沖縄の伝統料理を次世代へ。“医食同源”を大切にした「琉球和会席」を味わおう

あなたの旅の目的は?
美しい景色を観に行く、思い切り遊べるアクティビティ、おいしいグルメなどなど…。
旅の目的・楽しみ方は人それぞれだが、普段行かない場所にせっかく行くのなら、その土地の文化や食にじっくり触れてみよう。

沖縄県恩納村の瀬良垣島に位置する「ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄」のスペシャリティレストラン「シラカチ 日本料理」で、“琉球和会席~TEEDA~”が2024年6月1日より、本格始動した。

琉球料理伝承人の資格を持つ統括料理長の嘉数 順(かかず じゅん)氏が、訪れる方々に琉球文化とその背景にある歴史や伝統にも触れられるよう、琉球王朝時代当時の宮廷料理の贅を極めたお料理の作法を伝承しつつ、独自の解釈とアイディアで紐解き、現代の料理技術と融合させて、現代版のご馳走へと進化させた。食を通して沖縄の文化に触れられる機会となるだろう。

沖縄の食文化「クスイムン、ヌチグスイ」

琉球王朝時代から、沖縄では「クスイムン、ヌチグスイ」という考えが生活に根付いている。

  • クスイムン=薬になるもの
  • ヌチグスイ=命の薬

という意味だ。栄養バランスが良く、心も身体も元気になる薬のような効果があることを表している。沖縄には健康的な食文化があり、先人たちによってあらゆる食の知恵が伝えられてきた。一方で、多様化により食文化の独自性が失われつつあるのも昨今の沖縄社会の実情もある。

沖縄は世界5大長寿エリア「ブルーゾーン」

沖縄は、100歳以上の人が多く暮らす長寿地域「ブルーゾーン」にアジア諸国で、唯一選ばれている。ブルーゾーン地域には共通の生活スタイルがあり、沖縄の人々は太陽の光を浴びながら薬草や、島野菜を育てることで身体を動かし、日常的に植物性食品を軸とした“医食同源”の食生活を送ってきた暮らしが所以だと言われている。

さらに沖縄の人々は地域、人と人との“つながり”が強いとも言われている。豊かな自然環境に恵まれた島国において、自然への畏敬の念を忘れず、お互いに支え合うことで生きる気力を見失わない。これこそが、沖縄の先人たちが紡いできた“ウェルネス的な”生き方であると言われており、現代社会においても大切な考え方である。

瀬良垣アイランドでウェルネスと琉球伝統文化に触れる

ハイアット リージェンシー 瀬良垣 アイランド 沖縄では、ホテルコンセプト「元気になるホテル」を軸にゆっくりと流れる沖縄での時間の中、地域文化や豊かな沖縄の自然環境と触れ合うことで、新しい自分を発見してほしいという想いをもつ。旅が終わった後でも瀬良垣島で過ごした日々をもとに、自分らしい人生を楽しみ、生き生きと過ごせるようなサービスを展開している。

そこで今回は、琉球料理伝承人である統括料理長(副総料理長)の嘉数 順氏により、自身の食と健康、地域とのつながりを再認識するきっかけとなる、琉球料理の伝統と革新が融合した「琉球和会席~TEEDA~」が提供される。

琉球和会席~TEEDA~は、人々の間で受け継がれ、大切にされてきた沖縄の伝統的な暮らし方を、食の側面から手軽に体験できる入り口として、日々の暮らしに役立てて頂けるヒントを提案してくれる。

お品書き

琉球料理とは、琉球王朝時代に中国の使者(冊封使)を歓待するための宮廷料理、気候風土や医食同源の理念を巧みに取り入れた庶民料理と、祖先崇拝や豊作祈願に基づいた行事料理で構成されている。

琉球和会席~TEEDA~は、日本料理と琉球料理の特徴を組み合わせ、おもてなしの心、琉球語で“うとぅいむち”で「食材」・「器」・「技」の3つを随所にちりばめた。食材には、沖縄古来の伝統食材を、器には、沖縄の素朴な暮らしを思わせる地場の窯元で焼いた“やちむん” と、日本三大陶磁器と呼ばれる“有田焼”の中でも人間国宝である井上萬二氏(白磁)の作品を使用。一皿の細部までにこだわる「シラカチ 日本料理」の真意の心遣い、先人から受け継いできた丁寧な職人技を、料理を通して楽しめるだろう。

前菜

実際に宮廷行事や儀式、接待の場で提供されていた華やかな伝統料理を、漆の色鮮やかな朱色と艶のある黒色のコントラストが特徴的な琉球漆器で提供。「花鳥賊」は、身の厚い烏賊に細かな切り込み細工を入れ、料理人の個性が光る包丁技により視覚でも楽しめる。

他にも、沖縄では昔から風邪薬として使用されてきた香り豊かな薬草「長命草」、沖縄食材の代名詞でもある「島豆腐」、さらに生産量日本一の新鮮な「車海老」と、見た目も華やかな沖縄県の食材満載で、歓待の意を表した一皿となっている。

御造り

琉球色の強い料理の後は、ほっとするような日本料理から御造りをご用意。沖縄近海でも多く獲れる「鮪」を主役に、ビタミン類・ミネラル分を多く含み、低カロリーな「海ぶどう」と「自家製のからすみ」を「地魚」で巻き、沖縄の離島の一つである「粟国島の塩」や、抗酸化効力があり健康食品として注目を集めている「シークヮーサー」をアクセントとした一品だ。お醤油も、お召し物を汚さぬよう泡立てて取りやすくすることで、食事をする所作にまで配慮した職人の丁寧な手仕事を感じられる。

椀物

椀物は、茶碗蒸し風の滋味深い一品。まず「イラブー(海へび)」を丁寧に下処理した後、7~ 8時間炊き込んだうえ、3日間かけて仕込むことで、身をふっくらと仕上げる。そして、雲丹の味わいと豚足をよく煮込んだ「てびち」を、一番出汁であるイラブーシンジ(イラブーの煎じ汁)の特製餡で食材の旨味を余すことなく閉じ込めて完成。

イラブーシンジは、最高の滋養食として、当時の上流階級の人々に食されていた最高級品。コラーゲンたっぷりの「てびち」は、昔から沖縄では“痛いところ(=関節)を食材から頂戴すると治る”と言われ元気になる薬として食されてきた。当時の医食同源を強く感じさせる「元気になるホテル」に相応しい一品だ。

御食事

最後は、贅沢にもすっぽんを入れた沖縄そば。滋養強壮に富み、コラーゲンやカルシウムが豊富な高級食材のすっぽんは、沖縄県内の静かな環境で養殖された上質なものを使用。スープは豚出汁と、本枯節の鰹出汁を合わせることで、上品でやさしい旨味の層を幾重に感じることができる。お好みで酢橘の酸味を加えることで、さらに違った味わいが生まれ、爽やかな香りに包まれながら最後まで沖縄そばをすすってしまう、大満足な締めくくりだ。

食事が終わったとき、どんなことを感じるだろうか。

自身の身体や沖縄文化へより深い思いやりを持てますように。

【琉球和会席~ TEEDA ~ 概要】
●料金 20,000円(税金・サービス料込み)
●10食限定/各営業日毎(営業日:火曜日~土曜日)
※丁寧な仕込みが必要な為、前日正午12:00までの事前予約制
※伝統技法による調理であることから、食物アレルギーへの対応は限定的となっております。予めご了承ください。
※稀少食材の仕入れ状況により、予告なく内容が変更となる場合がございます。

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【参照サイト】 ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄 公式サイト

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