台湾といえば夜市や繁華街散策を楽しむことのできる台北を目指す人がまだまだ多いだろう。しかし、日本に東京以外にも魅力的な地域が多くあるように、台湾にも台北とはまた違った魅力のあるエリアが多くある。
そのうちの一つ台湾の東海岸にある、二つの山脈を擁す自然豊かなエリア「台東」で、2021年から行われているウェルビーイングをテーマとするイベントが「自然醒慢活祭(Taitung Spirit Festival)」だ。
自然醒慢活祭は、台東の美しい自然の中で心と体の癒しをテーマに毎年複数回行われるイベント。今回、2024年6月29日(土)〜6月30日(日)に開催される「夏日療癒祭」といった名前のイベントでは砂浜を会場にした音楽による癒しのパフォーマンス「紓壓音楽」や、ヒーリングワークショップ「療癒工作坊」、創造性を刺激するアートセッション「藝術共創」など、多彩なプログラムが用意されている。
自然醒慢活祭とは?

海に囲まれた台湾は多くの自然美を誇る。中でも特に、太平洋に面した台東県は、工業開発が少なく、自然景観も豊かで、ゆったりとした時間が流れているエリアだ。そのため、台東は身体・心・精神の癒しに最適な住みやすい都市としての評判を得ており、移住者も多い。
そうした台東のゆったりとした雰囲気をより多くの人に伝えるため、台東県政府は2021年末からウェルビーイングをテーマに「自然醒慢活祭(Taitung Spirit Festival)」を開始。自然醒慢活祭では、台東県内及び台湾全土から、身心のウェルビーイング向上に携わる専門家を集め、台東の自然環境の中で、ヨガや瞑想、食事療法、アロマテラピー、芸術療法などの多彩な癒しのアクティビティーを開催し、初回開催以来、これまでに3万人以上が参加している。 主催は台東県政府、運営は台湾の原住民音楽や文化を88年から発信してきた老舗レーベルWind Musicが担当している。
原住民アーティストのパフォーマンスから、DJヨガ、瞑想まで

今回の「夏日療癒祭」では、訪れる人々に心身のリラクゼーションと癒しを提供する、さまざまなプログラムを提供。フラダンスやヒーリングミュージックなどを楽しめる音楽とダンスのプログラムでは、特に台湾原住民アミ族出身の人気シンガーソングライター、イリー・カオルー(以莉高露)のパフォーマンスは見逃せない。 他にはDJパフォーマンスとの組み合わせによる、ユニークなヨガセッションから、音楽冥想セッション「海洋呼吸」や梵唱と瞑想のセッション「梵唱淨心」、ヨガやダンス、瞑想などを通じて、身体の動きと心の調和を図るセッション「身心和諧律動」など、無料で参加できる多彩なワークショップも用意されている。
自分と他人を癒す「能力」を身につける
自然醒慢活祭はこんなメッセージを投げかける。
「伝染病、戦争、気候変動が世界中で肉体的、精神的苦痛をもたらし、生活をますます困難なものにしているなか、私たちのシンプルな本質に立ち返り、肉体、精神、スピリットのバランスを追求することは、全人類が共有する願望となっている」
自らの日々の生活を続けていくだけでも一杯いっぱいになりがちなのに、さらにそこに気候変動や戦争や災害など社会・環境の問題が多くのしかかってくる昨今。正直もうこれ以上持てないと何かを手放して自由になりたくなる時もある。それでも、何とか身体と心のバランスを保ちながら生きていくために。まずは自分自身、そして次に他人を癒す能力を、わたしたちは身につけていく必要があるのかもしれない。

今回開催される「夏日療癒祭」は「自然醒慢活祭」における今年3回目のイベント。今後も8月から11月にかけて複数のイベントが開催されるので、台東の自然に包まれ、魂と心を癒し強くするために、現地を訪れてみてはいかがだろうか。
台東のスローな風が、あなたをゆっくりと待っているはず。
【参照サイト】自然醒慢活祭オフィシャルwebサイト
【参照サイト】自然醒慢活祭Instagram
【参照サイト】自然醒慢活祭Facebook
【参照サイト】Wind Music
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