持続可能な地域づくりはどうしたら実現できるのだろう。「サステナブル」という課題について、そんなふうに難しく考えて悩んでしまう場合も多い。もしそんなふうに悩んだら、新しい視点から周囲の人々との関係について考えたり、楽しい未来を想像することで、その課題の見え方が変わってくるかもしれない。
一般社団法人Reborn-Art Festival(リボーンアートフェスティバル)は、「~たべる喜び、いのちへの感謝、つづけていく、営み。~いのちのてざわりツーリズム」のサイトをリリース。地域復興や、地域振興の循環を目指しサステナブル・ツーリズムを開催する。
アーティストと地域のふれあいを生み出す
リボーンアートフェスティバルとは、2017年に宮城県石巻市・牡鹿半島を中心に51日間にわたって初めて開催され、豊かな自然を舞台に地元の人々と作りあげた、「アート」「音楽」「食」を楽しむことのできる新しい総合芸術祭。 石巻・牡鹿地区は、東日本大震災で大きな被害を受けた地域の一つだ。
国内外の現代アーティストが地域と触れ合いながら生み出すアート作品や、様々なスタイルの音楽イベント、日本各地の有名シェフたちが地元の料理人や食材と出会い、提供するここでしか味わえない食など、たくさんの「出会い」を創出する場となっている。 3回目となった「Reborn-Art Festival 2021-22」のテーマは「利他と流動性」。利己ではなく周りを思いやる心「利他」と、目まぐるしい日々の流動性の中で新しい日常や本質を形作っていく想像力や関係性に改めて向き合う、という意味が込められている。
命の循環を地域で学ぶ
地域とのふれあいを生み出してきたReborn-Art Festivalは、地域資源を活かしたサステナブルツーリズムを開催する。開催する「いのちのてざわりツーリズム」は、アート、地域の魅力、地域の方々との協働による持続可能な観光やさまざまな出会いから学びや気づきを得るプログラム内容となっている。
いのちへの感謝
牡鹿半島で狩猟や漁業を営むプロフェッショナルに同行し、命をいただく現場に参加をする。斜面を駆ける鹿、はさみで威嚇する蟹、しなやかに形を変えて動く蛸、その命と向き合い、自然の恵みをいただけることに心から感謝をする時間だ。
たべる喜び
いただいた命を最高においしく食べるための技術を料理人に教わりながら、調理し、盛り付け、味わう体験。牡鹿半島の澄んだ空気を感じながら、チームで楽しく屋外で食べることもおすすめだ。すべての感覚を開放し、喜び分かち合うひと時を過ごせる。
つながる営み
「ここで暮らすひとびと」との会話・共に過ごす体験で、ツーリズム参加後も牡鹿半島をより身近に感じられる。「石巻のあの人」を思い出し、日常の食卓でも、お魚を今より少し丁寧に食す変化が起こるかもしれない。
【いのちのてざわりツーリズム プログラム例】
<DAY1>
石巻到着後ランチ
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オリエンテーション
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アート見学
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夕食
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キャンプファイアー / 猟師との語らい
<DAY2>
朝食
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漁師体験、海の話
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料理体験 @もものうらビレッジorはまさいさい
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ランチ
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まとめ / 帰宅
地域資源を未来へ紡ぐ
石巻牡鹿半島を中心に行われるリボーンアートフェスティバルは、アートと地域資源の融合により、新しい地域の未来を創造できるワクワクする時間だ。そして、いのちのてざわりツーリズムでそこに住む人々のリアルな暮らしと、食の循環を自身で体感することで未来の日本の暮らしを考えるきっかけになる。楽しみながら地域の未来を考えてみてはいかがだろうか。
【参照サイト】Reborn-Art Festival 公式サイト
【参照サイト】いのちのてざわりツーリズム 公式サイト
高橋 真理
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