ミニマリストな旅をしよう。バックパッカー直伝、旅の荷物を減らす工夫

「旅慣れた人ほど、身軽に旅をする」という言葉があります。確かに、旅を重ねるほどに自分にとって必要なものがより見えてくるし、荷物も軽くなっていくもの。

今回は身軽に旅することのメリットを掘り下げます。身軽な旅は、旅をする本人はもちろん、地球環境への負荷を抑えられるという側面も!バックパッカーとして世界中を旅してきた筆者の経験を踏まえながら、具体的にできることや、意識したいポイントなどを紹介します。

目次

身軽に旅するメリットとは

「ミニマルに旅をする」一番のメリットは物理的にも精神的にも、旅の可能性が広がること。旅の醍醐味のひとつは、心が赴くままに行きたい場所に行くことですが、荷物が重いと行動に制限がかかることもあります。

例えば、事前に行きたい場所の最寄り駅にロッカーや荷物預かり所があるかどうか確認をする、なければ行くのを諦める。また飛行機では預け入れをするため待ち時間が生まれる、など。

特に、私の旅のスタイルは宿を取らずに現地へ向かい、自分の足で歩いて良さそうな宿を探すというものですそのため、荷物が重いと歩く時間を少しでも短縮しようと、少し割高な宿で妥協するということにもなりかねません。

荷物を最小限にすることで、これらの制限から解放されます。身軽さは自由さを生み、フットワーク軽く行きたい場所に行けるのはもちろん、気持ちも軽く旅することができるのです。

結果的に、時間や体力、さらにお金も余分に使うことなく、本当にエネルギーを注ぎたい場所や経験にそれらを使うことができるようになるのも嬉しいメリットではないでしょうか。

ミニマル旅が環境への負荷を抑えられる理由

旅路

旅をするなら頭に入れておきたいのが、荷物の重さと環境負荷の関係。 物を積むほどに機体や車体の重量・燃料の消費が増え、比例して環境負荷も高まります。そのため環境負荷の観点からも、なるべく荷物は少なく旅できたほうがベター。

そうは言っても、自分ひとりが気を付けたところでそれほど変わらないのでは、と思ってしまうのが正直 なところ。ですがコロナ以前2018年の国際観光客数は14億人(※1)となっており、今後もその数は増加するという長期予測も行われています。14億人ひとりひとりが行動に移し、 意識を変えることが、大きな違いを生むことに繋がるのですね。

まずは飛行機に関していうのであれば超過手荷物料金を払わなくてもいいように、それぞれの航空会社が決めた重さに則って荷造りをすること。身軽に旅をしたいからといって、いくつもの荷物を別に郵送するのも、環境負荷の面では同じこと。全体で見て、なるべくミニマルな旅になるよう意識しましょう。

荷物を減らすための3つの工夫

旅の荷物には必需品だけでなく、旅そのものを豊かにしてくれる役割を持つものも。例えば本、 手帳などは旅の記録や、突然生まれた待ち時間などを有意義にしてくれるアイテムです。 ただやみくもに荷物を減らすのではなく、自分の旅における優先順位を付け、心地よく旅ができる最小限だけ持参できるのが理想的です。ここでは ミニマルなパッキングに役立つ考え方、荷物の選び方を紹介します。

バックパックは適正サイズを

すでにある場合は新しく買う必要はありません。もしこれから買う場合で、ミニマリスト的な旅をしようと考えているなら、気持ち小さめを選びましょう。物理的にサイズが小さめのバックパックを用意すると、荷物に優先順位をつけ、工夫をする必要性にせまられます。逆に大きめだと、余分なものまで詰め込んでしまうのは想像できますよね。

ひとつで何役も果たすものを選ぶ

バックパックのスペースは限られています。役割が重複するものは、なるべく避けたいもの。代わり にひとつで何役も果たすアイテムを選びましょう。

例えば私の場合、夏の旅では下着よりも水着を多く用意。毎日水着を身に付け、シャワー時に一緒に洗うのを習慣にしています。特に暑くて高湿度の地域では水に入る機会が多く、また汗もかきやすいため、速乾性の高い水着はとても優秀なのです。

また滅多にないことですが、旅先では野宿をする場面も。(バックパック旅だとそんなことも稀にあります!)そんなときはコットンの長袖が一着あると便利!そのなかにタオルや別の衣類を詰め込んで、即席枕として使えます。もちろんバスや列車などの長距離移動にも役立ちます。

同じものなら「軽さ」で選ぶ

詰めるときに迷ったら「軽さ」を選ぶ指針に。例えばタオルですが、ホテルのような宿泊先なら部屋に用意されていますが、安宿を転々とするような旅ではもちろん持参することに。バスタオルは重くかさばります。そんなときは、絞ると小さくなる吸収性のいい競泳用のスイムタオルを持ち歩くのも一案です。

現地調達はどうする?

ミニマルな旅とはいえ、「足りないものは現地調達」という考え方で、荷造りをしないことも大切。

旅先で買うのはおそらく「間に合わせ」としてのアイテム、捨てても気兼ねのない安価なものになることが多いはず。それでは旅先でごみを捨てることが前提になってしまいます。

仮に現地調達をしたいのであれば、例えばそのまま自分や誰かへのお土産になるもの、旅から帰っても普段使いになるものを選んでみましょう。その土地の伝統工芸や、ローカルな人々による手作り商品などは、ローカルビジネスの活性化にも繋がります。

ミニマリスト的な旅の仕方、考え方を紹介しました。 旅をする本人が心地よく過ごせるだけでなく、結果的に環境負荷を抑えるアクションにも繋がるのであれば二倍にお得ですよね。楽しみながら、荷 物を減らす工夫を見つけてみませんか?

※1 UNWTO International Tourism Highlights

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mia

旅するように暮らす自然派ライター|バックパックに暮らしの全てを詰め込み世界一周。4年に渡る旅の後、オーストラリアに移住し約7年暮らす。移動の多い人生で、気付けばゆるめのミニマリストになっていました。ライターとして旅行誌や情報誌、WEBマガジンで執筆。経験をもとに、旅をちょっぴりエコにするヒントをお届けします。