思い立って高尾山までワーケーション。旅して働く日常を

※本記事は株式会社シンクロ社から商品の提供を受けたうえでオリジナルで作成しています

めずらしく朝早くに目が覚めた。カーテンを開けると空は青く晴れ渡り、スカッと気持ちのいい天気。このまま部屋の中で一日中パソコンに向かうのはどこかもったいないような気がして、リュックを棚から出してきた。

PC, ノートとペン, 本を2冊, 充電器, イヤホン, 一泊分の着替えとポーチ, タオル,水筒を詰め込んで、身支度を整え、家を出る。

目指すは「高尾山」。紅葉も綺麗だろうし、良い天気だし、なんだか最近自然が足りないし、 理由はなんだっていい。今日はどこかに行きたい気分なのだ。朝のラッシュの新宿駅を抜けて、京王線「高尾山口駅行き」に乗り込み、都市から離れ山を目指す。

ワーケーションのようなものをしに山まで行くのだから、普段ならあまり聴かないようなPodcastでも聴いてみるかとSpotifyを検索する。ふとフードエッセイスト・平野紗季子さんの「味な副音声」という番組が目に留まり、最新のエピソードを再生した。タイトルは「お鍋の湯気・スコーンの湯気・お茶の湯気」。ゲストに小説家の朝吹真理子さんを迎えて、2人がひたすら湯気のある食べ物の魅力について語っている。

(ああ、おでんが食べたくなってきた。もう冬だな)

そうこうしているうちに窓の外には高い建物が消え、山との距離が近づいてきた。新宿から1時間、目の前の景色はさっきまでとは別世界のよう。

takaozanguchi-station

秋の高尾山の美しさに後髪を引かれながらも、まずは仕事。電車の中で調べておいた、電源・Wi-Fi完備で7:00〜19:00まで定額利用のできるリモートワークプランのあるカフェバー&ゲストハウス「Mt. TAKAO BASE CAMP」に向かう。

引用元:Mt.TAKAO BASE CAMP

今日は別の宿に泊まる予定なので、5時間以内利用の半日プランを選び席に座った。

少し集中して作業した後、テラスに行ってみようと腰をあげる。扉が閉まると、店内に流れていた音楽が消え、水の音がした。ひょいっと乗り出して外を覗くと、すぐそばに川が流れ、葉が風に揺れている。

ベンチに腰掛け、重いのにどうしても持ってきたかった写真集を広げて、なんともなしにながめる。企画中のような休憩のような、絶妙な時間。こうした絶妙なあいだの時間を上手く取れず、ずっとパソコンに向かってしまうのがリモートワークの煮詰まりをうむのではなんて考えてみたり。

太陽と自然のもとでしばし充電したあとはもう少し作業。隣の席の人もリモートワークプランを利用しているようで、ミーティングがあると外に出たり、寒くなると中に入ったり、疲れたらうーんと伸びをしてさっきの私と同じように山の景色を覗き込んだりしていた。

昼になりささっと腹ごしらえをしたら、いよいよ高尾山へ!Mt. TAKAO BASE CAMPでは、ハイキングシューズのレンタルを行なっているので、山道を歩きづらそうな自分の靴を履き替えて、きゅっと靴紐を結び準備万端。

高尾山は紅葉狩りに来た人々で想像の10倍混み合っていた。平日でこれなのだから土日はもっとすごいのだろうなどと思いながら、わざわざ靴をレンタルしたくせにリフトに乗り山を登る。

takaozan-lift

リフトで登った先から見えた山脈はとても美しく、しばしぼーっとしてしまった。

高尾山-山脈

山を下る。無心で下る。30分程の道のりで、いろんな人が通り過ぎる。

「Take a deep breath.(深呼吸をして)」そう言って息をすーっと吸い込みながら仲間と一緒に登っていく人たち。「休憩したーい!」と陽気に叫ぶ遠足で来たらしき子。落ちているどんぐりを拾って宝物みたいに親指と人差し指でつまんでじっと見つめる子。ファッション誌に出てきそうなシティーボーイ風のオシャレな風貌の人。トレーニングしにきましたという感じの人。すれ違いざまにいい香りをふわっと漂わせる外国人カップル。犬の散歩をしている人。完全装備でしっかり山登りをする老夫婦。

