先月の旧正月(春節)休みの間、中国人の日本旅行ブームに便乗し、日本では銀座の大型デパートや家電量販店らを筆頭に様々な店舗らが中国人観光客向けのキャンペーンを相次ぎ打ち出した。
正式なデータはまだ発表されてないものの、JTBの発表によると、春節休み中のホテル予約数は昨年同時期の2倍以上に増加し、中国人観光客の宿泊者数も増えたという。Airbnbが1月25日に公表した中国の春節の人気旅行先ランキングでも、人気ナンバー1の訪問国は日本で、人気都市トップ10には1位の大阪に続き、東京が2位、京都が4位にランクインするなど、日本は春節休みの中国人観光客から大人気の目的地だった。
最近、電車の中では旅行用のスーツケースを引きずる中国人観光客の姿がよく見かけるようになったが、彼らのほとんどは個人観光客だ。一方で、銀座などの人気ショッピングエリアでは買い物ツアーの中国人団体客が数多く押し寄せている。道では中国語が飛び交い、週末ともなれば日本ではなく中国にいるのかと錯覚させられるほどの人気ぶりだ。特にドラッグストアや家電量販店は中国人観光客で連日賑わいを見せており、入場規制をかけている店舗もある。
ここ数年で、銀座の道路脇に停まる大型観光バスや両手にたくさんの買い物袋を抱えた中国人観光客の姿は「爆買」の象徴としてメディアに大々的に取り上げられているため、ご存じの方も多いだろう。これらの消費意欲の高い中国人観光客をターゲットとするべく、日本のデパートらは連休中の春節商戦を非常に重要視している。
銀座では多くの店舗が「福」の字の張り紙や春節を祝う飾り物などに様々な工夫を施し、観光客を引き寄せていた。銀座の中心地にある三越は入り口付近に中国語の受付を新設し、各種パンフレットの中国語版も設置したほか、有楽町の家電量販店は入り口に「春節福袋」の大きな看板を出し、中国人観光客に人気のある魔法瓶やシェーバーなどを福袋として販売した。大型電器の場合は総額次第で空港まで無料で商品を送ってくれるサービスまで出ていたほどだ。
また、商品の説明文に中国語に加えるだけではなく、春節期間中には中国人店員をはじめ、中国語の話せる店員を複数設置したドラッグストアもある。さらに、旅行業界も中国語での両替サービスや荷物預かり、Wifiの貸し出しサービスなど、中国人観光客向けに様々なサービスを新設した。
店舗種別に見てみると、中国人観光客が最も訪れる店舗のベスト3は「ドラッグストア」「家電量販店」「洋服店」となっている。また、中国人観光客の今年の春節休みの買い物ターゲットは以前と少し変わり、今まで大人気だった炊飯器と自動便座に代わり、今年は化粧品と魔法瓶に人気が集まった。さらに、最近では日本に来て高級ブランド品ではなく子供服や食品、日用品などを購入する中国人観光客が増えているという。
これまで日本の百貨店やデパートなどにとっては年末年始が最大の商戦時期でもあったが、中国人観光客の急増により、新たに春節がメイン商戦の定番となりつつある。消費意欲の高い中国人観光客のニーズの変化を敏感に察知しながら、いかにトレンドに合った商品やキャンペーンを展開していけるかが、日本の小売・デパート業界全体の一大テーマとなっている。
【参照記事】赴日旅游热度不减 日本商家推出春节促销活动
(※写真提供:Everything / Shutterstock.com)
(Livhub ニュース編集部 華原)
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