくれた。シルバーの艶やかな毛並みのワタリくんは、2013年北海道生まれで、競走馬として活躍したのち小高の町にやってきたのだという。「ワタリくんは、マイペースです」そう深野さんに教えてもらいつつ、ワタリくんの背中に乗った。
散歩道は小高の町。車道も通る。サービスが始まってからは数年経つというが、道路を走る対向車の窓越しに少し驚き顔で馬を見つめる地域の人の顔を何度も目にした。馬は自転車と同じで道路交通法では軽車両の扱いとなるため、自転車と同じルールで道をゆく。信号が赤の時は止まり、青になると動き始める。信号が変わった途端ワタリくんが急にヒヒーン!と大きな声をあげた。びっくりしていると、「気合を入れましたね」と声をあげた理由を深野さんが教えてくれた。
橋を超えて川沿いを歩いていると、ワタリくんが急に歩みを止めた。「マイペースなので」。そのままゆっくり歩き始めるタイミングを待つ。そのワタリくんの意思に委ねられたゆったりとした歩みのスピードが、自分のなかに流れる時計という時の流れを自然の流れに変えていく。川沿い、心地いい風に吹かれながらゆったりとした時間を過ごすことができた。
競走馬は、引退後には食用になることが多いという。それ以外の道はないかと、引退後の過ごし方のひとつとしてHorse Valueが取り組む小高さんぽや海トレッキング。馬と人、動物と人の共生方法についても考えさせられる体験だった。
名前 | 小高うまさんぽ |
HP | https://www.horsevalue.jp/walkingwithhorse |
TOP | https://www.horsevalue.jp/ |
小高発の醸造所「haccoba -Craft Sake Brewery-」
ワタリくんと深野さんと別れ、先ほど馬に乗り散歩した道を徒歩で散策してみる。お天気雨が降っているなと思っていたら、空に虹がかかっていた。虹に見惚れながら向かったのは2021年2月に小高に誕生したショップとパブを併設した醸造所、「haccoba -Craft Sake Brewery-(以下、haccoba)」。
画像提供:haccoba -Craft Sake Brewery-
東京・表参道にある結婚式場「IWAI OMOTESANDO」や東京・渋谷のホテル「sequence MIYASHITA PARK」の客室など国内外で様々な建築や空間設計デザインを行う会社「Puddle inc.」が建築デザインを手がけた、民家をリノベーションしてできた店内は非常に洗練された空間。店内では、醸造所を眺めながら、オリジナルのお酒を飲めたり、購入したりできるようになっている。
画像提供:haccoba -Craft Sake Brewery-
haccobaの手掛けるお酒は、「酒づくりをもっと自由に」という思いのもと、現代のクラフトビールの醸造スタイルや自由なカルチャーで、彼らが独自に日本酒を再編集し手がけている新ジャンルのお酒だ。定番のお酒は、日本酒の発酵過程でビールの原料ホップを加えてつくられている。これまでには南相馬市産のいちごやブルーベリーを使ったお酒や、クラフトコーラ専門メーカー「伊良コーラ(いよしコーラ)」の“コーラ粕”とお米と発酵させてつくったお酒、Soup Stock Tokyoで有名な「株式会社スマイルズ」とのコラボで桃をテーマにした桃の果肉を使わないお酒など、様々なコラボレーションのもと斬新でワクワクが止まらないお酒が生み出され続けている。
haccobaでお酒をのみつつ料理が食べられるのは金土日のみ(要予約)とのことで、残念ながら今回はお酒を飲むことは叶わなかったが、haccobaのブランドディレクターである佐藤みずきさんにお話を伺うことができた。
「私自身、以前は日本酒にはどこか難しいイメージを持っていて、知らないと頼みづらいというか、ハードルが高いように感じていました。私と同じような思いから日本酒を飲む機会のない若い人も多いのではないか、それはもったいないなとの思いから、まずは敷居を低くして興味を持って飲んでもらおうと、ポップなデザインにしたりと色々な工夫をして製造しています」
haccobaは佐藤さんを含む移住者3名によって始まった。彼らは、haccobaの目指す在り方として、「地域の方や訪れる方にとって、酒蔵が『新しいコミュニティ』の一つになること」そして「地域外の方にとって、お酒が『社会課題へ思いを馳せるツール』になること」を目指して運営されている。「社会課題へ思いを馳せるツール」とはどういった意味なのか佐藤さんに伺った。
