沖縄県でゆったり地元に寄り添える、ワーケーションにおすすめの宿10選(本島編)

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寄せては返す波の音で目が覚める。カーテンを開けると目の前は眩しいほどに真っ青な海と空。ぐーっと伸びをして、陽の光を浴び、1日を始める。

沖縄は、亜熱帯地域特有のパワフルな自然や多様な動植物に恵まれた土地だ。またこの場所には脈々と受け継がれてきた琉球の文化が根付いている。人は温かく、都市にはない、ゆったりとした空気を携えている。

今回は、過去沖縄に居住し観光メディアの編集経験もある筆者が、地元に寄り添い、ゆったりと沖縄時間を過ごすことのできる、ワーケーションにおすすめの宿を厳選して10件紹介する。那覇を代表とする南部、リゾートホテルが多く立ち並び、異国情緒あふれる中部、やんばると呼ばれる大自然が広がる北部、それぞれ違う顔を持つ沖縄本島の魅力に迫る。

※2021年8月11日現在では、新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い、沖縄県は、県外からの来訪自粛を要請しています。状況が落ち着き自粛要請が解除される日まで、未来の行き先を思案する目的で本記事をお役立ていただければと思います。

本島南部

国際通りのある那覇市は、沖縄本島の旅の玄関口。観光客が多く行き交い、地元の人が集う居酒屋や商店街、数多くの有名ブランドが集まるDFSなど、那覇市は観光に外せないスポットだ。南部へ行けば、のどかな原風景が広がる。世界遺産である「斎場御嶽(せーふぁーうたき)」、神の島と崇められる「久高島」など数々の名所も点在。南部エリアに興味のある方は、那覇を拠点に周るといい。また、那覇より南へ行き静かなワーケーションライフもおすすめ。厳選した3つの宿を紹介する。

① 海坐 〜Kaiza〜

沖縄南部 玉城にぽつりとたたずむB&Bスタイルの小さな宿。施設は、本館の全4部屋と、2018年にオープンしたコンドミニアムタイプの別邸全2棟あり、1名での利用なら本館となる。B&Bスタイルだからこそ、プライベートな時間が守られるので、静かなワーケーションをしたい方におすすめ。

海坐の裏には、「キジムナー」と呼ばれる子供の精霊が宿る木として沖縄で親しまれている、がじゅまるの木が生い茂る。少し登っていくと、ツリーテラスがあるので、休憩がてら目の前に広がる海を一望しながら風の音に耳を傾けてみるのも良い。

海坐では、限られた資源を大切にした取り組みを行っている。たとえば、本館工事の時に出てきた琉球石灰岩を再利用した石段や、朝食時のスープカップには、ツリーテラスを作る際に伐採したガジュマルの幹を再活用している。環境に配慮し持続可能な観光産業を目指す海坐で、サステナブルな滞在をしてみてはいかがだろうか。

<施設情報>
海坐 〜Kaiza〜
住所 沖縄県南城市玉城字玉城56-1
電話番号 098-949-7755

② CABIN & HOTEL ReTIME(キャビン & ホテル リタイム)

那覇市にある、アメリカ西海岸のデザインを取り入れたおしゃれな宿泊施設。ゆいレールの旭橋駅や那覇港から徒歩約5分と好立地なため、那覇市内を散策したい方におすすめ。客室は、カプセルルーム、デスクスペース付きのキャビンルーム、ロフトや室内シャワー付きのファミリールームの3タイプ。男性専用フロア、女性専用フロア、共用フロアがあるため、女性一人でも安心して泊まれる。

フロント前にあるレストランは、朝食や軽食などをいただけるほか、座席にコンセントやUSBポートがあるため、ノートパソコンやスマホの充電をしながらの作業も可能だ。館内2Fには、24時まで利用できる大浴場とサウナを完備しており、疲れもしっかり癒やすことができる。

1泊3,000円以下とリーズナブル!長期滞在プランもあり、カプセルタイプなら15日30,000円~、キャビンルームなら15日38,500円~と手ごろな価格帯で利用できるため、長期のワーケーションや出張には外せない。

