伊勢志摩の複合施設「CO Blue Center」で始まる、“ゴミ拾い”から“宝拾い”へという意識改革

遠浅で緩やかなカーブを描く海岸。広々とした砂浜からは、松が生い茂る林が見える。そんな場所である伊勢志摩・国府の浜こそ、環境や地域の課題を考え、ゆったりした気持ちで多様な働き方をする場所にふさわしいのかもしれない。

CO Blue Center(コーブルーセンター)は、「地球を想い、安らぎながら働く」をコンセプトに、地域・技術・海の3循環 「Blue Cycle(ブルーサイクル)」 を実現すべく、センター内に約8種類の事業・サービスを三重県志摩市で展開する。 気候変動・海洋プラ問題・地域課題などに適応するソーシャルビジネスを立ち上げる企業を多く集め、環境課題解決に取り組む。

ウェルネス&ウェルビーイングを感じる環境づくり

CO Blue Center内にはコワーキングスペース・サテライトオフィス・インターラボ・コーヒースタンド・サウナ・ライブラリー・ギャラリー・簡易宿泊などが揃う。今後、好奇心を刺激しあえるコミュニティを作るためのコワーキングスペース・サテライトオフィスを構え、集まった人が安らぎながら働けるよう、コーヒースタンドやサウナ施設も付帯する予定だ。

また、CO Blue Centerの徒歩圏内には、サーフスポット国府の浜があり、身も心もととのえる、チルワークを体験できる。「安らぎながら働ける環境」と「ビジネスや先端技術の相乗効果」を生み出し、人生の豊かさを考え体感しながら、ソーシャルビジネスを最速で成功させるための場所作りを提供する。

海水から野菜を育てる海水農業

環境適応型農業技術の開発を行う、株式会社CULTIVERA(カルティベラ)が「海水農業」をCO Blue Centerで研究し、海水から野菜を育てることに世界で初めて成功した。次の開発として、海上建築スタートアップ「N-ARK」と連携し、気候変動や難民問題といった社会課題に対するひとつの解決策として、海の新たな可能性開拓に、最先端の科学技術をもって「海上農業」の開発に取り組む予定だ。

企業・大学・行政・地域等と連携

リモートワーク・ワーケーションが後押しした働き方の多様性を追い風に、地方発・世界に向けて挑戦するソーシャルビジネスの募集を2023年4月より開始する。

地域経済の循環として取り組む「Re:COINプロジェクト」を開始

目の前の海から出る海洋プラスティックを地域通貨にアップサイクルするプロジェクトを開始する。革新的な取り組みで海を綺麗にし、地域経済にソーシャルインパクトを与える。2023年5月頃からの実用開始を予定している。

ゴミのはずの海洋プラが、お金になる町

「ビーチクリーンなどのフィジカルで拾った海洋プラを、アナログなコインで受け取る。近所付き合いも含め、とても人間的で温かい地域社会を創りたい。そして、自分たちの住む町の地域資源である国府の浜を、ずっと綺麗に保全したい。」という思いが込められたRe:COINプロジェクト。国府の浜エリアに住む人口は約1500人。人気のサーフスポットでもあり、毎年5~6万人のサーファーが訪れる。この小さなエリア限定で、海が好きな人だけが使う地域通貨をCO Blue Centerから発行する仕組みとなっている。

子どもから大人まで格差を感じさせない

誰でもシンプルに交換できる仕組みを採用し、高齢化が進む地域でも革新的なアイデアが浸透しやすいように、あえてDXから逆行するようなスキームとしている。海を綺麗にして、対価を受け取り、買い物をする。国府の浜に関わる全ての人に浸透し、子どもたちから老人まで、誰も置いてけぼりにしない社会を創ることが狙いだ。

海辺から環境に変化を

サーファーやマリンアクティビティを楽しむ方、コワーカー、学生、観光客などの幅広い人々が集まり、活動をすることでその地へ思い入れが生まれる。そして環境保全への思いもより強くなるだろう。志摩の海から環境について触れていくきっかけを作ってみてはいかがだろうか。

【参照サイト】CO Blue Center 公式サイト
【参照サイト】CO Blue Center 公式Instagram

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高橋 真理

秋田県出身。東京、札幌での生活を経て、宮城県でゆったりとした地方暮らしを満喫中。友人とにぎやかに過ごす旅も好きだが、1人で旅先の非日常な空間にゆったりと浸る旅が最近のお気に入り。