「例えば私たちはお酒の毎月の売上の1%をウクライナの人道支援を行う団体に寄付をしています。現在は受付自体が終了してしまったので停止しましたが、停止までは2022年3月に発生した福島県沖地震の復興支援にも同様に1%の寄付を継続して行っていました。顔が浮かぶような近くの人のことはもちろん、遠くにいる人へも寄り添う想像力を持っているチームでいたいとの思いから始めた取り組みです。まずはお酒が美味しい、デザインが可愛いなどカジュアルなところからhaccobaを知ってもらって、その後私たちが行っている寄付の取り組みや、お酒がつくられている場所が原発事故の影響を受けた小高の町である事実などから、社会問題に興味を持つきっかけになったらいいなと思っています」
名前 | haccoba -Craft Sake Brewery- |
住所 | ▼haccoba 小高醸造所 福島県南相馬市小高区田町2-50−6 ▼haccoba 浪江醸造所 福島県双葉郡浪江町藤橋原61-35 |
HP | https://haccoba.com/ |
起業家の集まる宿に泊まる
小高の町を散策し、近くの寿司屋「浦島鮨」で夕飯を食べた後、宿に向かった。泊まったのは簡易宿所付コワーキングスペース「小高パイオニアヴィレッジ」。多拠点居住サービスの「ADDress」や旅のサブスクサービス「HafH」の拠点にも登録されているため、その日もADDress会員が一人宿泊していた。
小高パイオニアヴィレッジは、「地域の100の課題から100のビジネスを創出する」といったフィロソフィーのもと活動する株式会社小高ワーカーズベースが運営する施設。震災後、5年4ヶ月ぶりに避難指示が解除された町で、ゼロの状態から町を興していくため立ち上がった、小高出身者であり現・小高ワーカーズベース代表取締役である和田智行さん。彼の主導のもと、まず駅前に小さなコワーキングスペースを作り仕事ができる環境を整え、街灯が消えたままの真っ暗な町に灯りを一つつけるところから活動を始め、その後お店が一軒もない町に地域のお母さんと協力して一緒に食堂をつくるなど、小高の町に一つひとつ暮らしと仕事を作っていった。
その後「100のビジネスを創出していく」ために、自分達の力だけでは限界を感じ始め、起業型地域起こし協力隊の制度を活用しながら、起業希望者の誘致と支援を始めた。先ほど紹介した小高うまさんぽを提供する会社「Horse Value」も、醸造所「haccoba」も、そうした活動のなかで小高ワーカーズベースのサポートのもと新しく始まった事業のうちのひとつだ。そんな暮らしと仕事が戻り始めた小高の町が今かかえている課題はどのようなものなのか、小高パイオニアヴィレッジ、コワーキングスペースのコミュニティマネージャーの野口福太郎さんにお話を伺った。
「地域もリスタートしてから7年がたって、この場所を起点に素敵な起業家の方が集い始めていたり、複数の事業が生まれたりしています。一方で、ここから歩いて2分くらいのところにあった老舗のラーメン屋さんが去年閉店したり、避難指示解除後に重い腰を上げて『もう一度頑張るぞ』と営業を再開した地元の飲食店の方々が高齢になり、閉じざるを得ない店も出てきています。一つの店が閉まってしまうことによる影響がすごく大きいんですよね。だからこそ、昔からある地域のお店や事業を継いでいくということも必要なのではないかなと感じています。新しい事業を生み出すだけではなくて、地域との調和も今後はより考えていけたらと思っています」
夜、少しだけ作業でもしようかとコワーキングスペースで仕事をしていると「サーフィンするの?」と話しかけられた。サーフブランドのTシャツを着ていたからだと思うが、その言葉をきっかけにお互いの仕事の話をしたり、世間話をしたりした。「明日オンラインでイベントがあるのに、準備が終わってないんですよ」と言ったあと、「じゃあ、おやすみなさい」と挨拶を交わし就寝。翌朝起きてコーヒーを飲んでいたらその人が眠そうな顔で起きてきて「おはよう〜イベント準備大丈夫?頑張ってね〜」と声をかけてくれた。「何気ない会話が自然にうまれるこの場所の空気感、素敵だな」と思いながら、なんとかオンラインイベントを無事終えることができた。
名前 | 小高パイオニアヴィレッジ |
住所 | 福島県南相馬市小高区本町1-87 |
HP | https://village.pionism.or.jp/ |
