新千歳空港で半日過ごしてみた。寄るだけじゃもったいない、旅を彩る「空港」の魅力

新千歳空港アイキャッチ

バスに揺られながら外の景色を眺めたり、知らない道を気まぐれにドライブしたり。目的地に着くまでの移動は、旅の醍醐味だ。車やバス、電車、時には船など、旅の移動手段にはいろいろな選択肢がある。

なかでも、筆者が特に好きなのが飛行機だ。飛行機は、遠くに行くときにしか乗らない。自分の住む街から遠い県や、気候が全く違う海外など、めったに行けない場所に行くときにしか乗らない飛行機は、ほかの移動手段と比べて特別感がある。

とにかく早く飛行機に乗って現地に行きたい。そんな想いから、空港に到着後すぐにチェックインを済ませ、保安検査所を通り抜ける。現地に着いたら、ささっと空港を出てタクシーに乗る。

この一連の流れを何度も通して、筆者は思った。

「せっかくなら、もっと空港を楽しんでも良いのでは?」

空港には、旅の始まりと終わりを彩るたくさんの仕掛けがある。その仕掛けを無視して目的地に走ってしまうのは、もったいないのかもしれない。

そこで今回筆者は、北海道の空の玄関口『新千歳空港』で半日ほど過ごしてみた。新千歳空港には、ただ立ち寄るだけではもったいない魅力がたくさんある。空港でのひとときをもっと満喫したい人は、ぜひ参考にしてみてほしい。

 

「食」で旅のハイライトを飾る
北海道スープカレー

空港で外せないのが、その地域ならではの食事だ。

旅行の期間が短い場合、「現地で食べたいものがあったけど、時間がなくて食べられなかった」というケースも少なくない。しかし、特に大型の空港にはその地域やその国ならではの料理が揃っていることが多いため、旅の最後に目当てのグルメを楽しんでから帰ってくることができる。

北海道ラーメン道場

筆者はあえて早めに空港に着いて、最後に少し値段が高めの食事をしてから帰ることが多い。長期の旅行中だと毎日レストランで外食するわけにもいかず、食の面で我慢することが多いから、最後に空港で贅沢をするのだ。

もちろん、旅行帰りだけでなく、旅行の前に空港で食事をするのも良い。長期の海外旅行に行く人は、旅の途中で日本食が恋しくなるから、空港で好きなものを食べてから出発する人も多いという。

その空港にしかない魅力を探そう

新千歳空港は、“何でも揃っていること”がほかの空港との違いかもしれない。

新千歳空港温泉

まず1つ目が、良質な温泉に浸かれる「新千歳空港温泉」。広い大浴場やサウナのほか、露天風呂に入りながら夜空を眺めることもできる。

また、館内には泊まれる休憩スペースもあり、深夜の便で空港に着いた人や、早朝の便で空港を発つ人から人気だ。

深夜に空港からタクシーで市街へ出たり、早起きして空港に来たりするのも良いが、せっかくなら1泊ゆっくりするのがおすすめ。

ミュージアム

ミュージアムもいくつかある。ミュージアムでは空港や各航空会社について知れたり、離着陸する飛行機を眺めたりできる。

飛行機を眺める

旅が好きな人のなかには、飛行機が飛ぶ様子をぼーっと眺めるのが好きな人も多いのではないだろうか。飛行機が眺められる展望エリアは多くの空港にあるので、ぜひ探してみてほしい。

ご当地キャラクターのグッズが販売されるショップ

ほかにも、北海道ならではのご当地キャラクターのグッズが販売されるショップや、

映画館

映画館もある。食事に温泉、買い物、映画。一日中いても飽きないのが新千歳空港の魅力だ。

ここまでバラエティ豊かな施設が揃った空港はあまり多くないかもしれないが、羽田空港であれば星空が散りばめられた展望デッキ、温泉が有名な大分の大分空港であれば足湯、シンガポールのチャンギ国際空港であれば滝が流れるガーデンなど、それぞれの空港にそれぞれの魅力がある。

ぐるっと一周してみるだけで、ほかの空港にはない面白いものが見られるはずだ。

空港には世界中の人の人生が交差するワクワク感がある
新千歳空港

フリースペースのデスクにパソコンを置き、時間が来るまで仕事をする。カフェで仕事をするのとも、宿で仕事をするのとも違う、「旅をしながら生活している感覚」を空港では味わうことができる。

空港の魅力は旅を彩る仕掛けがたくさんあることだが、もう1つ見逃せない点がある。それは、楽しそうに家族や友人と過ごす旅行者が多いことだ。

世界中から人が集まる空港には、世界中の人が楽しそうにしている光景が見られる。これからどこかへ旅立つ人、これからどこかへ帰る人。旅行かもしれないし、仕事かもしれないし、留学かもしれない。何を目的に空港に来ているかは分からないが、どこかへ飛び立つ人たちの姿を何となく眺めているだけでわくわくする。

旅人にとって、旅らしさを強く感じられる場所の1つは空港だ。これからどこかへ旅立つ人は、少しだけ早く空港に着いて、少しだけ遅く空港を出てほしい。空港を見渡すことで、少し違った旅のヒントが見つかるはず。

【参照サイト】新千歳空港ターミナルビル
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佐藤 ひより

フリーライター。数時間に1本しか電車が走らない田舎に生まれたこともあり、その反動で都会や海外など外の世界に興味を持つ。大学時代にインドネシア語を学び、それからバリの虜になり今ではよく通うように。海外や日本各地を旅しながらその土地の人の価値観に触れること、美しい自然を見て心が震える体験をすることが好きです。