「一度きりの人生。好きな人と、好きな場所で、好きなことをして生きていきたい。」そう思いはするものの、日々のごたごたに流されて、どこか不満を抱えながらを今を今のまま過ごし続けるという人も多いのではないでしょうか?
コロナ前までは世界中を旅しながら、コロナ後は宮城県で生活をしながら、好きな人と、好きな場所で、好きなことをしながら生きている「らふたび」のかざしさん・ちえさん。東京出身のお二人は、もともと正社員として働いていましたが、二人で一緒に会社を辞めて、今の生活をし始めたといいます。
いまや運営するYoutubeのチャンネル登録者数は51,900人。いつも笑顔が絶えないらふたびのお二人に、これまでの生き方・住み方・働き方・旅の仕方、人生において大事にしていること、らふたびをしている中で感じる喜びなど、色々とお話しをお伺いしました。
2人で一緒に会社を辞めて海外へ
ちえさん:私たちの出会いは、派遣のバイト先でたまたま一緒になったことでした。私は四年制大学を出たので、その時は「大学を出たからには正社員として働かなきゃ」という固定観念がなんとなく自分の中にありました。東京で正社員になってみたものの、付き合いで参加しなければいけない飲み会や、毎日の満員電車が苦痛で、かざしくんとの2人の時間もなかなか取れませんでした。
働くために生きているのか、生きるために働いているのか、よく分からなくなってしまって。「こんな生き方でいいのかなあ」と疑問を感じて、4年前にいきなり「正社員やめる!」と決めて、当時勤務していた会社の社長に電話をして、かざしくんにも会社を辞めたと報告しました。辞めた後のことは全く考えてなかったのですが、いったん正社員を辞めてみようと思ったんです。
そして後を追うように、かざしくんも同じタイミングで仕事を辞めて、2人して一文無しの状態になったので、日本全国を転々としながら住み込みで働けるリゾートバイトに挑戦しました。その後、私が子供の時から洋楽や洋画が好きで、大学でも異文化交流や異文化研究をしていたこともあり、外国の文化に興味が強かったので、2人で一緒に外国にバックパッカー旅へ出ました。
かざしさん:僕はもともと美容の専門学校を出て、美容師として働いていました。有名サロンを辞めて路頭に迷ったあと、また美容院に再就職しました。けど、やはり「何か違うなあ」という気持ちがありました。とはいえ「自分には美容師の仕事しかできない」と思っていたんです。その時にちえちゃんが僕を引っ張ってくれて、その考えから解き放ってくれました。ちえちゃんと出会う前は、カチカチな感じでしたね。
全く違うでこぼこな性格を持つ2人の生き方
かざしさん:らふたびの「らふ」には、英語の「laugh(=笑う)」、「rough(=でこぼこな)」、日本語の「ラフ(気楽さ)」という3つの意味をこめています。らふな2人の旅、「らふたび」を僕たちはしています。「でこぼこな」という意味をこめているのは、2人の性格が正反対だからです。
ちえさん:私の性格が猪突猛進で好奇心も強いので、たとえ周りから失敗するよって言われても、自分で経験してみないと納得できないんです。なので、かざしくんが私に合わせて、一緒に転んでくれることもあります。
かざしさん:反対に僕は「失敗したらどうしよう」って一歩引いて物事を考えてしまうタイプなので、失敗を恐れずに突き進むちえちゃんについて行ってやってみると、「意外とやってみてよかった」ってなることも多いです。
らふたびをしている中で感じた喜び・具体的なエピソード
