Airbnb、アフリカの地域主導型観光促進へ1億円を投資。アフリカの物件数は10万件超

民泊仲介サイト世界最大手、Airbnbのグローバル公共政策担当を務めるChris Lehane氏は10月17日、南アフリカのヨハネスブルグ市役所で記者会見を行い、アフリカにおける地域主導型の観光事業促進・支援に向けて2020年まで100万米ドルを投資することを発表した。ホームシェアリングを通じて地域コミュニティを支援し、現地の人々や地域社会に利益をもたらす観光を促進するというビジョンを実行に移す。会見には、Herman Mashabaヨハネスブルグ市長と世界銀行グループのシニアトラベルスペシャリストHermione Nevill氏も同席した。

投資は2018年に開始され、3つの主要分野に焦点が当てられる。一つはテクノロジーによる持続可能でインクルーシブな観光の促進だ。Airbnbのテクノロジーを活用し、以前は限られた者の手にしか渡っていなかった観光産業の利益を、より多くの人々に広げる。2018年5月にはケープタウンでアフリカトラベルサミットを開催し、ベストプラクティスの共有を図りつつ、持続可能でインクルーシブな観光の実現に向けたテクノロジーの活用方法についてのビジョンを固める。アフリカトラベルサミットにはケープタウン大学院、観光局、開発機関、テクノロジー企業、世界銀行グループ(WBG)、国連世界観光機関(UNWTO)、インキュベーターCape Innovation and Technology Initiative(CiTi)などの団体も参加する。

二つ目の分野はホスティングを通じた地域支援だ。Airbnbは今年のはじめに現地パートナーと提携して西ケープ州の村民に対してホスピタリティとテクノロジーに関するトレーニングのパイロットプログラムを実施した。その成功を受けて、南アフリカのなかでも特に開発が遅れている15の村落コミュニティで女性と若者のコミュニティを対象にしたプログラムを拡大し、2019年にはアフリカの他の国にもプログラムを拡大する予定だ。

そして三つ目の分野はAirbnbを通じた地元の人々と非営利団体の支援だ。より多くの地域コミュニティに新たな収入源を生み出す、人と人がつながる旅行を促進するというビジョンで、西ケープ州全域でAirbnbの活動を拡大する。特に、社会的な好影響を与えることに重点を置き、その収益は非営利団体に直接充てられる。

Airbnb はアフリカで既に10万件超のリスティングがあり、2012年9月以来、200万人以上のゲストをアフリカのローカルコミュニティに呼び込んでいる。昨年は120万人のゲストが、アフリカ訪問にAirbnbを利用した。これは前年に比べ2倍以上だ。その旅行者の29%がアフリカ諸国からのものだった。過去1年間、ゲストの内訳は家族旅行が20%近くで、ミレニアル世代が60%近くを占めている。1年間のアフリカのAirbnbホストの収入は合計で1億3,900万米ドルだった。

Airbnbはまた、ホスト育成に向けてアフリカ初となるホームシェアリングクラブも設立する。手つかずの未開の地がまだまだ多く残るアフリカに投資し事業拡大を目指すと同時に、貧困にあえぐ現地の人々に仕事を創出し生活の手段を提供する。企業の発展と人道支援を両輪にした非常に力強い取り組みだ。

【参照サイト】Airbnb commits $1 million to boost community-led tourism projects in Africa
【参照サイト】Airbnb passes 100,000 listings in Africa, bringing 2 million global guests to local homes
【参照サイト】Launching Africa’s first home sharing club

(Livhub ニュース編集部)

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