北海道の阿寒湖温泉地域で「阿寒湖の森 ナイトウォーク KAMUY LUMINA(カムイルミナ)」が11月14日(日)まで開催される。カムイルミナは、最新鋭のデジタル技術を使用して幻想的に彩った夜の森を散策しながら演出を楽しめる体験型イベントだ。
今年の物語のテーマは、アイヌ民族が大切にしてきた精神「自然と共生」。舞台となるボッケの森は国立公園の第一種特別地域に指定されている。まさに大自然のど真ん中で行われるイベントだ。カムイルミナの収益の一部は阿寒湖周辺の自然保護や、地元の子供たちへの環境教育活動に使用され、SDGsにもつながるサステナブルな取り組みとなっている。
1.2キロにも及ぶ森の遊歩道は見どころが満載だ。カムイルミナの見どころや楽しみ方を紹介する。
まず見どころは、阿寒湖の自然とアイヌ文化が融合したデジタルアートの演出だ。最新鋭のデジタル技術を駆使して繰り広げられる幻想的な森の世界は、季節や天候で異なる演出が用意されている。阿寒湖畔の地形や景観、自然を生かしたプロジェクションマッピングは壮大で贅沢な景色だ。
カムイルミナのストーリーは、先住民族アイヌに伝わる叙事詩を題材にしているが、難しいものではなく、優しく語りかけるフクロウや可愛らしい小鳥のカケスなど愛らしいキャラクターたちが登場し、子どもから大人まで楽しめる内容になっている。
また、「カムイルミナ・キャラクターAR」アプリを使って、スマートフォン画面上に現れるカムイルミナのキャラクター、村の守り神「フクロウ」と小鳥の「カケス」と一緒に写真撮影も楽しめる。
そして、森の冒険のキーアイテムとなるのが、アイヌの伝統的な杖をモチーフに作られた「リズムスティック」だ。森の入り口で来場者に1本ずつ手渡され、これを頼りに真っ暗な夜の森を歩いていく。
リズムスティックには、杖としての役割と共に、ストーリー展開と連動した仕掛けも施されており、ナレーションや音楽が流れたり、色鮮やかに点灯したり、フクロウやカケスなどのキャラクターたちとともに冒険をしていくようなストーリーへの没入感が楽しめる。
演出は、カナダのモーメント・ファクトリー社と阿寒湖在住のアイヌの人々がストーリーから音響制作まで全面的にコラボレーションし、物語の中でリズムスティックから流れる歌や音楽にアイヌ文化を取り入れている。アイヌの伝統楽器「ムックリ(口琴)」や「トンコリ(五絃琴)」の音や歌を聴ける貴重な機会だ。
森の木々の香りや、デジタルアート演出などまさに五感をフル活用して楽しめるカムイルミナ。大自然の中で輝く光のアートとストーリーはとても神秘的で、ファンタジーな世界へ連れていってくれるだろう。そんな非日常の世界観を味わいに、阿寒湖を訪れてみてはいかがだろうか。
【参照サイト】KAMUY LUMINA (カムイルミナ)公式サイト
高橋 真理
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