そよ風のさんぽ、にぎやかな島風、北風のさえずり、初夏のかおり。
これら全ては、気候変動の問題に積極的に取り組んでいるチューリッヒ保険会社が提供する、癒しの音楽とアニメーションに付けられたタイトルである。
チューリッヒ・インシュアランス・グループは、「2050年までにCO2気候排出量正味ゼロ」の目標を掲げ、気候変動の問題に積極的に取り組んでいる。その一環として、日本の豊かな自然を守り次世代へ残すことをみんなで考える契機にしたいとの考えから、サステナビリティ・プロジェクト『Green Music produced by Zurich』を2022年1月に立ち上げた。
今回は、sea-no、BROCKBEATS、石橋英子、岡田拓郎の4アーティストが参画。次世代に残したい日本の自然豊かな土地をテーマに楽曲を書き下ろし、アニメーション監督の新井陽次郎が美しいアニメーション動画として完成させている。
また、癒しの音楽と美しいループアニメーションが融合したヒーリングミュージックコンテンツも毎週YouTubeに公開されている。
チューリッヒ・インシュアランス・グループは、2014年以来カーボンニュートラル企業として事業を行っており、2019年には地球温暖化を1.5℃に制限することを掲げた国連のグローバル・コンパクト「Business Ambition for 1.5℃」に、最初の保険会社として署名している。また、2020年にはブラジルで「Zurich Forest」という森林再生プロジェクトを立ちあげ、地球環境問題に積極的に取り組んでいる。
以下に、今回参画した4人のアーティストの作品を紹介する。
1)sea-no 『そよ風のさんぽ』
そこは熊本県の天草。sea-noさんが思春期までを過ごした、山あいに流れる穏やかな音色が織りなす、『そよ風のさんぽ』が響きわたる。
<sea-no コメント>
天草は、6歳から15歳まで過ごし、とても影響を受けた大切な場所です。自然豊かな山の中で、祖母と家族と、沢山の猫達と共に暮らしていました。山への入り口から家までの道、さらに登った先の神宮、生息する植物や猫達を思い出しながら、ひとつひとつゆっくりと辿るように音楽を作らせて頂きました。穏やかな時間の流れる場所ですので、柔らかい音のピアノや可愛さのある音を中心に構成しています。そんな情景を思い浮かべながら、聴いている方に寄り添える音楽になれたなら幸いです。
2)BROCKBEATS 『にぎやかな島風』
そこは香川県の小豆島。BROCKBEATSさんが魅了された、瀬戸内海に浮かぶ小豆島の音色が織りなす、『にぎやかな島風』が響きわたる。
<BROCKBEATS コメント>
3年前の瀬戸内国際芸術祭で瀬戸内海の島々を訪れ、瀬戸内海の穏やかな海と日本一晴れの日が多いという気候が気に入って香川県に移住しました。小豆島はその気候の良さでオリーブの栽培に一番適している場所らしく、島のいたる所にオリーブの木が生えていてどこか異国のような雰囲気もあり大好きな場所です。島というのは生活のほとんどが海の幸と山の幸に恩恵を授かっていて、人と自然がうまく共存しているバランスの取れた場所だなと感じます。今回音楽を制作するにあたってイメージを膨らませる必要は無く、気が向いたらフェリーで島に行き、穏やかな海を眺めてその景色をそのまま音楽に変換するという作業でした。瀬戸内海や島の穏やかさ、旅の高揚感を感じていただけたらなと思います。今年は3年ぶりの瀬戸内国際芸術祭なのでコロナが落ち着いたら是非足を運んでみて欲しいです。
3)石橋英子 『北風のさえずり』
そこは千葉県の九十九里浜。石橋英子さんが青春時代に通っていた海岸線の音色が織りなす、『北風のさえずり』が響きわたる。
<石橋英子 コメント>
自分の故郷の風景は田んぼのど真ん中に車や冷蔵庫が捨てられていたり、林を抜けると突然ポツンと人がいるのかいないのかわからないような工場が現れたりするような風景でした。そんな切り貼りしたような風景が自分の音楽に与えた影響は大きいような気がします。今回の曲も人工的なものと自然から受けた豊かさみたいなもののバランスが崩れないように、という気持ちで作りました。
4)岡田拓郎 『初夏のかおり』
そこは東京の青梅市。岡田拓郎さんの実家のそばで青々と育つ茶畑と懐かしい記憶が織りなす、『初夏のかおり』が響きわたる。
<岡田拓郎 コメント>
馴染みのある自然を題材に制作…ということで、自分にとっての自然の記憶を掘り起こしてみて最初の記憶として思い当たるものは、2、3歳頃まで過ごした青梅市今井の田園風景。居間と庭を隔てる引戸を引くと茶畑が一面に広がっていて、自分の足で歩くことが出来るようになってからはそこが格好の遊び場になった。土の感触や風の匂い、木擦れの音はきっとそこで初めて覚えた。今でこそ腰ほどの高さのお茶の樹も、小さな子供には背丈ほどの高さで、それが一面に広がるのでちょっとした迷路のように感じた。今回の制作に際して再び今井へ足を運ぼうかと思ったが、実際の今井の風景をモデルにするのではなく、見るもの触れるもの全てが不思議に感じたその自身の幼少期の記憶を辿りながら、あの頃の今井の風景のための音楽を書いてみようと試みました。
どの曲も耳に心地よく、とても心が和む音色で構成されている。勉強や仕事をしながらでも脳裏を邪魔することなく、就寝前に聞けば心地良い眠りへと誘ってくれるだろう。
癒しの音楽をたっぷりと吸収して、地球温暖化や地球環境のことについて、少し考えてみては?
【参照サイト】Zurich 気候変動に関する特設サイト
明田川蘭
最新記事 by 明田川蘭 (全て見る)
- 牛・人・自然、みんなが穏やかで幸せになれる場所 - 2024年7月23日
- “畏敬の念” を抱く自然と文化を体験する冒険の旅へ。Kammui Adventures始動 - 2024年5月28日
- 子育て家族のための会員制二拠点生活サービス「Co-Sato」。行きつけの田舎を持つ暮らしとは? - 2024年5月17日
- 最近いつ泣きましたか?鎌倉の泣きスポットをめぐる「涙活ツアー」でストレスをスーッとすっきり - 2024年4月27日
- 小さな自分1人だけでも、世界を変えていこう。屋久島のリゾートが始めた学びの場「サステナブルカレッジ」 - 2024年4月8日