かざしさん:ブログを運営して旅の資金をつくりながらバックパッカーの旅でフィリピンに居るときに、知人からジョージアという国はビザがなくても長期間滞在できると教えてもらいました。その頃には、外国の物価が安い国なら住めるくらいのブログ収益があり、一つの国に長く滞在してみたかったので、一度バックパッカー旅を終えてジョージアに長期で滞在しました。
物価が安くて長期滞在ができるなど、ジョージアの良いところは沢山あるんですが、僕が実際にジョージアに滞在してみて一番良いなと思ったところは、ジョージア人のひとの良さです。
ジョージアに来たばかりの頃、現地で作ったキャッシュカードを使おうとしたら何故か使えなくて、ジョージア語も話せないし、すごく困っていたんです。その時に、声をかけてきて助けてくれたジョージア人の子と仲良くなって、ジョージアはワインが有名な国なんですけど、その子のご家族が持ってるワイン畑に案内してくれたり、珍しいワインの貯蔵庫に連れてってくれてワインをいただいたり、おもてなしを沢山してくれました。
ちえさん:2人で外でお酒を飲んでいたら、現地のジョージア人から一緒に飲もうよって声をかけてもらうことも多かったし、現地の人と一緒にその国の文化を楽しむ経験がすごく楽しかった。もちろん一概に全員が良い人とは言えないけど、私たちがジョージアで出会った現地の人たちは良い人ばかりでした。
「持ちすぎていること」から感じる不自由さ
かざしさん:バックパッカー時代は、東南アジアのタイやマレーシアなどからスタートして、だいたい1ヶ月とかビザなしで滞在できる期間まで居て、ビザが切れたらまた違う国に行く、という旅の仕方を3ヶ月間くらいしていました。その頃はまだフリーランスとして稼げていなかったので、当然そのうち貯金がつきてしまって、お金がなくなったら一度帰国していました。
ちえさん:以前までは「経済的に自由になりたい」と思っていました。今、実際に経済的には自由になれてきたけど、私たちらふたびにとって経済的自由は一つの手段でしかなかった。本当の意味で心から自由を感じることには、直結していないように感じました。
前はがむしゃらに何かに挑戦する楽しさや、失うものがない感じがあったけど、今は色々なものを持ちすぎてしまっていて、自分らしさを選択できなくなっている気がしています。今持っているものをいったん手放して、まっさらな自分たちを感じたいです。まっさらな状態で旅に出て、帰ってきた時に何を感じられるかを大事にしていきたいですね。
らふたびがこれからしたい旅のカタチ
かざしさん:もう一度バックパッカーをして、自分たちを見つめ直す旅をしたいなと思っています。今は前と比べるとフリーランスとしての収入も得られるようになってきて、日本でも暮らせるくらいの余裕はあるんですが、逆に安定に縛られてしまっている気がしていて。お金は前よりあるけど、正直、あまり楽しめていません。
先日2人で運営するYouTubeの視聴者さんからお声がけいただいて北海道に住まわせてもらったんですが、「やっぱり自分たちはこういうことをしていきたいな」という気付きが得られました。行きたい所に何の計画もなくバックパックだけ持って行って、フットワーク軽く色んな場所を周りながら現地の人と交流するような旅がしたいです。
ちえさん:私は中南米にも行ってみたいですね。バックパッカーをしていて気に入った場所があれば、そこに長期で住むのもありだし、とにかく自分たちが感じるままに生きてみたいです。
かざしさん:前に住んでいたジョージアを拠点に、ヨーロッパの国々を巡るのもいいなと思ってます。バックパッカーをするなら、東南アジアは旅をスタートしやすいし、僕はとにかくタイが大好きなので、また東南アジアから旅をしていきたいです。
2人の旅は行き当たりばったり。それが楽しい!
