世界中の人とまちづくりを実践する『まちづくりホステルALA』がオープン!

ala

多くの地域を悩ませる高齢化、若者流出、空き家問題。「農の都」と呼ばれる町、宮崎県都農町もその問題に頭を抱える町の一つだ。高齢者は人口の4割を占め、空き家の数は400軒にも及ぶ。

そうした問題を解決すべく、都農町に拠点を構える株式会社イツノマは、「働く」「学ぶ」を楽しむ町内外の人たちと、まちづくりを共に学び、実践する拠点として、「まちづくりホステルALA」を2021年9月13日に開業した。

約5,000㎡の畑(耕作放棄地)と2軒の空き家を再生し、畑を大切にする町への敬意を表しフィンランド語で畑を表した「ALA」と名付けたホステル。世界中から人が集まり、まちづくりを探求し、町を盛り上げる仲間を外にも中にも増やしながら都農町の未来を創っていくことを目指している。

約5,000㎡の耕作放棄地を再生

近くには都農町を代表する尾鈴山がそびえ立ち、都農駅から徒歩5分、都農漁港までも徒歩10分という好立地にホステルはある。施設は、ホステル棟とハウス棟の2つに分かれる。

ホステル棟は、宿泊施設となっており、1階には共用ダイニングと囲炉裏を設け、ベッド5床、アトリエルーム、2階は畑と海の見える和室とベッド4床、ロフトルームがある。無人チェックイン・アウト機能や、1F・2Fのドミトリールームでは、番号キーで解錠できるスマートロックを導入し、IoT技術も活用している。

「まちづくりホステルALA」のホステル棟

施設内には、都農ペレット工業の木質ペレットを採用したストーブや、生ゴミを堆肥に変えるコンポストを完備。オーガニックタオル、竹歯ブラシのレンタル販売をするなど、環境へ配慮したホステルを目指している。

木質ペレットを採用したストーブと、生ゴミを堆肥に変えるコンポスト

朝食は、農の都=都農町でとれた新鮮な野菜や、自家製のパンをいただける。夜は、大自然のなかでBBQを行うことも。他にも、自然と一体化できるヨガ教室やテントサウナ事業も進めている。

「まちづくりホステルALA」の朝食

ハウス棟は、オフィス機能をもち、研修用のスペースや、ブレスト、ワークショップに最適な空間だ。ワーケーションで中長期滞在者にとっても働きやすい環境が備わっている。

9月からは「若者ひろば」と称し、都農町の若者がALAに集まり、都農町の未来について意見を交わしていく会を隔週で開催。今後も、企業研修やまちづくり学部のある大学、建築大学のゼミと提携し、学生と「地方創生」「SDGs」「過疎化の活性化」を考え、合宿形式でリアルなまちづくりを推進するメンバーや町民との交流、探求機会を提供する予定だという。

都農町の20代を中心に、ゆるやかに町の未来を話し合う「若者ひろば」

また、株式会社イツノマでは、まちづくり実践型オンラインコミュニティ「まちづくりカレッジ」の事業も行う。その第一弾として、9月1日に、オンラインでプレイベントが開催された。海外も含め40名近い参加者が集まり、イツノマの事業についてや、都農高校の廃校活用の企画、ゼロ・カーボン戦略の立案、エデュテイメント施設の企画など、関わってほしいプロジェクトが紹介された。

今後も隔週のオープン会議や、月1回の交流会でつながりを強め、都農町のまちづくりに関わってくれる仲間を増やしていくという。次回のオンラインコミュニティ入会説明会は、10月5日(火)20時〜の予定。11月には、都農町スタディーツアーも企画予定だという。

旅行者として観光地を訪れ、受動的に土地に接するのではなく、自分自身として土地を訪ねて、能動的に関わりをもっていく。そんな旅の形が今後は増えていくように思う。まちづくりホステルALAもその一つとして、私たちに新しい旅やまちづくりの形を示してくれることだろう。

まちづくりホステルALA
住所 宮崎県児湯郡都農町川北3539-7
電話 050-5364-4182
ホステル予約ページ

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明田川蘭

大の旅好き&温泉好き。一人で海外へ、一人で車を走らせて日本の名湯へ。アフリカ大陸と北極南極以外に降り立ち、行った国は30を越え、巡った温泉地は100を超える。沖縄観光メディアの編集者やホテルメディアの立ち上げ経験あり。「旅は人の心を豊かにする」と本気で思い、記事を執筆している。