思いっきり“とことん”楽しむだけで、地球や地域のためにもなる。新しい旅のスタイル「GREEN JOURNEY」始動

green-journeyTOP

旅は、楽しいものだ。旅は、ワクワクするものだ。

しかし、その旅に「サステナブルな」という言葉がつくとどうだろう。途端にどこか後ろ向きな、重責感や足かせをかけられたような感覚を感じる人も多いのではないだろうか。

とはいえ、だからといって「サステナブルな選択をしたくない」というわけでもない。誰だって良い行いをしたいと思う気持ちは少なからずあるはずなのだ。その気持ちを摘まないためにも、「サステナブルな旅」は、もっともっと一人ひとりにとって望ましいものにならなくてはいけない。

環境にやさしく、地域はうれしく、自分たちはとことん楽しい旅「GREEN JOURNEY」

2024年8月20日、「旅に出かけて思い切り楽しむだけで、地球や地域のためにもなる新たな旅『GREEN JOURNEY』」を推進する委員会が発足した。

GREEN JOURNEYでは、電気自動車の活用や電車移動分のJ-クレジットを活用したカーボン・オフセット付属、地産地消・低利用魚を導入したサステナブルな食事や、環境負荷の低いアクティビティを提供することで、CO2排出量を削減可能な旅を提供する。

推進委員会は、環境に配慮され、地域に貢献できることを前提にしながら、何よりも訪れる人がとことん楽しめるサステナブルな旅を推進することで、国内におけるサステナブルな旅の浸透を図ってゆく方針だ。

Green Journey5つのポイント

本取り組みの発起人は、EV(電気自動車)のパイオニアとして脱炭素化の推進を進めてきた日産自動車と、1905年創業以来国内外で数々の旅行プランを展開してきた日本旅行。二社の呼びかけにより、業界の垣根を超えて賛同企業が12社集まり、全14社にて推進委員会が設立された。

また、委員会は、東北大学や環境省のデコ活応援隊との連携のもと、国内旅行におけるCO2排出削減や環境保全型アクティビティの開発、参画自治体における関係人口の創出、地域文化の発展に取り組み、新しい旅のスタイル「GREEN JOURNEY」を国内旅行のスタンダードとすべく活動を継続していく。

Green Journey委員会
まずは阿蘇と伊勢から。今後全国200エリアへ拡大予定

「GREEN JOURNEY」の第1弾パッケージツアーの舞台となるのは、熊本県阿蘇市と三重県志摩市。阿蘇では、雄大な大草原をe-BIKEで走行する体験や、地元の名店で地域の食材を使った伝統料理などのプラン、伊勢志摩では、自然豊かでリアス海岸が特徴的な英虞湾の絶景を眺めたり、伝統的な漁業や海女文化に触れたりといったオプションプランが選択可能だ。

阿蘇、伊勢志摩

ツアーには日産のEVのレンタルが含まれており、旅先では電気自動車で環境負荷を軽減しつつ快適に移動ができる。宿泊は地産地消を採用した食事の提供や、環境配慮の取り組みが行われているホテルに。現地では参加者限定で「CONNECT PROGRAM」と称した、旅中から旅後まで地域と深くつながることのできる体験が用意されている。

CONNECT PROGRAMは、地元産業の発展や文化の継承などサステナブルな取り組みをしている地元の方がホストとなり、旅行者とホストが交流しながら共同作業や食事をすることで、その土地ならではの産業文化に触れつつ、地域との深いつながりづくりをする体験アクティビティだ。旅中だけでなく、旅後にもつながりが持続していくよう、旅行後にLINEアプリを通じてホストからメッセージが届く仕組みもつくられている。

CONNECT PEOGRAM

今後GREEN JOURNEYは、2033年までに旅先を200に拡大し、のべ利用者数1000万人を目指しつつ、2050年までに国内旅行におけるCO2排出ネットゼロを目指していく。

旅先の体験が、暮らしを変えるきっかけに

さらに、GREEN JOURNEYでは、旅を日常のライフスタイルを持続可能なものに変化させるきっかけとも捉えている。本取り組みの連携パートナーの一つである環境省のデコ活応援隊にて隊長を務める環境省 地球環境局脱炭素ライフスタイル推進室 室長の島田智寛氏は記者発表にてこう発言していた。

「旅は、あたらしい発見や気づきの体験ができる場だと思っています。例えば旅先でEVに試乗したり、フードロスが取り入れられた食事の体験をする。そうした体験を通じて、日々の暮らしにも脱炭素なライフスタイルを取り入れるきっかけとなる。今回の取り組みが、ライフスタイルの変化にもつながっていくことを期待しています」

旅と日常の接続の具体的としては、GREEN JOURNEYが開発したLINEのミニアプリにて旅先でポイントを集めることで、日常で利用できるサステナブルなアイテムなどと交換できるとような仕組みの導入などがある。

「とことん楽しい旅=サステナブルな旅」になる未来へ

自由に旅をすることを愛するスナフキンとムーミンをイメージキャラクターに、「うれしい景色が増える旅」をメッセージとして持ちながら本質的にサステナブルな旅を “とことん楽しい!” ものとして発信、浸透を図るGREEN JOURNEY。業界の垣根を超えて産学官一体となり、同じ未来を目指す本取り組みが、日本全国にひろがっていく未来が楽しみでならない。

阿蘇と伊勢志摩のGREEN JOURNEYツアーは2024年8月20日より予約販売を開始している。ご興味があるかたは是非、 “とことん楽しい” サステナブルな旅をしに、予約を検討してみては?
(※阿蘇ツアーは、関西・九州発のみ。伊勢志摩ツアーは、首都圏・中部・関西発のみの設定。予約は2名から)

GREEN JOURNEY公式サイト
https://www.greenjourney-project.jp/

【関連ページ】台湾発、デザインによる地域活性化プロジェクト!「集集のんびり学校」でリラックスを学ぶ
【関連ページ】市民科学がネイチャーポジティブを加速させる。自然保護科学とエコツーリズムを結びつけた観光客参加型の生物多様性保全プロジェクト
【関連ページ】あなたはどう旅する? | 英国サステナブルトラベルの専門家に聞いた、旅の魅力

The following two tabs change content below.

飯塚彩子

“いつも”の場所にずっといると“いつも”の大切さを時に忘れてしまう。25年間住み慣れた東京を離れ、シンガポール、インドネシア、中国に住み訪れたことで、住・旅・働・学・遊などで自分の居場所をずらすことの力を知ったLivhub編集部メンバー。企画・編集・執筆などを担当。