オンライン旅行会社(OTA)のまとめ・一覧

現在世界にはAirbnb以外にも数多くの民泊サイトが存在していますが、最近では既存のOTA(Online Travel Agency:オンライン旅行会社)が民泊サイトの買収などを通じて民泊領域に進出するケースが増えてきています。既に豊富な部屋在庫ネットワークとユーザーを保有するOTAが本格的に民泊市場に参入してくることで、今後、Airbnb一強の民泊市場の勢力が大きく変わっていく可能性もあります。そこで、ここでは民泊領域への進出を進めている世界の主要なOTAを一覧でまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

Priceline Group(プライスライングループ)

プライスライングループはBooking.comやKAYAK(カヤック)、Agoda(アゴダ)などのブランドを複数抱える、オンライン旅行予約分野の世界最大手企業グループです。Booking.comやAgodaは民泊に特化したサイトではありませんが、予約可能な宿泊施設形態の中に民泊物件を含めています。圧倒的な集客力を持つこれらのサイトを活用して集客できるという点で、民泊ホストにとっても見逃せないサイトです。Agodaはシンガポール発の企業で、特にアジア圏の集客に強みを持っています。

Agoda(アゴダ)

agoda

Agoda(アゴダ)は、シンガポールに本拠を置き、アジア市場を中心に急成長中のオンライン宿泊予約サイトです。全世界で200万件以上、日本国内では約10万件を販売し、39言語でサービスを提供しています。2005年に設立し、2007年からは世界最大手の旅行会社プライスライン・グループ(現ブッキング・ホールディングス)の傘下に入っています。日本においてもAgoda International Japan(アゴダインターナショナルジャパン)として2010年に日本オフィス設立、2015年4月に大阪オフィス設立、2015年7月に福岡オフィス設立、2016年4月に札幌オフィス、沖縄オフィス設立と拡大しています。

Expedia Group(エクスペディアグループ)

オンライン旅行予約サイト世界最大手のExpedia(エクスペディア)は2015年の12月、Airbnbに次ぐバケーションレンタルサイト大手のHomeAway(ホームアウェイ)を買収しました。HomeAway(ホームアウェイ)は傘下に複数のバケーションレンタルサイトを抱えていたため、結果としてそれらのサイトが全てExpedia(エクスペディア)グループのサイトとなっています。

HomeAway(ホームアウェイ)

HomeAway

HomeAway(ホームアウェイ)は2005年にアメリカのテキサス州オースティンで始まったバケーションレンタルサイトです。設立以降、急速にユーザー数を拡大し、アメリカやイギリス、フランス、ドイツ、ブラジル、オーストラリア、シンガポールなど各地のバケーションレンタルサービスの買収を進めました。その後、2015年12月、オンライン旅行予約世界最大手のExpedia Group(エクスペディアグループ)の仲間入りをしました。2016年に日本支社を設立し、日本語版サイトをスタートしています。

2019年6月時点で世界190ヶ国、200万件以上の物件が掲載されており、毎月4,000万人以上の旅行者にリーチできる世界最大級のバケーションレンタルサイトであるホームアウェイは、ホテルの半分のコストでおよそ2倍の宿泊スペースを楽しめる宿泊物件を多数掲載しています。バケーションレンタルを利用した旅行者の満足度は高く、82%がまた利用したいと回答しています。

ホストは無料で物件を掲載でき、宿泊予約が入った場合のみ手数料が発生します。支払いは手数料を差し引き、旅行者の宿泊後24時間以内に行われます。

中国発のオンライン旅行会社(OTA)

中国では、中国人観光客の旅行に特化した中国語のみのオンライン旅行会社(OTA)が複数存在しています。中国人観光客だけでも巨大な市場が存在していますので、これらのサイトは欧米型のモデルを模倣しつつ、中国人ニーズに合わせたサービスを提供することで利用者数を延ばしています。日本の物件も数多く掲載されており、民泊ホストの方々にとっては集客サイトとして決して無視できない存在となっています。

携程(Ctrip/シートリップ)

ctrip

携程(Ctrip/シートリップ)は中国発のOTA(Online Travel Agency)で、オンライン旅行サイトとして中国首位、世界第3位の規模となっています。1999年に中国の上海で設立され、2003年にNASDAQ証券取引所に上場しました。2016年5月時点でネット会員数は3億人、正社員数は30,000人、コールセンターは17,000人、1日の電話件数は200,000件と運営は大規模に行われています。スマホアプリのダウンロード数は4億で、アプリからの一日の売上は63億円に達しています。

同社はオンライン旅行サイトとして拡大し続けており、2009年7月には台湾最大のオンライン旅行サイトである易遊網(EzTravel)とパートナー提携し2014年に料金・在庫の共有を達成、2010年4月には香港最大のオンライン旅行サイトである永安旅遊(Wing On Travel)とパートナー提携し2015年に料金・在庫の共有を達成、2015年5月には中国第3位のOTA・OTPである艺龙(eLong)の37.60%の株を取得し料金・在庫の共有を達成、2015年10月には25%の株を百度(Baidu)と交換、同時期に中国第2位のOTA・OTPであるQunar.comの45%の株を取得し料金・在庫の共有を達成、2016年1月にはインド最大のOTAであるMake My Tripに1.8億ドルを投資し26.6%の株を取得しています。

同サイト利用による訪日客は90%以上が中国大陸からとなっており、さまざまなサイトからの在庫共有がされていることから、潤沢に宿泊施設を供給できる点が強みとなっています。日本法人「シートリップジャパン」は2014年5月に東京の日本橋茅場町に開設されています。2016年5月時点における日本での提携状況は、楽天トラベルのビジネス部門の31%、じゃらんのレジャー部門の31%、るるぶトラベルのレジャー部門の12%、一休.comのラグジュアリ部門の3%となっており、今後の一層の拡大が注目されるサイトです。