<施設情報>
CABIN & HOTEL ReTIME(キャビン & ホテル リタイム)
住所 沖縄県那覇市東町14-10
電話番号 098-861-1810

③ ユインチホテル南城

沖縄南部に位置し、南城市佐敷の丘の上に建つ、こじんまりとしたリゾートホテル。ここはなんといっても温泉が自慢!沖縄で温泉というと珍しいが、ろ過・加温・加水を一切していない“源泉かけ流し”の湯を楽しめるのはさらに珍しい。眺望も抜群で、昼は青い空と海、夜は南城市の夜景と星空が望める。

近くには、世界遺産に登録された「斎場御嶽」や琉球民族発祥の地「久高島」にもアクセスしやすく、数々の名所や史跡めぐりをしたい方におすすめ。

客室は、和室・洋室合わせて147室。本記事で紹介している他の施設に比べて規模は大きめだが、落ち着いた雰囲気で、一人での利用にも適している。コワーキングラウンジ併設で作業もしやすい。

<施設情報>
ユインチホテル南城
住所 沖縄県南城市佐敷字新里1688
電話番号 098-947-0111

④ MARINX CLASSIC HARBORVIEW PENSION

那覇空港から南部へ車で約35分、港川漁港のすぐ近くにある、遊び心を忘れない大人におすすめの宿。徒歩1分でビーチに出ることができ、常駐するスタッフはみんな海に精通していることから、マリンアクティビティを楽しみながらワーケーションしたい方におすすめだ。

客室は、オーシャンビューのツインルームと、2段ベッドのあるロフトツインの2タイプ。ツインルームには、部屋にユニットバスがあり、ロフトツインは共用のシャワールームを使用するスタイルとなる。

1Fにあるカフェバー「ニューシネマパーラー」では、朝食やドリンクをいただけるほか、Wi-Fiを完備しているため、作業スペースとしての利用も可能。夜は、バーになるので仕事後の乾杯はこちらで。屋外バーベキューも楽しめる!

集落内には、地元の人が通う鮮魚店や天ぷら店が点在。沖縄で天ぷら?と思うかもしれないが、実は天ぷらは沖縄のローカルフード。どっぷり地元感を味わうのも通の楽しみ方だ。

<施設情報>
MARINX CLASSIC HARBORVIEW PENSION
住所 沖縄県島尻郡八重瀬町港川361-1
電話番号 098-988-3007
※公式ホームページなし

本島中部

中部エリアは、大型リゾートホテルが集まる恩納村をはじめ、美浜アメリカンビレッジなどアメリカの雰囲気を感じられる北谷、ディープな沖縄や異国情緒あふれるコザの街など、さまざまな個性光るエリアが満載。お店も多く、Wi-Fi完備のカフェにも困らない。

今回は、観光客が多く賑わうエリアは敢えて外して、ワーケーションでお篭りできるホテルと、地域密着型の滞在が望めるホテル2件を紹介する。

⑤ ココガーデンリゾートオキナワ

女性一人でお篭りワーケーションをするなら、ココガーデンがおすすめ。リゾートホテルならではの安心感がある。

朝起きて、敷地内で沖縄の花を散策。その後朝食をいただいて、午前中の作業。そして、レストランの屋外テラスで昼食をいただき、ちょっぴり午後の作業。仕事の合間には、ライブラリーラウンジでお気に入りの本を見つけたり、プールやヨガをしてリフレッシュしたり。14時から15時半の間に、好きな場所に届けてもらえるアフタヌーンティーの利用も欠かせない。1日中ホテルにいても、癒やしのワーケーションを過ごせるだろう。

エステメニューも充実しているので、旅の終わりには、ぜひ疲れた体を癒やして。3泊以上のロングステイなら、連泊特典がついてお得!お休み前のスイーツやカクテルサービス(曜日・回数限定)や、ランチ無料、系列ホテルの温泉を利用できるなど、ココガーデンならではのうれしいサービスが受けられる。

