持続可能な美食大国へ。トルコ、ガストロノミーの未来を切り拓く

トルコは、アジアとヨーロッパを結ぶ地にあることに加え、何世紀にもわたる文化的交流を通じて多様な文明の影響を受けて発展してきた国である。この地は、オスマン帝国時代から続く豊かな食文化を持ち、郷土料理や地中海料理を中心に、伝統と現代が融合したガストロノミーの宝庫として知られている。そんなトルコが今、新たな挑戦として「持続可能なガストロノミー」の分野で注目を集めている。

ミシュラン・グリーン・スター10軒獲得の快挙も

2025年1月、トルコはサステナブル・ツーリズム認証プログラムの成功を受けて、飲食業者向けの“持続可能な認証制度”の導入を進めることを発表した。また、2024年版で4軒、2025年版で6軒と、わずか2年で「ミシュラン・グリーン・スター」を受賞したレストランが合計10軒に達した。この成果はトルコのガストロノミー業界が持続可能性への取り組みを強化している証といえる。

トルコはグローバル・サステナブル・ツーリズム協議会(GSTC)との提携により、飲食業界向けの新しい認証プログラムを導入し、持続可能な観光の分野でもリーダーシップを発揮している。

ミシュラン・グリーン・スターレストラン

持続可能性への具体的な取り組み

トルコは2022年に、GSTC基準に基づいた世界初となる国家単位でのサステナブル・ツーリズムプログラムを策定している。現在、国内の17,500軒以上の宿泊施設が認証を受け、そのうち1,300軒がGSTC基準に適合している。この成功を背景に、飲食業界向けにも新しいモジュールを追加した観光プログラムを展開中だ。このプログラムでは地域特有の指標を活用し、持続可能性の実現可能性を評価する試験的な取り組みも進められている。

また、地理的表示(GI)製品の登録数も増加しており、特許庁には2,218品目が登録されている。これらの製品は、自然な生産方法と高品質を守りながら地域経済にも貢献しており、その結果として「持続可能な美食」の実現が進んでいる。

トルコ観光広報・開発庁(TGA)の役割

このような取り組みを推進する中心的な存在が、「トルコ観光広報・開発庁(TGA)」である。TGAは国内外におけるトルコのブランド価値向上を目的とし、文化観光省が定めた政策に基づいてプロモーション活動やマーケティング戦略を展開している。同庁は観光分野だけでなく、新たなビジネス機会や潜在的分野の発見にも注力しており、その一環として持続可能な観光やガストロノミー分野への取り組みも含まれる。

ミシュラン・グリーン・スターとは?

「ミシュラン・グリーン・スター」は、環境に配慮した取り組みや持続可能性への貢献が顕著なレストランに与えられる特別な称号である。トルコでは、この星を獲得したレストランが、アナトリア文化を反映させた伝統的かつ革新的な料理を提供することで注目されている。例えば、「ズッキーニの花ピラフ詰め」などの郷土料理はその代表例だ。

ズッキーニの花のピラフ詰め

ガストロノミーの未来へ向けて

トルコのガストロノミー業界は、伝統と現代技術、そして持続可能性という三本柱によって新たな地平線を切り開いている。地域特産品や郷土料理が次世代へと受け継がれる中で、環境保護や地域経済への貢献も同時に実現されている。このような取り組みは、「美味しいだけではない」食文化として世界から注目されるだろう。

ガストロノミーの未来へ向けて成長し続ける、トルコ。その歩みは、美食とサステナビリティが共存する新しい旅の形を示している。

【参照サイト】トルコ、持続可能なガストロノミーの未来を切り開く!ミシュラン・グリーン・スター10軒獲得の快挙も|PRTIMES
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