ブッキング・ドットコム・ジャパン株式会社は10月5日、日本在住者の予約データをもとに2020年夏の旅行動向を公開したと発表した。今回は、2020年6月1日から8月31日までの間、ブッキング・ドットコムを利用した日本在住者の予約データを分析した結果より傾向をまとめている。
まず、旅行時の移動距離については、予約をした地点から宿泊施設までを直線距離に換算したところ、平均543kmであることがわかった。これは前年同時期の平均1,575kmに比べ、移動距離が約3分の1に短くなっていることがわかる。また旅行先について、2019年同期間の国内移動の割合は23%だったのに対し、2020年は89%にまで増えた。

なかでも特に予約数の多かった目的地は、静岡県下田市、北海道富良野市、静岡県伊東市、東京都立川市、そして神奈川県鎌倉市など、静かな海辺や美しい自然の景観が楽しめる観光地だった。こうした自然や温泉などへの注目が高まったことから、旅行者は日本ならではの魅力を再認識したと考えられる。また、東京や大阪、京都、福岡、名古屋といった都市部への予約数も多い傾向であったことから、依然として都市部への観光人気も高いことが伺える。
宿泊施設のタイプ別でみると、前年に比べ、別荘やヴィラなどの民泊施設や、旅館が選ばれる傾向が見受けられた。これは、ソーシャルディスタンスを保ちながら自分たちのペースでゆっくりと滞在を楽しみたい傾向であると考えられる。前年末に行われた同社調査では「民泊を利用したい」と回答した人は16%だったことをふまえると、新型コロナウイルスの影響で人々の考え方が大きく変化したことが伺える。
2019年11月に同社が実施した「2020年の旅行に関する調査」では、日本の旅行者の54%が活気ある都市部への旅行を計画していたが、新型コロナウイルスの感染拡大により2020年は、いつもとは違った形の旅行や近場の旅行でも楽しめるという発見から、多くの人々の旅行欲を満たすことができたことがわかった。
同社CMO兼シニア・バイスプレジデントのアルヤン・ダイク氏は、「旅行がもたらしてくれる幸せというのは、距離で測るものではなく、身近なところにもたくさんの冒険や、心を癒してくれる場所はあるということを2020年の夏が証明してくれました」と述べている。
【参照ページ】灯台下暗し?!近場の魅力を再発見! ブッキング・ドットコム、2020年夏の日本の旅行者の傾向を公開
【ウェブサイト】Booking.com
【関連ページ】Booking.com、2021年にトレンドとなる5つの旅行タイプを予測
(Livhubニュース編集部)

松岡 のぞみ

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