納豆、豆腐、味噌、日本酒、どぶろくetc….。
日本は「発酵大国」と呼ばれる位に発酵食品が多い国。そのせいか「発酵」は私たちの暮らしや風土と深く結びついていて、地域が変われば発酵食も変わる。よって「ローカル」と「発酵」は切っても切れない関係にあるとも言える。
そんな文化である「発酵」と「旅」、そして「ローカル」を掛け合わせた企画展が、福井県あわら市にある金津創作の森美術館で開催される。MAKUAKE上にて、オリジナルツアーなどがリターンになっているクラウドファンディンングも開催中。
新しい旅の提案 “観光連動型展覧会”
金津創作の森美術館((公財) 金津創作の森財団)は、北陸3県(福井県・石川県・富山県)にて、2022年9月17日(土)~12月4日(日)まで企画展「Fermentation Tourism Hokuriku ~ 発酵から辿る北陸、海の道」(通称:発酵ツーリズムにっぽん / ほくりく」を開催。この展覧会は、発酵デザイナーの小倉ヒラク氏をキュレーターとして招聘し、全国47都道府県を巡って出会った知られざるローカル発酵食品を発掘。「発酵視点」で日本の価値を再発見する旅に誘う。
ヒカリエで5万人を動員した「食べて買える展示会」、初の巡回展は福井で!
2019年4〜7月に渋谷ヒカリエd47museumで開催され、5万人を動員した展覧会「Fermentation Tourism Nippon ~発酵から再発見する日本の旅~」の初の巡回展。全国でも珍しい食をテーマにした美術館による企画展は、金津創作の森美術館でも初。展覧会では北陸のみならず、日本全国の知られざるローカル発酵文化も大集合し、その場で発酵食の購入も可能。
発酵視点で北陸を旅する。展覧会と観光の合わせ技で見たことのない世界へ
発酵文化はその土地の風土そのもの。ひとつの発酵食品から見えてくる土地の歴史や、人の営み。地域文化が放つ光を美術館の舞台で「学ぶよろこび=エキシビジョン」に。そして北陸三県を舞台に「出会いのよろこび=ツーリズム」に。深く学び、深く出会う。美術館の場を北陸三県全体に拡張し、アートと旅の体験が発酵によって融合。小倉ヒラクが旅したルートを基にしたツアー企画を実施。展示空間内で旅の案内や、公式ガイドブックの発行を通じて、美術館をインフォメーションセンターとして銘醸地にお客様を案内する。
地域全体が展覧会に?北陸三県にサテライト会場
複数の場所を旅して体験を点から線にするために、北陸3県(石川県金沢市大野町、富山県富山市、福井県おおい町)には、サテライト会場を開設。そこでしか体験できない、その土地の発酵文化をより深く紹介する展示や、商品の販売、ミニツアーや宿泊体験に出会える。発酵を横串に、アートや食、旅の異なる体験が統合され、従来の観光とは全く違う土地の魅力が立体的に味わえる。観光連動型展覧会「発酵ツーリズム」で新しくて懐かしい日本に出会おう。
開催概要
「Fermentation Tourism Hokuriku ~発酵から辿る北陸、海の道」
(ファーメンテーション ツーリズム ホクリク ~ハッコウカラタドルホクリク、ウミノミチ)
・会期:2022年9月17日(土)~12月4日(日)計68日間
※月曜休館(祝日の場合は開館、翌平日休館)
・会場:金津創作の森美術館 アートコア
・観覧料(予定):一般1,000(800)円、中・高校生600(400)円、65歳以上・障がい者各半額、小学生以下、障がい者の介護者(当該障がい者1人につき1人)無料
・招聘キュレーター:小倉ヒラク(発酵デザイナー)
・主催:公益財団法人 金津創作の森財団
・共催:あわら市、あわら市教育委員会
・展覧会パートナー:発酵デパートメント、TSUGI
公式サイト
※メインビジュアルの味噌樽の中のQRコード読み取りでも、本サイトへアクセス可。