かざしさん:バックバック旅では、事前に決めておいたプラン通りに行動するのではなく、全く計画をしないで旅を楽しみます。行く国は決まっていても、その国の中でどこに行くかまでは決めない。現地に行ってから選んで決める楽しさがあります。
ちえさん:次の日泊まるホテルすら決めてなくて、前日の夜11時とかになってから「明日どこ泊まる?」って話すことや、当日の夜になってから慌てて今日泊まるホテルを探し始めるときもあります。現地で出会った人に「家来る?」って言ってもらえることがあるんですが、ホテルを取ってないとフットワーク軽く「行く!」って答えられます(笑)
かざしさん:それが楽しいよね。
ちえさん:何にも縛られずに、その都度気がむくままに自由に選択しながら旅できるのが、バックパック旅の良さな気がします。
かざしさん:東南アジアを回ってたときは、「ランカウイって島があるらしいよ」って聞いて「じゃあ行ってみるか!」って感じで行ってみたり。次に行く国を直前になって決めたり、こういう行き当たりばったり感が楽しいですね。
海外に行けない今は「自分たちで楽しむ力」をつける
ちえさん:コロナ禍になって日本に帰ってきましたが、海外でらふに過ごしていたせいか、誰かに何か言われているわけでもないのに、同調圧力のようなものを感じてしまっていて、息苦しさがどこかあります。でも、愚痴を言っていてもしょうがないので、自分たちで楽しめることをやれる範囲でやっています。
かざしさん:外国にいるときは、現地の友達を作ったり、その国の文化に馴染むことで必死だったり、忙しくできていて、その結果日本のことをあまり気にせずに過ごせていたから楽だったのかもしれないですね。
これまで外国を転々として過ごしながら毎日新しいことに挑戦していたけど、コロナ禍になってからは同じ場所にずっと居て、良くも悪くも新しい刺激がないので、僕たちも「やりたいことって何だったんだろう?」って思うことが最近は多いです。
ちえさん:外国にいる時は風景も食べ物も言葉も、全てが新しいもんね。今は環境に左右されずに「自分たちで楽しむ力をつける時期」だと考えて、私たちも日々悩みつつ楽しみ方を模索しています。
かざしさん:帰国した直後、二人の出身地でもある東京に2ヶ月くらい住んだんですが、自分たちには東京の環境が合わなくて、でも今は外国にも行けない。どうしようってなっていた時に、ちえちゃんの繋がりで宮城に住めるお家があったので、宮城に移動しました。
ちえさん:窓を開けたらきつねや猪がいるような山奥に住んでいるので、動物の鳴き声くらいしか聞こえないです。今後も住むとしたら東京よりは、田舎暮らしっぽい雰囲気の場所が自分たちには向いているかな。住む場所を自由に選択できる自分たちで居たいですね。
生き方に悩む人にらふたびからメッセージ
かざしさん:僕はお金もパスポートも持っていなかったけど、外国に飛んでバックパッカーしてみて初めて知ったことが沢山ありました。そんな僕たちも、まだ自分たちの完成形は全く見つかっていません。これからもっと色々な旅や生き方をしていく中で、探していきたいと思っています。
ちえさん:とにかくやる。やらないと自分たちの価値観や生き方も見えてこないし、やりたいことも分からないままだから、失うことや失敗について考えすぎず、経験・行動することが大事だと感じます。失敗って、自分が恐れているよりも大したことない場合が多いんじゃないかな。私の今年の目標は「たくさん失敗しよう」です!失敗しないとどんどん保守的になって行動できなくなってしまうので。
かざしさん:僕も前までは失敗が怖かったけど、失敗をたくさんして「これって別に失敗じゃないな」って思うことを繰り返して、今はちえちゃんに近い考え方ができるようになりました。
ちえさん:それはきっと、行動を重ねたからだよね!今を楽しめない人は明日も将来も楽しめないと思うので、「今この一秒を楽しむこと」を大事に。努力はしなくてもいいかららふに、自分が楽しむことだけを考えてやっていけば、自然と将来が自分の生きたい生き方になっていくかもしれないですね。
かざしさん:僕たちのYouTubeチャンネルでは、自分たちの日常生活やありのままの様子を出しています。海外での生活や地方移住の生活をしてみてどうだったかなど、良いところも悪いところも全部リアルに語っているので、参考にしてもらえれば嬉しいです。
「こんな生き方をしてる人もいるんだ」って知ってもらって、憧れのようなものを持ってもらえるのも勿論嬉しいんですけど、今の生き方や生活がなんとなく辛いなって思っている方に、笑ってもらえたり勇気を与えられたら何より嬉しいです。
インタビュー後記
真っ直ぐに自分たちの「やりたい!」を大切にしながら選択や決断をして、ワクワクと生きるちえさん・かざしさん。エネルギッシュで前向きなお二人からは、お話を聞いているだけで元気や勇気を分けてもらえました。
また、お話の中で印象的だったのは、「努力はしなくてもいいから、らふに楽しむ」というちえさんのお言葉。らふたび流のらふな生き方の中には、様々な葛藤もあるものの「今を楽しく生きる」「進んで失敗する」などのモットーがぶれない軸としてあるようです。
これからの生き方や働き方などに悩んでいる方は、一度「らふ」に考えてふっと行動してみると、何か新しいものが見えてくるかもしれませんね。
【参照サイト】らふたびチャンネル
【参照サイト】らふたび Instagram
佐藤千嘉
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