民泊サイト最大手のAirbnbは9月7日、米ニューヨーク市内195地区におけるAirbnbの詳細なデータを公表した。同社は今年の夏にもニューヨーク市に関するデータを公表し、同市のAirbnbホストの98%が1件しかリスティングを保有していないという事実を明らかにしていたが、今回はさらに詳細なデータが公開された形となる。
データ対象となるリスティングは2015年8月1日以前に登録され、かつ同日から2016年8月1日までの1年間で少なくとも1度宿泊利用されている物件(「典型的物件」と定義)で、公園や墓地、空港などの地区は除かれている。
同社が公開したデータによると、上記条件に該当する典型的物件が100件以上ある50地区のうち、宿泊日数の年間中央値が60泊を超えている地区は5地区しかなく、90泊を超えている地区は一つもなかったことが分かった。また、宿泊数のカウントを30日未満の短期滞在だけに限定すれば、年間中央値が60泊を超えている地区は一つもなく、40泊を超えている地区も7地区しかないことが分かった。
Airbnbは今回公表したデータに基づき、ニューヨーク市では大多数のホストは一時的に部屋を貸しているだけで、ホテルのような商業的なリスティングを行っていないことを強調している。同データはこちらからダウンロード可能。
世界で最も民泊が盛んな地域の一つでもあるニューヨークでは、民泊の普及を阻止したいホテル業界からのロビー活動などもあり、今年の6月には30日以内の短期の部屋貸し出しを規制する法案が上院を可決するなど、ホームシェアリングを規制する動きが進んでいるが、今回Airbnbが提示したデータは、それらの規制の意義を根本から問うものだ。
民泊はニューヨーク市内に住む貧困層にとって大きな収入の支えになっているとのデータもあり、この新しい仕組みをどのように地域全体の利益へと還元していくべきなのか、引き続き慎重な議論が求められる。
Airbnbは今後もニューヨークおよび世界中で我々のコミュニティについてより多くのデータを共有することを楽しみにしているとしている。
【参照記事】Sharing Comprehensive Data About Our Community in New York City
(Livhub 編集部 佐々木 久枝)
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