環境への負担を最小限にする牧場。沖縄県石垣市「八重山列島カーボンフリーファーム」が始動

環境にやさしい取り組みが広がっている昨今。
環境への影響を指摘されることの多い畜産業においても、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーへの取り組みが広がり始めている。

株式会社INFLUX(インフラックス)及びグループ会社である農地所有適格法人 八重山列島カーボンフリーファーム合同会社は「カーボンフリーファーム構想」を掲げ、その第一弾として石垣島にて牧場を舞台に運営をスタートさせる。

持続可能なエネルギーの未来を築く 株式会社INFLUX

株式会社INFLUXは、持続可能なエネルギーの未来を築く企業として、世界の環境問題に立ち向かうべく、太陽光や風力といった再生可能エネルギーを活用したプロジェクトを推進している企業だ。枯渇する資源への依存を減らし、環境への影響を最小限に抑えた「ネイチャーポジティブ」な開発に取り組んでいる。

地域密着型の開発を掲げ「Jimoto first(地元ファースト)」の理念に基づき、地元に新たな産業と雇用を創出し、地域経済の発展に貢献している。また、地域社会との協力を通じて、持続可能なエネルギーシステムを構築し、循環型社会(サーキュラーエコノミー)の実現を目指す。

環境への負担を最小限にした「カーボンフリーファーム構想」

株式会社INFLUXは、資源の効率的な利用と再利用を推進した牧場運営を開始する。自然環境と調和する形で持続可能な運営を目指し、ファーム全体を通してカーボンニュートラルで、サーキュラーエコノミーな事業モデルを地域の実情に合わせた形で各地へ展開していく予定だ。

第一弾は石垣島を拠点とした「八重山列島カーボンフリーファーム」。沖縄の気候と自然を守る取り組みとは一体どのようなものなのかご紹介する。

1. 黒毛和牛の一貫生産

現地畜産農家の事業を継承し、既存の生産資源を有効活用しながら「石垣牛」の繁殖・肥育の一貫生産を行う。牛舎の改修等の整備を行い、2025年より順次運営を開始し、将来的には500~600頭まで拡充する予定だ。

2. 新たな黒毛和牛ブランド「脱炭素牛」の開発

地球温暖化の要因の一つである牛のゲップ中のメタンガスを抑制する特殊な給餌方法で育てられたメタンレスな和牛ブランド「脱炭素牛」を開発し、石垣牛と並ぶ新たなブランド作りを目指していく。

3. 深刻な環境問題も解決する「バイオマスの活用」

牧場運営の過程で飼育牛から排出される糞尿は、島内畜産農家からの回収分と合わせて1日当たり100トン超の量を、グループ企業が行うメタン発酵型バイオガス発電事業へと提供し、電力を生み出すための原料として活用。

また、発電プロセスで発生する発酵残渣は特殊肥料として地元農家等へ還元していく。石垣市が抱える家畜の糞尿由来の深刻な環境汚染問題の解決に対してもアプローチしていく。

4. 老朽化した牛舎をクローズドループな水耕栽培農場としてアップサイクル

老朽化からその機能を失った牛舎を修復・刷新して水耕栽培農場とし、前述の発電事業で得られる電力やその副産物であるバイオマス由来の液肥を活用することでサーキュラーエコノミーを体現する。

 

今後、畜産事業や発電事業のほかにも宿泊施設や農場直営の焼肉店やカフェの運営など、市民や観光客の皆様に愛されるファームを創り上げていく予定だ。今後の展開にもぜひ注目していきたい。

【参照サイト】株式会社INFLUX 公式サイト