<2日目>相馬市まで移動、循環型の卵取り体験
南相馬市には日本有数のサーフスポットがあり、他県から訪れるサーファーも多いと聞き、2日目は早朝に起きて老舗サーフショップの「SUN MARINE」にて久しぶりにサーフレッスンを受ける予定でいたが、台風の影響で波が高いとのことで断念。久しぶりに海に入りたいと思われる方やサーフィン好きな方はぜひ、訪れてみてほしい。
早起きの必要がなくなったので、少しゆっくりと朝の時間を過ごし仕事をした後、南相馬市に別れを告げて車を約1時間ほど走らせて相馬市に向かった。まず向かったのは震災後に相馬市で循環型の農業と、自然卵養鶏法を用いて育てた鶏のたまご「相馬ミルキーエッグ」の販売などを始めた「大野村農園」。大野村農園では、前日までに予約をすると1000円で生産者から直接話を聞き、鶏舎を見学しながら、産まれたての卵を直接自分でとって持ち帰る卵取り体験ができる。今回は農園の運営者の一人、菊地陽子さんにご案内いただいた。
人生で初めて養鶏場に入った。「動物は生まれてから死ぬまでその動物本来の行動をとることができ、幸せでなければならない」といったアニマルウェルフェアの観点から、ワイヤーでできた金網のケージ「バタリーケージ」の中で過密状態で詰め込み飼養する採卵養鶏場在り方などが問題視されていることは認識していたし、その様子を画像で見て胸を痛めてはいた。しかし、大野村農園の養鶏場のなかの鶏たちは、気ままに歩き回り、大きな音がしたら飛び上がって一斉に逃げたり、虫を見つけたら一斉に集まってつついて遊んだり、穴を掘って砂浴びをしたりと、自由に過ごしていた。
「卵を産む時になったら、このマンションのような産卵スペースに自分で移動して産みます。私たちが教えたわけではなくて、恐らく自然界で蛇などに狙われないように囲まれたところで産んだほうがいいなというのがあるのだと思います。それぞれみんなお気に入りの場所があるみたいで、となりの部屋が空いてるのに一部屋に3羽いるとかもよくあります。卵は殻の色も大きさもその時によって色々ですね」
一日に一羽が産むのは、基本的に一個の卵。しっかりと考えたことがなかったが、あの大きさの体から卵一個が毎日出てくるというのは、なんとも不思議ですごいことだ。卵は良質なタンパク質を多く含む、ということはそれだけのタンパク質が毎日鶏の体からは出ていくということ。そのため鶏は日々一個の卵を産むのに必要なタンパク質を毎日食べる。
「私たちの農園の鶏の餌は、本来産業廃棄物として漁協がお金を出して引き取ってもらうような魚のアラや、地域の米農家さんにもらったお米、自分達の農園で作っている季節の野菜などです。鶏は雑食なのでいろんなものを食べます。あとは卵の殻をつくるのにカルシウムも必要なので、牡蠣殻を砕いたものもあげています。牡蠣殻が唯一私たちがお金を払って買っている餌で、それ以外はだいたい物々交換でもらっています」
自宅に帰り、相馬ミルキーエッグの殻を割ると、黄身が白っぽくまさにミルクのような美しい色をしていた。菊地さんや養鶏場で遊びながら過ごす鶏を思い浮かべながら頂く卵はとても美味しかった。大野村農園は、福島県の食育実践サポーターにも登録されており、卵取り体験のほかにも、ネギ収穫体験や「大人の食育」と題して「食べることは、命を頂く事」を体感し学ぶため、歳をとった鶏を捕まえ、屠殺し、解体する一連の流れを教える機会も提供している。2023年には農業体験つき宿泊プランも兼ね添えたゲストハウス「アンブレラ」もオープン。ワーケーションでも旅でも、ぜひ訪れてみて欲しい場所だ。
名前 | 大野村農園 |
住所 | 福島県相馬市大坪字西畑23-1 |
HP | https://www.oonomuranouen.com/ |
道の駅で昼食と買い物
昼食は、相馬市復興市民市場である道の駅松川浦で。道の駅のある相馬市沿岸部は、東日本大震災の津波による大規模な被害及び、福島第一原子力発電所の事故による風評被害などの影響を受けた。そうした状況から、地域産業復興、風評払拭、地産地消の促進を図るために2020年10月にオープンした。道の駅のすぐそばにある相馬双葉漁協・松川浦漁協で水揚げされる新鮮な魚類や、地元農産品・土産物を購入できるほか、地元素材中心の魚料理を味わうことのできる食堂も併設されている。
