街を歩く。すると、ぶわっと風と共に流れてくる、いやな臭い。
ふとビルとビルの間を見ると、無残にも転がり落ちているごみの数々。
このような光景は悲しくも身近によく見られる。
世界へ目をむけてみると、アジア圏ではさらに深刻化。あまり舗装のされていない地域では、ごみの山とも言うべき塊があちこちに。これもそう珍しくはない光景である。
陸にある行き場を失ったごみたちは、一体どうなるのだろう?
現在、ごみの自然界流出は世界中で問題となっており、重量ベースで「2050年までに海中のプラスチックごみの量が魚の量を超える」との予測も出ている。(※1)
海洋ごみの8割は陸由来と言われ、散乱したゴミや路上に捨てられたごみが、雨や風などによって海にたどり着いたものとされている。このごみ問題を解決するには、人の力が必要だ。
ごみが陸にあるうちに、ひとつひとつコツコツ回収するのだ。
今でこそSDGsという言葉があるが、10年以上も前からごみ問題に取り組む企業がいる。2021年5月からごみ拾いSNS「ピリカ」を運営している株式会社ピリカだ。現在108カ国から累計1億8千万個ものごみが拾われており(2021年5月15日現在)、世界にごみ拾いの輪を広げている。
引用元:SNSピリカ
ごみ拾いSNS「ピリカ」は、ごみを拾った様子を撮影し写真を投稿すると、他のユーザーから“ありがとう!”のコメントをもらえたり、今までに拾われたごみの分布をマップで見れたりする。さらには、イベントを作成することができ、その地域で「ごみ拾い大会」や「1時間で何個ごみを拾えるか?」など、ごみ拾いを楽しく、おもしろく行うことができる。
引用元:SNSピリカ
リリースから10年で累計“ありがとう”数は1,000万弱となり、導入している企業・自治体・団体は800を超えた。まさに、ごみ拾い活動を通じて多くのコミュニケーションが生まれ、世界に輪が広がっているのだ。
たかがごみ、されどごみ。街中に落ちているひとつのペットボトルさえも、海に流出すれば魚にとっては凶器となり得る。海が汚れ、海で生息する魚たちが減ってしまうと、美味しい魚料理も気軽に食べられなくなるかもしれない。
ならば、少しでもごみを見つけたら、拾ってみよう。拾ったらその場で写真を撮って、SNSピリカにアップしてみよう。そうしたら日本中、世界中のごみ拾い仲間から、ありがとうが届いて、あなたと地球の今日と明日が少し“いい日”になるはず。
ごみ拾いSNS「ピリカ」を始める
https://corp.pirika.org/sns-pirika/guide/
【参照サイト】SNSピリカ | SNSピリカ(株式会社ピリカ / 一般社団法人ピリカ)
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明田川蘭
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