老若男女が、山を登り、山を下る。その多様さに、紅葉が年齢も性別も趣味趣向も異なるさまざまな人たちを同じ場所に惹きつけるという事実に、なんだか嬉しくなる。

次第に足から、からだがポカポカと温まってきた。コートを脱ぎ少し立ち止まって林の中で立ち止まり、上を眺める。「この季節にこれてよかったね」さっき通り過ぎた人が言っていた言葉が頭の中に戻ってきて、「うん、そうだね」と知らないその人の言葉に返事した。

1時間程の散歩を経て借りていた靴を返したら、本日の宿「タカオネ」へ。高尾山口駅を降りてすぐのところにあるこちらの施設にもテレワークプランがあったのだけれど、今回は宿泊のみ。

引用元:タカオネ

チェックインして部屋に入り、窓をそーっと開けて風を部屋に入れて、木々を眺めながら仕事を再開。気づくと外が暗くなっていたので夕飯を食べて、宿の一階へ。タカオネでは、すべての宿泊プランに薪が一束ついてくる。焚き火台や着火剤だけ借りて、火おこしに挑戦。

宿の方に助けてもらいつつなんとか焚き火も形になり、燃えあがる火を眺めながら高尾ビールをいただく。ふと横を見ると隣のカップルが、マシュマロを焼いていた。メニューを見てみると、マシュマロとチョコレートとクラッカーがついた「スモアセット」と呼ばれるものを発見し、オーダーする。

(幸せか…)

引用元:タカオネ

薪がつきるまで焚き火を楽しんだあとは、部屋に帰り着替えをもって、高尾山口の駅前にある「京王高尾山温泉 極楽湯」へ。最初はぬるい風呂に。徐々に温度を上げて、最後は42度の熱々の風呂にぎゅっと浸かる。水面からは湯気が絶え間なく寒空に立ち昇っていた。

翌朝、目覚めてチェックアウトまで午前中仕事をした後、昼休みを利用して新宿まで戻る。新宿の町はいつも通りせかせかと動き回っていた。

(なんだかそのまま家に帰りたくないな)

そう思い路地を抜けて、駅近くの電源&Wi-Fi完備のカフェ、Cafficeに立ち寄る。

引用元:Caffice

ふと昨日を振り返りながら、やっぱり都市も自然も好きだなと思う。どちらも私の人生には必要。心地よいバランスを徐々に見つけながら、過ごしていきたい。

次はどこに行こうかな。

・行きの電車で聞いていたPodcast
味な副音声~voice of food~
お鍋の湯気・スコーンの湯気・お茶の湯気
PodcastSpotify

・リモートワークしたカフェバー&ゲストハウス
Mt. TAKAO BASE CAMP
住所:東京都八王子市高尾町1799-3
電話番号:0426-73-7707
URL:https://takaobc.com/

・泊まった宿
タカオネ
住所:東京都八王子市高尾町2264
URL:https://takaone.jp/

・温泉
京王高尾山温泉 極楽湯
住所:東京都八王子市高尾町2229番7
電話番号:042-663-4126
営業時間:営業時間:8:00~22:45
URL:https://www.takaosan-onsen.jp/

・旅を共にしたリュック
HOLICC – 旅して働けるバックパック「One」-“Go everywhere, Work anywhere.”

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飯塚彩子

“いつも”の場所にずっといると“いつも”の大切さを時に忘れてしまう。25年間住み慣れた東京を離れ、シンガポール、インドネシア、中国に住み訪れたことで、住・旅・働・学・遊などで自分の居場所をずらすことの力を知ったLivhub編集部メンバー。企画・編集・執筆などを担当。