残念ながら筆者の訪れた時間が遅かったこともあり(食堂の営業は14:30まで)食堂での食事は叶わなかったが、惣菜コーナーに売られていた地域で作られた「あさり飯」を市場の前のベンチで頂くことができた。貝のうまみがぎゅっと染み込んだとても美味しいご飯だった。帰りには近港で獲れたタコとヒラメを購入。家に戻り、カルパッチョにして食べたが、身が分厚くプリプリで最高に美味しかった。相馬のきゅうりで作られたきゅうり漬も美味で、日々ご飯のおともに頂いている。
名前 | 浜の駅松川浦 |
住所 | 福島県相馬市尾浜字追川196 |
HP | https://hamanoeki.com/ |
海風に当たりながらカフェでテレワーク
最後に訪れたのは、浜の駅松川浦から車で4分。景観の美しさから日本百景にも選定されている松川浦沿いのセレクトショップ軒カフェ、「Sweetrap」。2017年3月に、相馬出身の青木宏和さんが始め、今年で7年目になるお店には80年代イタリア軍のデットストックのパンツや、東京・駒沢に店舗を構えるファッションブランド「meanswhile(ミーンズワイル)」など青木さんの目利きで選ばれたクールなアイテムが並ぶ。
何か飲み物を頼もうとメニュー表を見ると、豊富な種類のレモネードが目に止まる。ミルクレモネードがおすすめと教えてもらったものの、悩んだ末にジンジャーレモネードを頼んだ。
「もともとは服屋をメインでやってたんですけど、コロナになってみんな出かけなくなったのもあって、服が売れなくなってしまって。でも、その時ちょうど隣に洋食屋さんが出来たんですけど、そこには結構人が来ていて、それを見て『食』なら人は動くんだなと思ってカフェの取り組みを拡大しました。このレモネードのシロップを作っているのは埼玉の草加市にある『TANGIERS CAFE(タンジールカフェ)さん』なんですけど、ここも当時コロナで人が来なくて大変だったみたいで、人づてにシロップを使ってもらえないかと連絡が来て、使うことにしたんです。ノーワックスレモンに、さとうきびの砂糖、国産はちみつだけで作られています」
そう店主の青木さんに教えてもらい、一口飲んでビックリ。大袈裟でなくそれは人生で一番美味しいレモネードだった。優しく自然な甘みが口に広がり、穏やかな気持ちになる。また店頭にはアイスキャンディーのポスターが貼られていた。
「カフェの販売も拡大したタイミングでアイスキャンディーの販売も始めました。北海道の札幌で作っている『ICETACHE(アイスタッシュ)さん』のアイスキャンディーなんですけど、今年は相馬の『和田観光苺組合さん』のいちごを使った相馬松川浦限定の『いちごミルク』フレーバーも別注で作りました。当たりが出ると、もう一本もらえます」
アイスキャンディーを片手に、Sweetrapの屋上テラスにのぼり、仕事でもしようかとパソコンを開く。心地よい風が吹き、風にのって店内で流れる音楽が聞こえてくる。思わずShazamすると、1983年にリリースされた「Homi & Jarvis」というアーティストの「I’m In Love Again」という曲だった。旅先で偶然に出会う知らない音楽に胸が躍る。見上げると雲の隙間から太陽があたりを神々しく照らしていた。
名前 | Sweetrap |
住所 | 福島県相馬市尾浜字高塚228-2 |
HP | https://www.instagram.com/sweetrap/ |
ふくしま浜通り・テレワーク
たった一泊二日のワーケーションだったが、働く場所をずらしたことで色んな出会いがあり、学びがあり、気づきがあり、また少し見える世界が広がる機会になった。インターネットにつながり世界中の情報がどこにいても取得できるようになったとはいえ、結局は自分の目で見て、聞いたことにしか大きな意味や価値は宿らないように思う。人生は短い。どこに行き、何を見るか、しっかり選び、生きていこう。
・
記事を読み、ふくしま浜通りエリアにテレワークやワーケーションで訪れてみたいと感じたら、浜通りの見所や施設などが紹介されている「ふくしま浜通り・ワーケーション」のページも要チェック。宿泊+テレワーク利用で宿泊代が20%割引になるテレワーク・チケットが2024年3月12日まで先着500名限定でゲットできる。詳細は、「ふくしま浜通り・ワーケーション」のページからご確認を。ふくしま浜通りエリアのおすすめスポット情報は「ふくしま、浜通り。」から。
【参照サイト】ふくしまの旅
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