ブッキング・ドットコム・ジャパン株式会社は11月18日、自社で行った新型コロナウイルスの影響が生じてから後の旅行に対する価値観の調査をもとに、2021年に流行する旅行タイプ5つを予測したと発表した。なお本調査は、同社が2020年7月にオンラインアンケートを実施し、28の国・地域の計2万934名から回答を得た。
新型コロナウイルスの影響で、2020年の旅行者の計画は大きく変わり、目的地の選択はもちろん旅のタイプにも変化がみられた。
1つ目は、「癒しの一人旅」だ。2021年は、コロナ禍で抑えられていた旅行への欲求により、一人旅のトレンドが大きくなる。同社のコロナ以前のデータによると、一人旅を計画していた日本の旅行者はわずか16%であったのに対し、今後に関しては「将来一人旅を計画する」と回答した旅行者は27%に増えた。また、日本の旅行者の28%は、2020年の旅行の埋め合わせとして今後はさらに旅行をしたいと答えていることから、一人旅のニーズが増えるとした。
2つ目は「リラックスという贅沢」だ。世界的なパンデミックにより、「旅」そのものの価値を再確認する人々が増えている昨今。実際に「今後は旅行を当然のように楽しめるものだとは考えない」と答えた日本の旅行者は61%にものぼった。しかし、5つ星ホテルでの滞在などといった贅沢な旅行よりも、単に日常を忘れられるようなリラックスできる旅を求める日本の旅行者は64%と大多数を占めていることから、2021年はリラックスこそ本当の旅の贅沢と捉える人々が増えていくことがうかがえる。
3つ目は「大切な人との再会」だ。新型コロナウイルス感染拡大により、2020年は友人や家族と離れて過ごさざるをえない状況となった。こうした状況から、日本の回答者の55%は「今後は旅行を大切な人と再びつながる機会として活用する予定だ」と答えている。感染拡大の収束の目処がつかず未だ大切な人との再会ができていない人も多くいるなか、旅の目的が大切な人との再会の場になることも予測される。
4つ目は「週末旅行」だ。コロナ禍では旅行計画後の中止の可能性を危惧し、2019年と比べ2021年は短期間の旅行を考えている人が日本では34%いる。このことから、気軽に旅行できる週末旅行のニーズが増えることが予想される。これにより、たった数日間であっても非日常の体験をしたい旅行者の欲求がうかがえる。
最後は「グルメ旅」。世界を体験したいという旅行者の願望はあるものの、「移動制限が解除されても海外旅行は依然敬遠する」と回答している人は世界で約半数となる53%だったのに対し、日本は約8割(77%)を占めたという。また日本の回答者の約半分(47%)は「旅行中に現地の料理を味わいたい」と回答していることから、日本では近場で楽しめるグルメ旅が新しい形として定着することが予測できる。
新型コロナウイルスの影響により、これまでの人々の生活スタイルは一変し、旅に対する意識も大きく変わっている。同社の調査結果から、今後の旅行者の旅のスタイルを参考に、お一人様向けや地元食材を使ったグルメなど、各宿泊施設の趣向を凝らしたプランも新たに生まれそうだ。
【ウェブサイト】Booking.com
(Livhubニュース編集部)
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