世界中の森の音が聴けるインタラクティブマップ「SOUNDS OF THE FOREST」

世界中に「森」はある。

土地によって異なる植生がありそれぞれの色はあれど、どの森も呼吸し人々に様々な角度から豊かさを与えてくれている。

そんな世界中の森に出会うことのできるサービスが英国で誕生した「SOUNDS OF THE FOREST」(音の森)だ。

世界中の森林のサウンドを集めたインタラクティブマップで、音源は無料で視聴できるだけでなく、誰でも録音し公開も可能。「SOUNDS OF THE FOREST」がローンチされた当時はイギリスやヨーロッパの森の音が中心だったが、今では南北アメリカ大陸やアジア、アフリカなどからも音源が集まっている。

ノルウェーの森の木陰を流れる一筋の渓流のひんやりとした水。
フィンランドの湖畔で水浴びをしながらさえずる小鳥たち。
ブラジルのアマゾンでは、ところ狭しと集まってきたやおよろずの動物たちが美声を競い合う。
風に揺れる木々の合間から聞こえてくる蝉の鳴き声は、なんとも日本らしく風情がある。

音が私たちの想像力を掻き立て、眼前に景色が広がっていく。国境を越えなくても、家の中にいても、心は雄大な自然の中に……。心身が洗われるオンライン体験だ。

SOUNDS OF THE FORESTは、英国でアウトドアフェスティバルを数々手掛けるWild Rumpusが主催するイベントの一つ、人間と木々のつながりを祝い讃えるフェス「Timber Festival」の主催者たちによって作成された。

新型コロナウイルスの影響で、イベントがことごとく延期になっていた2020年。Timber Festivalも延期となった。どうにかして人間と木々のつながりをオンラインでも祝う方法はないかと考え生まれたのがこの地図。

「病は気から」と昔から言われるが、コロナ禍をきっかけにメンタルヘルスが大きくクローズアップされるようになった。多忙を極める現代人は、リラクゼーションの時間をとるのがなかなか難しい。しかし、私たちが持つ五感「視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚」のうち、聴覚は工夫次第で手軽なリラックス方法として有効活用できるのではないだろうか。視覚はコンピューターやスマートフォンのスクリーンを見たり、車を運転したりとなにかと取り込み中のことが多いが、耳は意外と遊んでいる。

仕事中や運転中に好きな音楽をながら聴きして気持ちを盛り上げたり、寝る前に目を閉じてヒーリングミュージックや大自然のサウンドを聴いたりして心を静める。

森とは私たちの心の故郷だ。人間が木々や自然とつながることで得られる幸福感を、世界中の人々がそれぞれの森で享受している事実を想像しながら、訪れたことのない国の森の音に耳を澄ませてみたい。

【参照サイト】SOUNDS OF THE FOREST
【参照サイト】We’ve created the first ever forest soundmap of the world from submissions across the globe
【参照サイト】Wild Rumpus
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拓馬

昔からつい遠くに趣いてしまう癖があり、気がついたら海外でノマド(遊牧民)に。インターネットという大自然の恩恵に浴し、世の中を斜に眺めながらの独り言。リアルの大地とデジタルという名の大空のはざまにさすらい、いまだ見ぬ世界への旅路を今日もゆく。