サステナブルな視点で旅を楽しむ50のアイデア「ASEANへのやさしい旅 50」公開

昨今、サステナブルの重要性が注視されているが、どんなことがサステナブルなのだろうか。もっとサステナブルなことに触れて自分事にしていきたい。

国際機関日本アセアンセンターは、ウェブコンテンツ「ASEANへのやさしい旅 50」を、国内外、様々な旅のコンテンツを紹介するWebサイト「Travel in Life」にて公開。日本ASEAN友好協力50周年の記念事業として認定されており、50周年にちなんで、50件のASEAN諸国で楽しむ「サステナブルツーリズム(持続可能な観光)」のアイデアを提案する。

約8割がサステナブルツーリズムに肯定的

2022年度に国際機関日本アセアンセンターが実施した「若年層を対象とした持続可能な観光に関する調査(旅行好き、あるいは旅行に興味がある日本のZ世代とミレニアル世代(15 歳~35 歳)を対象)」によると、日常的にSDGsやサステナブルなライフスタイルを意識していても、旅行する際にも意識している割合はいまだに低いことが分かった。

しかし、その土地の本来の姿を守りながら、観光を活性化して楽しむサステナブルツーリズムへの取り組みを提示した上で、その必要性を問うたところ、約8割が肯定的という結果に。この結果を受け、国際機関日本アセアンセンターでは、サステナブルツーリズムについて知るほど人々の意識は向上していく可能性が高いと捉え、引き続き持続可能な観光に対する理解促進を図る。
ASEAN若年層を対象とした持続可能な観光に関する調査報告書

ASEANへのやさしい旅 50

サステナブルへの意識の高まりを受け、「多様な自然環境や動物たちへの思いやり」、「環境・歴史・文化への敬意」、「地域コミュニティへの還元」等の要素を考慮した旅のアイデア「ASEANへのやさしい旅 50」を提案。

コンテンツは、「知る、感じる」「遊ぶ」「泊まる」「食べる」「買う」の5つのカテゴリーに分類されており、ユーザーは国やカテゴリー毎に、また双方を選択してトピックを検索することも可能だ。旅行中にサステナブルな視点で楽しめるコンテンツを紹介する。

ベトナムの緑豊かな水田と伝統文化の融合に癒される「マイチャウ・エコロッジ」

「ベトナム」×「泊まる」では、ベトナムの伝統家屋に宿泊し、環境配慮と地域雇用に貢献できるコンテンツをご紹介。

首都ハノイから約170km離れた山間にある町、マイチャウ。緑深い山々と、美しい水田のパッチワーク、伝統的な高床式家屋に少数農耕民族が暮らしている。そんなマイチャウで最も格式高いと称されるこのエコホテルへ宿泊。

伝統的な高床式ロッジでは、環境負荷を抑えるために太陽光発電のグリーンエネルギーが使用されており、大幅なプラスチックの削減にも取り組んでいる。レストランでは地元の恵みとともに、自家菜園で採れた新鮮野菜や有機ハーブをふんだんに使ったベトナム伝統料理をいただける。スタッフの約90%は地元の村人を採用し、地域雇用にも貢献しているサステナブルな宿だ。

その他にもスパや、ショーなど、ベトナムならではの美しい田園風景と温かなホスピタリティに包まれて、心癒される滞在を体験してみてはいかがだろうか。

マレーシアでオランウータンの置かれている背景と保護活動に触れる

「マレーシア」×「遊ぶ」では、ボルネオ島とスマトラ島の熱帯雨林にのみ生息する、オランウータンの保護と環境保全について学ぶプログラムを紹介。オラウータンは、森林伐採や農地開拓、気候変動などによる生息域の減少、違法な密猟などによって、その個体数は過去100年間で全体の約80%も消失し、現在は絶滅の危険性が最も高い「近絶滅種」に指定されている。

当プログラムでは、実際に保護・飼育活動に参加しながら、オランウータンの生態や置かれている現状、私たちの生活と自然環境の関わりを知り、危機に瀕するボルネオ島の熱帯雨林と野生生物を未来へつなぐ。参加費のすべてはオランウータンの保護、地域社会の教育および啓発活動に活用される。オラウータンを間近で観察できる機会もある、貴重な体験だ。

やさしさを体感する旅に出よう

サステナブルへ貢献するために、まずはサステナブルを楽しむことが重要だ。新たな発見や、貴重な体験など、「サステナブル」な体験には私たちの考えに大きな影響を与える力がある。ぜひ、ASEANへのやさしい旅 50のコンテンツで、サステナブルを楽しみながら自分事にしてみてはいかがだろうか。

【参照サイト】アセアンへのやさしい旅50のリスト
【参照サイト】国際機関日本アセアンセンター