寒い冬になると、毎年思う。スキーやスケートもいいけれど、憧れのワカサギ釣りをやってみたい。はるばる飛行機に乗って北海道まで行かないと……。と思ったらそんなことはない。長野県まで足を運べば、ワカサギ釣りができるスポットがちらほら。よし、今度の週末予約できるか調べてみよう!
全面結氷する冬の信州・松原湖
四季ごとに変わる大自然が魅力の信州・八ヶ岳。その麓にある松原湖高原では、キャンプをはじめ、夏はSUPにカヌー、氷点下にもなる冬の松原湖では、ワカサギ釣りを楽しむこともできる。四季を通して豊かな自然を感じられるアクティビティが充実している。
しかし近年、松原湖高原のある小松町は、環境変化や人口減少の影響を受け、地域の存続が危ぶまれる状況に陥っていた。冬になると全面結氷する湖として有名な松原湖が、地球温暖化の影響で全面結氷しない年が出てきたり、若年層の流出や高齢化などの人口減少とともに宿泊施設や飲食店の廃業が続いたり、地域自体の存続が危ぶまれる状態になっているのだ。
この課題に対し、地方創生事業のプロデュースを行う株式会社さとゆめは、2017年から小海町への伴走支援をスタート。健康経営に取り組む企業向けのセラピープログラム造成や人材育成を通じて、地域活性化に取り組んできた。
そしてこの度、さとゆめの100%子会社・株式会社MIYAMOTOは、地域と人、地域と企業が協働し、持続可能なまちへの変革に挑戦する「小海 SX Field」の取り組みを始めた。
小海 SX Fieldとは
「小海 SX Field」は、この地域での持続可能な体験を通じて、サステナビリティへの変革に繋がるきっかけを作ることを目指す。SXは「Sustainability Experience for Sustainability Transformation」と定義され、持続可能な社会づくりに繋がる新たな価値を共に考え、生み出す場として機能する。
初年度は「サーキュラーエコノミー」「脱炭素」「生物・環境保全」「ウェルビーイング・人的資本」の4つを重点テーマとし、これらの分野で持続可能なまちづくりに挑戦する企業・団体・起業家を募集している。
拠点施設「MIYAM/OTO」
2025年春には、小海 SX Fieldの拠点となる宿泊施設「HOTEL MIYAM MATSUBARAKO」が松原湖畔にオープンする予定だ。標高1,123mの森に囲まれた静かな湖畔で、豊かな自然環境に身を委ねながら、自分自身や仲間、自然とゆっくり向き合う時間を提供する。
併設のカフェレストラン「OTO」では、地域の食材を活かしたメニューを楽しめる。この拠点を中心に、持続可能な未来を共に考え、生み出すフィールドとして、滞在型プログラムによる研修や、実証・実践の場を提供していく。
共創パートナー・アンバサダーの募集
小海 SX Fieldでは、構想に共感し、サービスやソリューションの導入、実証実験の実施、アドバイザリーサービスの提供などができる企業・団体・起業家を共創パートナーとして募集している。また、構想に共感し、自身の活動やネットワークを通じて情報や取り組みを広く発信できる個人をアンバサダーとして募っている。
参加特典として、小海 SX Fieldを実証フィールドやショールームとして利用できるほか、施設やサービスを会員優待価格で利用できる。2025年3月には、完成した小海 SX Fieldにて本格始動を記念するキックオフイベントの開催も予定されている。
現在、fabula株式会社やアスエネ株式会社、株式会社TBMなど、さまざまな分野の企業が共創パートナーとして参加している。また、City Lab TOKYOやHI合同会社がアンバサダーとして名を連ねている。小海 SX Fieldは、地域と企業が協働して持続可能な未来を創造する新しいモデルとして、今後の展開が注目される。
【参照サイト】地域発、サステナブルな未来を共創する「小海 SX Field」構想を始動|PRTIMES
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