静寂を味わい、美しい自然を観察し、晴れた夜には北極圏の空に踊るオーロラを堪能できるフィンランド。75%以上が森林に覆われ、世界で最も空気がきれいなヨーロッパ有数の大自然を誇る国だ。
Visit Finland(フィンランド政府観光局)は2019年、サステナブルで責任ある旅行が新常識になり広まることを目指し、「サステナブル・トラベル・フィンランド プログラム」を立ち上げた。
経済的、生態学的、社会的、文化的な持続可能性の4つの側面に焦点を当てたプログラムの全課程を修了し、短期および長期の目標を含めた持続可能な観光開発計画の作成など、7つの基準を満たした企業と観光地にのみ認定が与えられる仕組みだ。
そんな活動を行うVisit Finlandが、フィンランド最北部ラップランドで忘れられない体験ができる美しい宿泊施設を取り上げた。
満点の星空やオーロラ、静かな湖畔やサウナ。自然と幸福感の密接な関係性を信じているフィンランドならではの宿泊施設を7つ紹介する。
1. ARCTIC TREEHOUSE HOTEL(アークティック・ツリーハウス・ホテル)
アークティック・ツリーハウス・ホテルは、モミの木々に囲まれた立地にある。大きな出窓からは周囲の景色が一望でき、ラップランドの森を眺めるには最適。
環境に配慮したホテルなどに付与される国際的なエコラベルである「グリーンキー」と、ロヴァニエミ市で初めて、「サステナブル・トラベル・フィンランド」のラベルも取得。具体的には一部の建物には雨水管理に適したグリーンルーフを設置し、建材はフィンランド松などの持続可能な素材を使用するといった設計が行われている。
料金:€250~ アークティック・ツリーハウス・ツインスイート(27m²) 朝食付き
詳細:Arctic TreeHouse Hotel 公式サイト
2. MAGICAL POND (マジカル・ポンド)
マジカル・ポンドは、ラップランドにある良質で持続可能なイグルーから成り立つエリアにある。イグルーとは、氷や雪の塊をドーム状に積んだ冬の住居。20のイグルーからは、息を呑むような大自然の景色を眺めることができる。
マジカル・ポンドも、「サステナブル・トラベル・フィンランド」のラベルに加え、水力発電を使用していることや、社会、文化、環境、経済的責任に非常に熱心であることから、「グリーンキー」も取得している。
料金:€375~ レストランでの朝食、ウェルカムドリンク付き 暖炉、スノーシュー使用可
詳細:Magical POND公式サイト
3. ARCTIC SKYLIGHT LODGE(アークティック・スカイライト・ロッジ)
パラス・ユッラス国立公園の渓谷のくぼみに位置するアークティック・スカイライト・ロッジは、10棟のガラスのキャビン、ロッジ、レストランで構成されたホテル。
自然と幸福感は密接に関係していると考えられていることから、自然の中に位置するガラス張りのサウナでは、安らぎとロウリュの力を体感することができる。隣接する川沿いの屋外ジャグジーでは、ラップランドの大自然も満喫できるため、アークティック・スカイライト・ロッジ は、人と自然のつながりを取り戻すための場所となっている。
料金:€475(朝食付き)、サウナとジャグジー €100、プラス €20/人で1.5時間から予約可能
詳細:Arctic Skylight Lodge公式サイト
4. AURORA QUEEN RESORT(オーロラ・クイーン・リゾート)
2021年12月1日にオープンしたオーロラ・クイーン・リゾートは、ガラス張りの美しい14のイグルーで構成されている。ガラスの天井とパノラマ・ウィンドウからは、ベッドに入ったまま周囲の自然やオーロラを存分に眺め、ありのままの自然に浸ることができる。
イグルーには地熱を利用した暖房と無垢の木材が使用されている。ホテルでは、トナカイ牧場、スノーシューでのオーロラハンティング、氷上ゴーカート、ハスキー犬サファリなどのアクティビティも用意されている。
料金:€595~ グラスイグルー(パノラマスイート) キングサイズ・ベッド、朝食付き
詳細:AURORA QUEEN RESORT公式サイト
5. APUKKA RESORT LAPPISH KAMMIT SUITE(アプッカ・リゾート・ラピッシュ・カンミ・スイート)
アプッカ・リゾートは、数多くの古い手造りのログハウスを再活用した建築物とともに、歴史的遺産と、かつてたき火を囲んで語られてきた物語に脚光を当て、歴史と物語を受け継ごうとしているホテル。
ホテルではプラスチック製カードキーを大量に使用する代わりに、昔ながらの金属製の鍵を使っている。金属製鍵は長持ちし、プラスチックゴミを出さず、雪の中に落としても見つけやすい。
料金:€261~ ラップランド・カンミ・スイート(32 m²)
詳細:Apukka Resort公式サイト
6. ARTIC FOX GLASS IGLOOS (アーティック・フォックス・ガラス・イグルーズ)
小さな町、ラヌアの近くにありながら、大自然の中の静かな湖畔に佇んでおり、広々とした湖の向こうに広がる北の大地を一望できるイグルー。
ホテルの近くには、北極圏野生動物公園があり、北極ギツネやフィンランドではここでしかみられないホッキョクグマ、その他50種類以上の北極圏の動物たちを見ることもできる。自然と動物の関わりを感じられる場所だ。
料金:1泊€269~ 朝食付き
詳細:Arctic Fox Igloos公式サイト
7. NORTHERN LIGHTS VILLAGE (ノーザン・ライツ・ビレッジ)
ノーザン・ライツ・ビレッジのオーロラキャビンは、暖かいベッドにゆったりと横たわりながら、冬の満天の星空とオーロラを体験できる空間。
ビレッジが提供するスキー、スノーシュー、ハスキー犬ぞり、トナカイサファリ、オーロラ撮影、リゾート内の農場訪問などのアクティビティを利用すれば、短い滞在期間でもフィンランドの多くの魅力を体験することが可能。
料金:€299~ オーロラキャビン(29m²) 朝・夕食付
詳細:Northern Lights Village公式サイト
自然豊かなラップランドで忘れない時間を過ごそう
フィンランド北部のラップランドは自然豊かかつ、その自然を大切に保全する取り組みが観光業界でも進んでいる。サステナブルと自然美が融合した素敵な時間をフィンランドで過ごしてみてはいかがだろうか。
【参照サイト】Visit Finland (フィンランド政府観光局)公式サイト
高橋 真理
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