本との出会いは、人生観まで変えることがある。
しかし、電子書籍の普及や書店数の減少により、人類の知恵や遊びでもある本に直接触れる機会も減っている。
北海道積丹半島の断崖絶壁にある温泉施設「岬の湯しゃこたん」に、「崖っぷち書店」と「みさきの図書館」がオープンした。日本海を望む崖っぷちに佇むこの書店で、積丹半島が誇る壮大な景色と文学の世界が融合した新しい読書体験をしてみてはいかがだろうか。
書店がない積丹半島
北海道西海岸の中央部、北西に突出している積丹半島。人口約1,200人のまちで、昔からニシン漁が盛んな漁師町であった。積丹の海は北海道で唯一海域公園に指定されており、美しい海は「積丹ブルー」と呼ばれている。
そんな自然景観と豊かな海産物で有名な地域ではあるが、著しく人口減少の進むエリアでもあり、積丹半島には書店が存在していない。過疎化の進む地域だからこそ、「本」という人類の知恵であり遊びに触れる場を作ることはできないか、という声をきっかけに温泉施設「岬の湯しゃこたん」を運営する株式会社SHAKOTAN GOは、書店と図書館の設立に踏み切った。
「崖」にまつわる本を多数選書「崖っぷち書店」
株式会社SHAKOTAN GOは、日本出版販売株式会社、またたび文庫、株式会社andcraftと協力し、「崖っぷち書店」そして「みさきの図書館」を2023年9月1日にオープン。崖っぷち書店のコンセプトは、「積丹半島の岬の断崖絶壁とその温泉に身を置きながら、独特な魅力を持つ崖にまつわる選書本との出会いを楽しんでいただくこと」。積丹半島の魅力にも触れながら文学の奥深さも楽しめる贅沢な時間を過ごせる書店だ。
販売方法は普通の書店とは異なり、「崖」にまつわる5つのカテゴリーごとにセレクトされた特別な3冊セットを販売する。三部作セットのタイトルのみで本を購入するという一風変わった購入体験が「崖っぷち書店」の特徴だ。「岬の湯しゃこたん」のある積丹半島の崖、岬という場所にまつわる未知数の本との出会いを楽しんでいただきたい。
みんなの気軽なライブラリー「みさきの図書館」
「崖っぷち書店」と同時にオープンした「みさきの図書館」。みさき図書館は寄付された本によって成立する図書館だ。温泉に入ってゴロゴロしながら、ふと本やマンガに手を伸ばし、普段手に取らないような1冊に出会う、この場所ならではの過ごし方を楽しめる。
みさき図書館では、スペシャル古書寄付キャンペーンを実施。寄付した冊数によってさまざまな特典を用意している。
・5冊寄付:オリジナルステッカープレゼント
・10冊寄付:食堂のソフトクリーム無料券
・30冊寄付:岬の湯積丹入浴無料券
・100冊寄付:オリジナル「シャコタニアン」Tシャツ
・200冊寄付:先着5名様に岬の湯しゃこたんで開始予定の冬季宿泊施設ご招待
崖の上で特別な読書体験を
積丹半島の温泉地にオープンする「崖っぷち書店」。積丹の景色と、崖にまつわる本に出会える場所。日々の生活の中で何か物足りない、何か新しいものに出会いたいというときに新たな刺激を与えてくれる場所になるかもしれない。積丹半島で「本」と改めて向き合ってみてはいかがだろうか。
【参照サイト】株式会社SHAKOTAN GO_岬の湯しゃこたん 公式サイト
【参照サイト】またたび文庫 公式サイト
【参照サイト】日本出版販売株式会社
【参照サイト】株式会社andcraft
高橋 真理
最新記事 by 高橋 真理 (全て見る)
- “旅は取り返しのつく人生” エコツーリズムの先駆者から学ぶ、自然と自分を再生する旅のヒント - 2024年10月31日
- 「足るを知る」ことで充足を得る、贅沢な滞在。隠岐諸島「Entô」の冬ごもりプラン - 2024年10月29日
- この秋は “コケの聖地” 奥入瀬渓流へ。乗って楽しい、見て癒される「コケまみれのバス」とは? - 2024年10月8日
- 「山は最高のレストランだ!」オフグリッドの山小屋で、シェフの本気のディナーコースを楽しむひとときを - 2024年9月30日
- 全国どこでも抹茶禅を体験。日本初「どこでも出張茶人」はじめました - 2024年9月17日