沖縄県は3月17日、同県が実施した、沖縄でのワーケーションにおける「ビジネスの感性を高めるウェルネス効果」の検証結果を発表。その結果、「睡眠の質」や「やる気」、「集中度」、「ひらめき力」、「ストレス」に対して好影響をもたらすことが明らかになった。
同検証は、2021年11月8日(月)〜11日(木)の期間、東京と沖縄にて同一人物5名(マーケティング職、事務職、研究職、エンジニア職、営業職)を対象に、「八重山エリア(石垣島・竹富島)」、「那覇・中部エリア」の2チームに分かれ、共通タスクのほか、各地の特性を活かしたアクティビティ体験を実施し効果を検証している。
「睡眠の質」について、脈拍による睡眠評価をしたところ、合計睡眠時間は東京の方が長いものの、深い睡眠をしている深睡眠時間割合は、東京と比較して21%多い結果に。また被験者アンケートでも午前中の眠気は、東京と比べて平均21%下がる結果となった。
「やる気」は、沖縄のほうが午前27%、午後13%向上。「集中度」は沖縄全体で4%向上しており、那覇・中部チーム単体では13%も向上した。「ひらめき力」は沖縄の方が独自のアイデア率が8.5%向上。那覇・中部チーム単体では、14%の向上が見られた。また「ストレス」については、那覇・中部チーム単体では東京と比較し16%下がる結果に。最後に「グループディスカッション」では、東京と比較して沖縄の方が13%も満足度が高かった。
職業別での比較においては、特にマーケティング職での変化が大きく、「集中度」については30%以上も向上する結果となった。
これらの結果から、沖縄でのワーケーションでは、睡眠の質が上がることで脳の回復が期待できるほか、やる気が高まりや集中力が向上しやすい傾向にあることが明らかとなった。
集中度に関しては、沖縄滞在3日目から上昇することが明らかになり、3泊以上少し長めに滞在することで、より効果的なワーケーションになることが期待できる。ひらめき力については、沖縄の自然や文化など五感を使ったアクティビティによって脳が刺激され、独創的なアイデアが生まれやすくなったと考えられる。
グループディスカッションにおいても、満足度が高まり、ストレスが下がったというデータから、沖縄は個人のワーケーションだけでなく、チームビルディングやグループでのワーケーションにも効果的であることが期待できる。
今回の実証実験の結果を受け、脳科学者の枝川義邦氏は、「沖縄は適度な都会で不便もなく、手の届く自然、ゆったりとした空気、アクティビティも豊富にあることからわくわく感もあり、沖縄ならではのワーケーションが確立する可能性がある。滞在日数を多くすることで気持ちのスイッチングもしやすくなり、ワーケーションがより効果的になることが期待できます。」とコメントしている。
沖縄県では新型コロナウイルス感染拡大に対する新しい生活様式として、「沖縄ワーケーション促進事業」を推進している。豊かな自然や穏やかな雰囲気の中、年間を通して密にならない屋外アクティビティが楽しめる沖縄の資源を活用しながら、心身ともにリフレッシュして生産性の高い仕事ができる「沖縄ウェルネスワーケーション」を提案。
この度の検証結果から、今後ワーケーションを取り入れようと検討する人々にとって、沖縄でのワーケーションの可能性が格段に広がったと見られる。停滞感のある在宅勤務の日々に変化を起こすために、リモートワークの推進や労働環境の改善に、沖縄ワーケーションという選択肢を検討してみるのはいかがだろうか。
【参照サイト】沖縄県
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松岡 のぞみ
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