<施設情報>
ココガーデンリゾートオキナワ
住所 沖縄県うるま市石川伊波501
電話番号 098-965-1000

⑥ トリップショットホテルズ・コザ

アメリカ文化が色濃く残る沖縄市コザの街にある、おしゃれなホテル。「中央パークアベニュー」と呼ばれる商店街にある、元・美容室や元フィリピンキャバレーなどの店舗をリノベーションして作られた、10種類のスイートルームが滞在先。1つ1つテーマが違い、ヴィンテージ家具に包まれた客室は、どれも映画のワンシーンに出てくるような内装で、”映える”こと間違いなしだ。

どの部屋もWi-Fiは完備されているが、フロントとなる「プレイヤーズカフェ」でもWi-Fiを利用できる。宿泊者には、無料ソフトドリンクサービスがあるのでぜひ利用したい。

コザの街は夜が楽しい!近くには、せんべろ居酒屋や、バー、ライブハウスも多く点在。米軍基地で働く方も通うバーでは、ドルも使えるため、まるで外国にいる気分に。日中は、お部屋やカフェで仕事をして、夜はコザの街を堪能するスタイルがおすすめだ。

<施設情報>
トリップショットホテルズ・コザ
住所 沖縄県沖縄市中央2-6-47
電話番号 070-5489-3969

本島北部

北部エリアには、代表的な観光スポットとして沖縄美ら海水族館や古宇利島がある。このエリアは、沖縄のゆったりした時の流れを感じられる宿が多く点在。はっきり言って、おすすめはたくさんあるが、問題はWi-Fi環境だ。大型ホテルではその環境も整備されているものの、ネットもテレビもなく、静かに過ごして欲しいという宿や古民家も少なくない。カフェで作業をと思っても、Wi-Fiなしのカフェも多い。ワーケーションをするには、事前にWi-Fi環境は要確認。今回は、中でもワーケーションを推していて、仕事の合間にビーチ散策やアクティビティを楽しめる施設を4件紹介する。

⑦ あがいてぃーだ

今帰仁村にある1日1組限定のB&Bスタイルの宿。徒歩1分のところにプライベートビーチがあり、早朝の誰もいないビーチ散策や、海に沈む夕日を堪能するにはもってこいの立地だ。

宿の部屋は「さんごのお部屋」「ごーやのお部屋」の全2部屋。いずれもロフト・ウッドデッキ付きで、琉球畳の落ち着いた内装となっている。部屋に敢えてテレビや冷蔵庫を置かず、照明を落としているのは、静かな時間を過ごして欲しいというオーナーの想いから。

宿では、エコツーリズムの生き方に感銘を受けたオーナー、自らのガイドによる数々のプログラムを用意している。シーカヤックやシュノーケリング、トレッキング、 琉球体験など、団体ではなく“1組対1”でアクティビティを体験できるのも、この宿の醍醐味だ。

共用スペースは、Wi-Fiを完備しており、オンラインでの作業ができる。仕事の合間には、テラスやウッドデッキに出て、風や光、波の音や野鳥の声などを感じてほしい。

<施設情報>
あがいてぃ〜だ
住所 沖縄県国頭郡今帰仁村今泊20-1
電話番号 0980-56-3480

⑧ 海と星空の小さな宿「WASSA WASSA」

「道の駅 おおぎみ」からほど近い、1日2組限定の小さなホテル。亜熱帯の山々に囲まれた大自然の中にあり、目の前には手付かずの天然ビーチが広がる。日中は海で遊び、滝でトレッキング、森を散策、夕方には海に沈む夕日を見てボーッとするなど、都会では味わえない体験がここには待っている。

小さなプライベートガーデンがついたお部屋は、天井が3.3mと高く、ゆったり寛げるスペースとなっている。黄色を基調にセンスの良い家具が配置され、木目調の落ち着いた空間が広がる。Wi-Fiがあり、部屋でのオンライン作業が可能だ。

そして、ここはなんと言っても、料理が自慢!オーナーは元大手ホテルの料理人で、漁港で仕入れた新鮮な海の幸をふんだんに使った料理をふるまってくれる。宿にはオーナーいち押しの場所、露天風呂付きのルーフテラスがあり、そこでいただく星空ディナーはまさに格別。時折聞こえる波の音を聞きながら、乾杯。1日の締めくくりに最高の瞬間を味わえる。

