人と地域を言葉で紡ぎ、新たな魅力を引き出す。地域活性プロジェクト「言山百景」

リモート観光、リモート帰省、オンラインイベント。時代の流れとともに、帰省や観光など遠方での非日常的な体験もデジタル化がすすんでいる。デジタル化が進んだことでできるようになったことも多々ある一方で、旅行先の神社の絵馬に願いを込めたり、宿の部屋に置かれたノートにメッセージや落書きを残し、時を経て再度その場所を訪れて過去の自分の言葉から場所とのつながりを感じるといったような体験は、デジタルで体験しようと思うとまだまだ難しさがある。

しかし、そうしたノスタルジックな体験も、テクノロジーの力を用いて体験できるようにならないだろうかと、パナソニック株式会社のデザイン本部「FUTURE LIFE FACTORY」が「言山百景」という地域活性プロジェクトを生み出した。

コンセプトは、「見知らぬ景色に、言葉と関係性を生み落とす。」

遠隔でも人と人がつながりながら、希薄化していく関係性をつなぎ変え、その土地の新たな観光資源や地域の魅力を作り出していくことを試みている。

「言山百景」のプロジェクトの一環として4月13日(水)〜17(日)の期間、ネット連動型インスタレーションが日本橋のアートホテルBnA_WALLにて開催される。イベントには、10人の写真家たちが参加。インスタレーション展示と、WEB上の特設サイトにてインスタレーションへの参加を可能とし、会場のストリーミング配信が行われる。

特設WEBサイトには、“どこか遠い地の景色” の写真が複数枚用意される。参加者はその中から1枚を選び出し、その景色に対して感じた“言葉”を投稿する。その言葉は3Dプリントされ、質量をもった“言葉”となる。

“言葉”はリアル会場であるBnA_WALLの会場壁面にプロジェクションされた、“どこか遠い地の景色”の前に降り注ぎ、参加者とその地をつなぐ山(言山)を築いていく。それと同時に「言山」を築く一員として、参加者の名前が特設サイトにクレジットされる。

参加者が増えていくごとに積み上がるさまざまな“言葉”と、“どこか遠い地の景色“との関係性を見つめ、現地はいまどんな風景なのか、自分だったらどんな言葉を紡ぐのか、想像しながら体験できるイベントとなっている。

人と地域を言葉でつなぎ、デジタルを用いてその言葉に詰まった思いや感動が共有される。

あなたの言葉は果たして、どこの地の景色となり、どんな人の心に響くだろう?

【参照サイト】言山百景in BnA_WALL

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明田川蘭

大の旅好き&温泉好き。一人で海外へ、一人で車を走らせて日本の名湯へ。アフリカ大陸と北極南極以外に降り立ち、行った国は30を越え、巡った温泉地は100を超える。沖縄観光メディアの編集者やホテルメディアの立ち上げ経験あり。「旅は人の心を豊かにする」と本気で思い、記事を執筆している。