世界遺産・白川郷の美しい合掌造り集落。その景観を守りながら、観光と地域の暮らしの調和を目指す新たな取り組みが始まった。
深刻化する交通渋滞の現状
白川村の荻町地区では、特に5月の大型連休、お盆、紅葉シーズンに深刻な交通渋滞が発生している。村内の駐車場利用は年間約22万台に上り、その8割以上がマイカーやレンタカーだ。
山々に囲まれ鉄道のない白川村では、唯一の国道が渋滞すると、観光だけでなく地域住民の日常生活も麻痺してしまう。
この課題に対応するため、観光庁の「オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業」の補助を受けて本サイトを開発した。
白川郷の観光客数の推移
白川郷の観光客数は、1995年の世界遺産登録を機に大きく増加し、近年では年間200万人を超える観光地だ。そしてその観光客の大多数が日帰り観光という傾向がある。
先進的な混雑対策システム
シラカワゴーイングは、3か月先までの駐車場の混雑見込みを確認できる機能や、状況をリアルタイムに把握できるライブカメラ機能があり、白川郷観光を予定する皆さまの快適な旅のために、「ずらし観光」を推奨し、特に“旅マエ”に参考にすべきサイト構成になっている。
webサイト「シラカワ・ゴーイング」の主な特徴
1、混雑等アラート表示
トラブルを最小限に抑えるための情報をポップアップでお知らせ
週間混雑予想に天気と気温も表示。月間混雑予想は3か月先の傾向を表示 3、ライブカメラ映像で渋滞をリアルタイムに見える化
村内各所のライブカメラ映像で駐車場に向かう車の様子を配信 4、各道路の交通規制状況
白川村内の冬期閉鎖のある道路の規制状況をお知らせ
5、混雑を回避するお役立ち情報の提供
混雑をさける「すんなりルート」を、車のアクセス編・高速バス編で紹介
6、白川郷ルール(白川郷レスポンシブル・ツーリズム)の周知
白川郷の象徴である合掌造りの形状を模した追従ボタンを配置し、白川郷レスポンシブル・ツーリズム特設ページへの遷移を促すことで、レスポンシブル・ツーリズムへの理解を深める
レスポンシブル・ツーリズムの推進
白川村は、この取り組みを通じて「レスポンシブル・ツーリズム(責任ある観光)」を推進している。これは観光客自身が観光地を理解し、責任ある行動をとることで、より良い観光地づくりに参加する新しい観光スタイルだ。
観光地で混雑や渋滞を避けることは、旅行者にとってのみの幸せではなく、訪れる地域住民にとっての幸せでもあることを忘れてはならない。自然・暮らし・観光の調和を大切にした「レスポンシブル・トラベラー」の輪に加わるべく、シラカワ・ゴーイングにアクセスして旅前の情報収集をしてみてはどうだろうか。
【参照サイト】白川郷すんなり旅ガイド シラカワ・ゴーイング
【参照サイト】車の混雑予想カレンダーや渋滞をリアルタイムに見れる旅マエ情報サイト「白川郷すんなり旅ガイド シラカワ・ゴーイング(SHIRAKAWA-Going)」を公開|PRtimes
【参照サイト】カンダまちおこし株式会社
【関連記事】京都・嵯峨嵐山のオーバーツーリズム対策に貢献する、多言語デジタルマップ「嵯峨嵐山周遊ガイド」
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