<施設情報>
海と星空の小さな宿「WASSA WASSA」
住所 沖縄県国頭郡大宜味村根路銘97番地
電話番号 0980-50-2500

⑨ chillma(チルマ)

沖縄の美ら海と古宇利島を望める、大人のためのプライベートリゾートホテル。約500坪の敷地に、フロントとレストラン、そして1階建ての客室で構成される。完全1棟独立のヴィラになっているため、静かな滞在をしたい方におすすめ。

部屋は、全室オーシャンビュー!海と一帯化しているような感覚になるインフィニティプールを有し、全室52㎡以上の部屋には、リビング、ベッドルーム、キッチンを備える。また、ビューバスかオープンエアスペースもあり、ちょっぴり贅沢な滞在が叶う。

敷地内の散策道からは、白砂のコーラルビーチへ降りることができる。お部屋で仕事をして休憩がてら、静かなビーチでゆったり過ごすことも。穏やかな遠浅の海では、海水浴やシュノーケリングも楽しめる。

朝食やディナーは、お好みで追加するか選択を。キッチンには、冷蔵庫や調理器具、食器を取り揃えているので、地元の食材を買ってきて、好きなご飯作りも楽しめる。上品かつラグジュアリーな空間で、完全プライベートの滞在が可能だ。

<施設情報>
chillma(チルマ)
住所 沖縄県国頭郡今帰仁村運天506-1
電話番号 050-5810-3978

⑩ YUMBARU HOTELS – 根路銘01号室

最後に紹介するのは、亜熱帯の山々が広がる「やんばる」という地域、大宜味村にある築約100年を誇る琉球古民家の宿。今ではほとんどが失われてしまった、祝女(ノロ)と呼ばれる琉球王朝時代の祭祀官の家系の家で、歴史的にも貴重な古民家をリフォーム。

宿には、今も実際に使われている「トートーメ」と呼ばれる仏壇がある。宿泊の際は、まず仏壇で手を合わせて挨拶するところから。旅の滞在を喜んで見守ってくれるだろう。また、大自然の中にある古い家ということもあり、ムカデやアリ、ヤモリなどがしばしば室内に遊びにやって来るのはご愛嬌。

仕事をする場合は、フロントでもある国頭村辺土名(くにがみそんへんとな)にあるカフェ&コワーキングスペース「HENTONA LOUNGE」で作業を。Wi-Fiを完備し、カウンターや仕切りのあるデスクスペースでは、仕事が捗る。複合機のほか、レンタルできるパソコンも置いてある。

仕事が終わったら、古民家へ帰宅。沖縄のおばぁのお家に遊びに来た感覚で、のんびりゆったり沖縄じかんを感じて。

<施設情報>
YUMBARU HOTELS – 根路銘01号室
住所 沖縄県国頭郡大宜味村根路銘233
電話番号 090-3413-1196

HENTONA LOUNGE
住所  沖縄県国頭郡国頭村 辺土名 119-6
電話番号 090-3413-1196

最後に

数多くある宿泊施設の中でも今回は、“沖縄らしさ”そして“地元に寄り添えるあたたかい雰囲気” この2つが感じられる宿にスポットをあてた。これからワーケーションを考えている方はぜひ、これらの施設で南国ならではの“贅”を感じてみてはいかがだろうか。

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※2021年8月11日現在では、新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い、沖縄県は、県外からの来訪自粛を要請しています。状況が落ち着き自粛要請が解除される日まで、未来の行き先を思案する目的で本記事をお役立ていただければと思います。

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明田川蘭

大の旅好き&温泉好き。一人で海外へ、一人で車を走らせて日本の名湯へ。アフリカ大陸と北極南極以外に降り立ち、行った国は30を越え、巡った温泉地は100を超える。沖縄観光メディアの編集者やホテルメディアの立ち上げ経験あり。「旅は人の心を豊かにする」と本気で思い、記事を執筆している。