「重要な経営判断をする前には、いつもキャンプをしています」
そう語るのは、株式会社スノーピーク代表の代表取締役会長 山井 太氏。その子会社である株式会社スノーピークビジネスソリューションズは、都会でビジネスをする多くの企業にも、少しでも自然とつながる、気持ちのいい働き方を提供したいという願いを持つ企業だ。
そんな「自然とつながる働き方」と人間性の向上との関連を検証する為、スノーピークビジネスソリューションズは、幸せを科学的に分析する幸福学の第一人者である、前野隆司氏(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授)と、組織と働き方の研究者である井上亮太郎氏(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特任講師)との共同研究にて、アウトドア会議をビジネスに取り入れることでどのような効果を与えるか検証を行った。
【調査内容】
屋内会議とアウトドア会議を実施した際に下記のアンケートを行い、収集したデータをもとに「感情」と、人間性を構成する「主体性・関係性・創造性」にあたえる変化を分析した。
また、プログラム毎に効果の有効性も比較している。
人間性の回復に影響すると考える3つの要素が向上する結果に
今回の検証方法は、屋内会議とアウトドア会議を実施した際にアンケートを行い、収集したデータをもとに「感情」と、人間性を構成する「主体性・関係性・創造性」にあたえる変化を分析するものだ。その結果、屋外で会議を行うことで、人間性の回復に繋がる3つの要素、「主体性」「関係性」「創造性」に大幅な向上が見られた。
•「主体性の向上」において特に効果の高い項目:主体的に参加できている(78.4%)
•「関係性の向上」において特に効果の高い項目:チームの一員だと感じる(83.3%)
•「創造性の向上」において特に効果の高い項目:発想が広がる(68.9%)
アウトドア会議のプログラム構成による効果
アウトドア会議は、会議中だけでなく、自分たちの理想とするアウトドア会議室を力を合わせて作るところから始まる。みんなで行うことで、「ワクワク」といった今後の出来事を期待するポジティブな感情が起き、主体性の向上にも繋がる。
また、アウトドア会議で味わう開放感により、屋内に比べて「リラックスする」と回答した人の割合は160%アップした。「意見が出やすい」や、「普段よりいいアイデアが浮かんだ」などの意見が多数あり、会議の質の向上が期待できる結果となった。
そしてテント設営で体を動かし、その後に会議を行うことで「主体性」「関係性」「創造性」に関するすべての項目が高まる結果となった。特に、創造性が高まることは、会議体の質を向上させることに結びつく。
これらの調査結果から、アウトドア会議のプログラム構成が、会議の始まりから終わりまで全てにおいて何らかの良い効果をもたらしてくれることがわかる。
スノーピークビジネスソリューションズによる今後の展望
スノーピークは「人間性の回復」をミッションに掲げ、ビジネスにおいても自然と人、人と人とのつながりを大切にしたサービスを提供している。ビジネスの大変革期において、変化に対応できる組織にするためには、イノベーション人材の育成が不可欠と考える。今回の調査で、自然を取り入れた働き方がイノベーション人材に必要な「主体性」「関係性」「創造性」の向上に有効だということが明らかになった。イキイキ・ワクワク働く企業、そして人間らしく働く人が世の中に増えるよう、より多くの自然を取り入れた体験の機会や場を拡げていくきっかけになるだろう。
【参照サイト】株式会社スノーピークビジネスソリューションズ 公式サイト
高橋 真理
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