1983年生まれ。発酵デザイナー。「見えない発酵菌たちの働きをデザインを通して見えるようにする」ことを目指し、全国の醸造家や研究者たちと発酵・微生物をテーマとしたプロジェクトや商品開発や絵本・アニメの制作やワークショップを展開している。東京都美術館「おべんとう展」に参加、d47 MUSEUM「Fermentation Tourism Nippon ~発酵から再発見する日本の旅~ supported by カルピス」のキュレーションを手掛ける。著書に『発酵文化人類学』はじめ、知られざる発酵文化を訪ねて47都道府県を旅した旅行記『日本発酵紀行』等がある。
金津創作の森とは
福井県あわら市に位置し、多彩な展覧会を開催する美術館アートコアをはじめ、野外美術館には現代アート作品が常設展示。工房ではガラスや陶芸の創作体験が可能。さまざまなアートを体感できる森。
金津創作の森 紹介動画
展覧会パートナー
・発酵デパートメント
「世界の発酵みんな集まれ!」を合言葉に、小倉ヒラクが各地を旅して収集したユニークな発酵食品・食材やお酒やそれらにまつわる情報など、発酵のことならなんでもそろうデパートメント。実店舗は東京・下北沢のBONUS TRACK(ボーナストラック)内に2020年4月1日にオープン。物販・飲食・展示・講座・WEBショップを通じて、発酵文化を継承し、未来に発展させていくための運動体として様々な企画に取り組んでいる。
・TSUGI
福井県鯖江市に拠点をもち、地域に特化したデザイン事務所として、優れたデザインワークのみならず、複数の自社ブランド、産業観光イベント「RENEW」の運営など、領域を横断しながら“創造的な産地づくり” をビジョンに掲げ、活動している。2019 年グッドデザイン賞受賞、2020 年には、ふるさとづくり大賞(総務大臣表彰)、地域づくり表彰最高賞(国土交通大臣賞)を受賞。ローカルにおけるデザイン業の新たなモデルとして注目を集めている。
展覧会×ツーリズム 美術館から地域のインフォメーションセンターに
展覧会で発酵を旅する!日本全国、北陸の発酵文化のローカル発酵に出会える
小倉ヒラクが現地を訪ね、見つけ出した他の県には見られない発酵食が会場にズラリ登場!サバのなれずし(福井)、フグの卵巣糠漬け(石川)、バタバタ茶(富山)。北陸の地にはどのような発酵文化が根付いてきたのか、独自の発酵文化を余さず紹介する。そして、北陸のみならず、都道府県ごとのローカルな発酵食品を一つずつ選定し、醤油や味噌、日本酒はもちろん、既存のカテゴリーには当てはらまない摩訶不思議なものまで、その地域ならではの多種多様な発酵文化を紹介する。本展を観ることで、まるで日本全国を旅したような気分を味わうことができる。
展示された発酵食品を、手にとって、買える、食べられる!
本展は、これまで美術館のカテゴリーには入れられてこなかった“食”の表現を、北陸圏域の美術館に先駆け開催するもの。会場には、取り上げる発酵食を展示。中には、嗅ぐことができるものも登場する。そして、会場の併設ショップで実際に購入することができる発酵食も。会場でしか購入できないスペシャル商品も登場予定。加えて、地酒を楽しめるテイスティングイベント(角打ち)も開催予定。
発酵を体験できるワークショップや、醸造家に出会えるイベントを開催!
会期中、展覧会場や近辺の醸造蔵等を会場に、小倉ヒラクと醸造家らなどが登場するトークイベントのほか、味噌づくりワークショップなど、さらに会場の金津創作の森を舞台にした「発酵キャンプ」など、発酵を五感で楽しめるイベントを多数開催!
展覧会から旅に出よう!北陸の銘醸地を訪ねるオリジナルツアー
小倉ヒラクが旅したルートを基に、発酵の視点で北陸を旅する旅行ツアーを旅行代理店、旅客鉄道会社と計画中。北前船の海路を発酵目線で旅する一泊二日の旅の他、福井市内を巡る日帰りツアー、若狭・小浜や奥能登など海のディープ発酵文化を巡るエクスカーションなど、各地域の醸造蔵をめぐる旅の道のりは、絵になる美しい景色がたくさん。本展で発刊するガイドブック片手に北陸の風と水を感じながら、自分の足で、目で、北陸の地を体感しよう。
いしづか かずと
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